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デマ拡散,流言に騙されない方法

デマ拡散,流言に騙されない方法を解説

はじめまして!公認心理師・精神保健福祉士の川島です。私は現在、こちらの初学者向けコミュニケーション講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています。

今回は「デマ・噂話」についてお話していきます。目次は以下の通りです。

  • デマが広がる原理・公式
  • 豊川信用金庫事件
  • コスモ石油事件
  • 熊本地震ライオン脱走事件
  • コロナウィルスのデマ情報
  • デマ・噂話に流されない方法

しっかりとお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。ぜひお付き合いください。

*動画でも解説しています。
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噂話やデマ拡散の原理・公式

意味

噂話やデマは、流言ともいいます。国語辞典(1965年)では、流言を以下のように解説しています。

何の根拠もない、いいかげんな噂。デマ。

公式

心理学者のG.W.オールポート、L.ポストマンは、人々にとっての問題の重要性、状況のあいまさの積に比例して流布すると主張しています。具体的には、次の公式で示すことができます。

R=I×A×N

R:rumor
噂話、流言、デマを意味します。
I:importance
重要性、関わる人にとって大切な情報かを意味します。
A:ambiguity
曖昧さと意味します。
N:network
通信でのつながりを意味します。

日本語で表記をすると

流言の量=重要性×曖昧さ×ネットワーク

となります。

情報が不確かなほどデマは広がるという考えから、古典的な公式は「R=I×A」でした。しかし最近は、SNSなどでデマが広がるため、公式にはネットワークが追加されています。

二度聞き効果とは

心理学の用語で、別々の人から同じ情報を聞くと信じやすいことを指します。

SNSでデマ情報が拡散されると、同じ情報を繰り返し見ることになります。この時、二度聞き効果がはたらき、デマ情報を信じてしまうのです。

デマ,流言,実際の事件

デマや流言について実際の事件をいくつか紹介いたします。興味がある項目をクリックしてみてください。

豊川信用金庫事件は、噂話によって発生した取り付け騒ぎ事件です。

この事件は、噂話がパニックにまで発展した有名な事例で女子高生の雑談がきかっけに始まりました。事件の流れを簡単にまとめるとこちらです。

①女子高生A
豊川信用金庫に就職する女子高生Aが友人から「信用金庫は危ないらしいよ」とちゃかされた噂話による事件②親戚B
女子高生Aは不安になり、親戚Bに「信用金庫は危ないのか?」と尋ねる

③経営者C
親戚Bは、美容室経営者Cは「危ないらしい」と告げる

そしてドミノ倒しで噂話が広がり、約20億円の預貯金が引き落とされる取り付け騒ぎが発生しました。

デマ拡散のポイント

事件後の捜査で、女子高生Aに友人が言った「危ない」は「(強盗が入るから)危ない」という意味だったことが分かりました。

しかし何が危ないかを省略したことで情報が不確かになり、次々に情報が歪んでしまったのです。最終的には、

「職員が5億使い込んだ」
「倒産説明会をしている」
「理事長が自殺した」

など驚くようなデマ情報に発展してしまいました。

SNSでデマ情報が拡散

SNSでデマ情報が拡散した「コスモ石油事件」についてみていきましょう。

コスモ石油事件は、コスモ石油の製油所火災から発生した事件です。概要は以下のとおりです。

①東日本大震災直後
コスモ石油の千葉製油所で火災が発生

②SNSで情報が拡散
「有害物質が降るのでは?」という情報がTwitterで拡散

SNSのデマ情報が拡散

拡散された情報は、デマだったことから、コスモ石油の公式WEBページで「火災による人体へ及ぼす影響は非常に少ない」と発表するまで発展した事件です。

この事件での
デマツイートは9,652
訂正ツイートは25,883
と分かりました。
(白井ら,2012)

