ホーム >
コミュニケーション知恵袋 >
人間関係 >
話し方のトレーニング法①1問1答を改善する

日付:

話し方のトレーニング法①1問1答を改善する

皆さんこんにちは。人間関係講座を開催している公認心理師の川島達史です。当コラムのテーマは「話し方のトレーニング法」です。筆者の川島は、心理学の大学院で日本で初めて話す力のトレーニング法の研究を行ってきました。

話す力は、表面的な知識で終わってしまうことが多いですが、このコラムでは体系的に鍛えることができるように構成されています。コラムは全部で7つあります。

1問1答を改善
5W発話法
感情発話法
具体例活用法
繰り返し表現
~ぐらい法
強調言葉くっつけ法     

量が多いので、ブックマークをしてマイペースで進めてみてください♪今回は「1問1答を改善する」をお伝えします。

話す力を鍛えるメリット

まずは、話す力をつけるメリットを解説していきます。正直、50個ぐらいお伝えしたいところなのですが、3つに絞ってお伝えします。

①メンタルヘルスの向上

話す行為はメンタルヘルスにとても良いことが分かっています。例えば

対人不安を減らす
ネガティブな気持ちを減らす
抑うつを減らす
孤独感を減らす

などの効果が期待できます。楽しく話したり、悩みを打ち明けたりすると、スッキリした経験は誰にもあると思います。話す行為は心にとても良いのです。

以下関連する研究を折りたたんで解説しました。気になる方は展開してみてください。

高木(2004)は大学生306名に「自己開示と孤独感との関係」について調査研究を行いました。下記の図は、自己開示の量と孤独感の相関について示しています。

自己開示と孤独感の相関について解説

研究では、男女ともに、自己開示の量と孤独感はマイナスの相関にある事がわかりました。自己開示の量が増えると孤独感が小さくなり、逆に自己開示の量が減ると孤独感が大きくなります。

和田(1995)は、男性91名、女性156名の大学生を対象に、自己開示量と幸福感を測定しました。その結果、以下のグラフのようになりました。。

自己開示と幸福感

自己開示の欲求度が「4」の時に心理的幸福感がもっとも高くなっていることが分かります。つまり自己開示が「やや多い」方が幸福感高いことが考えられます。自分の思いや主張を伝えることは、幸せな人生にプラスに働くのです。

 

②相手と仲が良くなる

私たちの心には、返報性の原理があります。返報性の原理とは、以下の意味があります。

相手からもらった感情や行為を返したくなる心理

もしあなたに話す力がなく、自己開示の量が少なかったら、相手は警戒してしまい、自己開示をしにくくなります。

一方で、あなたが積極的に、自分の出身や好きなことを話せば、相手も安心して、自分のことを話したくなります。その結果、お互いの理解が促進されやすく、仲よくなる速度が速くなるのです。

返報性の原理とは

 

③話す力で傾聴力も伸びる

話す力つくと結果的に傾聴スキルを伸ばすことにもつながります。例えば、会話の相手が次のように話したとします。

今日は、人気店の手作りパンを食べてとても美味しかった

発話が苦手な方の場合、

美味しかったんですね
へー人気店のパン食べたんだ
手作りパンだったんだね

など、返しがシンプルになりがちです。しかし、話す力があれば

へー、手作りだと、安心して食べられるし、人気店なら味もはずれがなさそう!今度行ってみたい!

こんな返し方もできます。このように、話す力があれば、傾聴スキルを高めることもできるのです。

 

発話力をトレーニングで鍛えて伸ばす

話し方-3つの禁止事項

それでは早速発話力を鍛えるトレーニングに進みます。まず初めに「3つの禁止」を抑えておきましょう。

1問1答をやめる

1つ目は、返しが一言で終わってしまう1問1答です。例えば

好きな料理はなんですか?
ラーメンです・・・

という質問に対して

ラーメンです・・・
ケーキです・・・

どちらもNGです。1つの質問に対して、ひと言で返してしまう会話は、質問した相手にとても負担です。次の質問に関して気を使ってしまったり、話をする気が無いのでは…と、マイナスの印象を持たれてしうまう場合もあります。

そんでもって法でコミュニケーションUPを

「~ない」をやめよう

2つ目は、「知らない」「興味がない」「○○はやらない」など「~ない」という返しを少なくすることです。例えば

旅行は好きですか?

