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断り方を心理の専門家が解説!上手な断り方を身に付けよう

断り方


断り方を心理の専門家が解説!上手な断り方で良い人間関係を作ろう①

断り方を専門家が解説

みなさんはじめまして!臨床心理士の兵働です。私は臨床心理士として精神疾患を抱える方へのカウンセリングや交流分析の講義を行っています。当コラムは「断り方」をテーマに専門家が解説をしています。しっかりとお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。是非お付き合いください。

上手な断り方のコツ

断り方が苦手だと起こる問題

早速ですが、みなさんは上司や同僚、友達から何か頼まれごとをされて、引き受けたくない時に、上手に断ることができますか?はっきりと「できません!!」と答える人もいれば、不本意ながら「わかりました・・・」と言ってしまう人もいるでしょう。

以下のような点に思い当たる方は要注意です。

・行きたくない飲み会に参加してしまう
・必要のない商品を購入した
・自分の予定を変更してまで引き受ける
・気持ちがないのにデートを重ねてしまう

上手な断り方がわからないと何でも引き受けてしまい、その結果、損をしたり、ストレスを抱えてしまうことになります。去年、広告代理店で残業を断ることができず、自殺された痛ましい事件がありましたが、社会的に断る権利を持っと大事にする社会にしたいものです。

断り方がわからない方は、断りたい気持ちとは裏腹に、いつの間にか「いいですよ」と言ってしまいます。本人も、なぜそうなるのかわからないので、いつも心に矛盾を抱えています。まずは自分自身と向き合い、断れない原因を知ることが、上手な断り方ができるようになる第一歩です。

自己肯定感が低い人は断るのが苦手?

本コラムでは「断り方の練習」を最終的に解説するのですが、まずは心理学の研究を概観しておきましょう。高濱・沢崎(2014)は大学生306名に対して、意見表明が苦手な人と対人不安、自己肯定感、社会的スキルの関係について調査を行いました。その結果、以下のような結果になりました。

図を見ると分かるように、率直な意見を言うのが苦手な方は、対人不安が強く、自己肯定感が低い、社会的スキルが低いという結果が出ています。心理学的には、0.4~0.7の相関は関連がやや強いと考えます。断るのが苦手な方はメンタルヘルス的にマイナスが多く社会的スキルがマイナスであることがわかります。

男子は断り上手?女子は苦手?

心理学の世界では最近アサーション理論が発展してきています。アサーションでは自他尊重のコミュニケーションを目指すことを目的としています。アサーションでは人間のタイプを3つに分類しています。

・アサーション・・・自他尊重のコミュニケーションできる
・非主張的・・・自分の意見は言わない 断るのが苦手
・攻撃的主張・・・相手の意見を聞かない 自分の意見を優先する

伊藤等(2016)は中学生156名に対して、アサーションタイプを調査しました。

その結果、女子は非主張的が35%と多く、男子は攻撃的が23%という結果になりました。あくまで中学生への調査となりますが、断るのが苦手な方はどちらかというと女性が多いと推測できます。

上手な断り方が出来ない事例

友達にも断れないサトウさん

ここで私がカウンセリングをした例を1つ紹介します(守秘義務があるので事実を変更しています)。社会人2年目のサトウさんは、ある企業で事務職をしていました。もともと内気で、人から頼まれごとをされると断れない性格でした。

仕事では、上司や同僚から「ちょっと手伝ってくれないかな?」と言われることが多く、自分の仕事を後回しにしてまで引き受けてしまいます。

その後も、サトウさんは、上手な断り方がわからず何でも引き受けてしまい、自分のための時間がなくなってしまいました。そうしたことが大きなストレスになり、抑うつ状態になってしまいました。

その後の、カウンセリングで、「上手な断り方」を課題として、ロールプレイをするなどして練習を重ねました。その結果、すべてにOKを出すことはなくなり、適度に断ることを習慣にされたようです。サトウさんは自分の余裕の範囲内で協調性を発揮できるようになったのです。

上手な断り方とは?3つの解決策

ここからは上手な断り方について考えていきましょう。大きく分けると3つあります。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

①感謝の気持ちをプラス!断る力UP

スマートに断る人 
断れない人の多くは、ビジネスでもプライベートでも、相手の気持ちを害さない、断り方が苦手な傾向があります。では断り方が上手な人、下手な人、どのような違いがあるのでしょうか。

断り方+感謝
具体的な方法の1つに「感謝する」というスキルがあります。人間はどうも感謝されると、断られてもそんなに嫌な気持ちにはならないのです。そこで当コラムでは、「感謝をセットで断る法」について練習問題を交えながらご紹介していきます。断り方が下手で、相手も自分も嫌な気持ちになりやすい・・・という方はコラム②をぜひ参考にしてくださいね。

②代替案を提示する

自己犠牲精神が強い
断れない人は、「自分さえ我慢すればいい」という思いが強い傾向にあります。例えばビジネスの場面なら、「自分の仕事を後回しにしてでも頼まれた仕事を行い、自分の仕事は休日出勤して行う」などです。

このように自分の意見や意思を押し殺して我慢することは、一見素晴らしい考えのようにも思えます。しかし、この考え方が強いと、自分のストレスが過剰になるだけでなく、相手も甘やかしてしまうことになります。

代替案を入れた断り方
お互いにマイナスの関係にならないために、その後もいい関係でいられるためには、代替案を入れた断り方がおすすめです。自分さえ我慢すればいい…無理すれば何とかなる…という自己犠牲精神が強い方は、コラム③の解説と練習問題に取り組んでみてください。

③Iメッセージで上手に断る

断り方のスキル不足
断れない人は、そもそも上手な断り方がわからないという場合が多いです。断り方がわからないので、当然断った経験も少なく、対人関係の中で自然と断り方を身に付けることが難しくなります。

Iメッセージを使った断り方
このコラムで、改めて「断り方」を学ぶことで、意外と早く上手な断り方を身に付けることができるかもしれません。そのテクニックの1つが「Iメッセージ」です。当コラムでは、練習問題を交えながらポイントをご紹介しますので、上手な断り方のスキルを身に付けたい!という方は、コラム④をぜひ参考にしてくださいね。上手な断り方を解説

上手な断り方を解説

断れない原因には「他人の評価を気にしすぎる」「自己犠牲精神が強い」「断り方のスキル不足」の3つが大きく関わっていることがわかりました。次回以降は、上手な断り方の具体的な方法について解説していきます。1日では難しいと思うのでブックマークしてゆっくり取り組んでみてくださいね(^^)

日常生活の中では、断ることが必要な場面がたびたび訪れます。断れないことが原因で窮地に追い込まれたり、人間関係が悪化してしまうかもしれません。

しかし逆に言うと、上手な断り方さえ身に付けておけば、ビジネスで大きな成果を得ることができるかもしれませんし、プライベートでも、本音で気持ちよく接することのできるでしょう。このコラムを読んで、自分に合った「断り方」をぜひ見つけてくださいね。

次回は、上手な断り方の1つ目「嫌われない断り方をする」についてご紹介します。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★断れないことが人間関係を悪化させる、上手な断り方のスキルを身に付けよう!
人間関係講座

目白大学 心理学研究 第10号 2014年 1−10 大学生の非主張性とその規定因との関連 髙濵 怜美 沢崎 達夫

広島大学 学部・附属学校共同研究機構研究紀要 第44号 2016.3 同調しやすい生徒のコミュニケーション傾向の検証 伊藤 友美子 後藤 美由紀 中條 和光 森田 愛子



上手な断り方を身に付けよう