デマ情報の特徴

白井ら(2012)は、コスモ石油事件に関するデマツイート及び訂正ツイートを抽出し、時間当たりのツイート数をまとめています。

デマ情報と訂正情報

この調査から、
・デマ情報は、問題発生直後
・真実の情報は、デマ情報の後
に拡散する傾向にあることが分かりました。

つまり事件や事故の直後は、デマ情報が出回ること可能性が高いことが推測できます。

こちらもSNSで拡散されたデマ情報による「熊本地震ライオン脱走事件」です。

この事件は、熊本地震の直後、道路に立つライオン写真とともに「近くの動物園からライオン放たれた」という悪質なデマ情報がTwitterに投稿されたことに始まります。

デマ情報と事件

デマ情報のリツイートは2万回以上となり、熊本市内の動物園に問い合わせた殺到しました。

デマ情報を投稿者は「悪ふさけ」で投稿したそうですが、偽計業務妨害の疑いで逮捕されています。

こちらもSNSで拡散した「新型コロナウィルス」に関するデマ情報です。

世界規模で感染が広がっている新型コロナウィルスは、特効薬が見つかっていないことから、根拠のないうわさやデマ情報が広がっています。(2020年7月現在)

たとえば、アメリカではTwitterの投稿から「漂白剤がコロナに効く」というデマ情報が拡散されました。

漂白剤は、飲むと死に至る危険性もあることから、BBCやCNNなどで「漂白剤(主に次亜塩素酸)を飲まないよう」にという注意喚起がされるまでに発展しました。この情報は、桜美林大学の平和博教授がデマであることを明確にしています。

また日本では「トイレットペーパーの製造は中国に依存しているため、近いうちに入手できなくなる」などデマ情報が拡散され、日本各地でトイレットペーパーを買い占める動きが広がりました。

デマ情報によるトイレットペーパーの買い占め

この状況を受け日本家庭紙工業会は、十分な在庫を確保していることを発表しています。

不安が強い状況では、デマ情報が拡散しやすいため注意が必要です。

 

デマ・噂話に流されない方法

噂話やデマに流されないためには、情報を安易に信用しないことが基本です。

①情報の信頼性を確認する

情報の発信元があいまいな場合は、安易に信じないようにしましょう。

たとえば、インターネット情報であれば
・発信者が匿名
・情報ソースがネットの掲示板
・非断定的な表現(~らしい)
などはデマ率が高い可能性があります。

また二度聞き効果にも注意してください。否定する情報についてもしっかり見ていくと、デマ情報かどうかを見抜きやすくなるでしょう。

噂話やデマに流されないためには、誰がいっているのかでほぼ解決できます。信頼できる発信元の情報を探して比較・検討してから行動するようにしましょう。

②時には聞き流すことも大切

職場や学校、地域での噂話は、ある程度聞き流す姿勢も必要です。

たとえば
「太郎君は仕事がすごく遅いらしい」
「花子さん先輩に嫌われてみたいだよ」

このような身近な人のあいまい話題は、鵜呑みにしない方がいいでしょう。

直接かかわることがない情報であれば、聞き流せばOK!気になる内容であれば、太郎君や花子さんと自分が関わる中で判断するのが賢明です。

自分の経験をもとに判断することで、流言に振り回されることがなくなります。

まとめとお知らせ

まとめ

心理学の原理や公式を交えながら、デマ情報・噂話に流されない方法を紹介してきました。

私たちはさまざまな情報を、手軽に入手できるようになりました。その中には、デマや噂話もあるため、情報を正しく判断するスキルは身に付けておくことが大切です。

SNSでの拡散情報は、発信元の情報を探して比較・検討してから行動することが大切です。また曖昧な情報には「本当かな?」という気持ちをもち、すぐに判断を下さない心の強さを持つようにしましょう。

「迷いやすい…」と感じる場合は、曖昧さ耐性コラムをで参考にしてみてください。

お知らせ

最後に30秒だけお知らせをさせてください♪ 私たち公認心理師・精神保健福祉士は、暖かい人間関係のある社会を創ることを目的として、コミュニケーション講座を開催しています。

心理療法やソーシャルスキルの練習を勉強したい方はぜひお待ちしています。もしコラムを読んでみて、もっと心理学を学習したいと感じたら、下記の看板を参照ください。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・金田一京介,深谷圭介、国語辞典,小学館,P1261
・白井 嵩士,榊 剛史,鳥海 不二夫,篠田 孝祐,風間 一洋,野田 五十樹,沼尾 正行,栗原 聡,Twitter ネットワークにおけるデマ拡散とデマ拡散防止モデルの推定,(社)人工知能学会,B102, 2012-03-11