という質問に対して

う~んいかないです…

このような返し方はNGです。。。これでは、会話が広がらないうえ、相手が話をしたくないのかな…と思ってしまったり、嫌悪感を抱かれてしまう可能性もあります。

コミュニケーション能力と発話の禁止事項

この点、「ない」ことが事実の場合は「ない⇒ある」と言い換えて返すよう心がけるといいですね。

例えば、「旅行は最近してないですが、町ブラは結構していますよ~最近気にいている町は…」という感じで少しアレンジ返すと印象UPです。

「ない」よりも「ある」を意識して返すようにしましょう。

 

「1問1答」の癖を改善するには、「そんでもって法」がおすすめです。先ほどの例のケースなら

ラーメンです・・・(そんでもって)

と心の中でつぶやいてみるのです。そうすると、

ラーメンです。(そんでもって)豚骨系のスープが好きなので○○店によく行きますねー

このように”そんでもって”とつぶやくと、もっと話さなきゃ!という気持ちが出てくるので、1問一答が改善されていくのです。

慣れないうちは言葉が出てこないかもしれませんが、私の経験だと7割くらいは改善できます。1問1答になる癖がある方はぜひ試してみてください。

 

質問の待ち癖を改める

3つ目は、相手からの質問を待つクセです。

質問されるまでは話さない
自分から話題提供しない

このような消極的な癖がついている方は、コミュニケーション能力を伸ばすチャンスを逃してしまいます。会話では相手からの質問を待つだけではなく、自分から話題を提供する姿勢を作っていきましょう。

自分から積極的に話題を提供する姿勢そのものが、コミュニケーション能力を高めてくれます。

積極的な姿勢がコミュニケーション能力を伸ばす

繰り返しになりますが

・一問一答をやめる
・そんでもってとつぶやく
・質問待ち癖をやめる

この3点をまずは基礎として覚えておきましょう♪

 

もっと話し方をトレーニング

今回は、話す力の効果、3つの禁止事項について、ご紹介しました。次回からは、発話力を鍛える「話し方のトレーニング法」を具体的に解説していきます。ぜひ実践して発話力を身につけていきましょう。

5W発話法

5Wで話の土台を作る話し方です。話す内容が短文になってしまう!何を話せばいいのかわからない…という方に、おすすめのトレーニング法です。

5W発話法-話す量が増える

 

感情発話法

内容に「どのように感じるか」を織り交ぜながら話す方法です。面白い話には必ず感情が織り交ぜられています。話す内容が無機質だなー、面白みが欠けているかも…と思う方は、ぜひ取り入れてみてください。

感情発話法-会話が楽しくなる

 

具体例を加えよう

話す力がない方は話が、ぼやっと抽象的に終わる特徴があります。ボリュームが少ない方は、とにかく具体的に話す癖をつけると効果的です。

感情発話法-具体例で活き活き

 

繰り返し表現法

自分が発した言葉について、言葉を変えてもう一度話す方法です。伝えたい重要な気持ちは、1回だけでなく繰り返し伝えることで強調することができるのです。

発話に苦手意識がある方、話がすぐに終わってしまう方、会話が淡泊になってしまう方におすすめです。

繰り返し表現法-印象を強くする

 

~ぐらい法

「~ぐらい法」とは、~ぐらい・~ほどをプラスして話す表現を膨らませる方法です。「~くらい」を使って例えを交えることで、話す内容の感情表現をより分かりやすくしてくれます。

~ぐらい法-感情のボリューム調整

 

強調言葉くっつけ法

伝えたい表現を強調するために言葉をプラスしていく方法です。伝えたい感情を強調することができるため、相手に気持ちが伝わりやすく印象も残りやすくなります。また、強調した箇所が明確になるため、話し方にメリハリを出す効果もあります。

強調言葉くっつけ法-話にメリハリがつく

 

人間関係講座のお知らせ

話し方のトレーニングを公認心理師の元でしっかり練習したい方場合は、私たちが開催している人間関係講座をおすすめします。講座では

・5W発話法
・話を膨らませるコツ
・会話が続く実践練習
・楽しく話す心理学

など練習していきます。筆者の川島も講師をしています。是非お待ちしています。↓興味がある方は下記のお知らせをクリック♪↓

人間関係講座

助け合い掲示板

コメントを残す

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


ブログ→
YouTube→
Twitter→

*出典・参考文献
・大学生の自己開示と孤独感の関係 高木浩人 2006
・成人用ソーシャルスキル自己評定尺度の構成 相川充 藤田正美 2005