クレーム対応の基本,電話,メール,謝罪文の書き方
皆さんこんにちは!
公認心理師の川島達史です。
今回のテーマは
「クレーム対応」
です。
はじめに
・クレーム対応で慌ててしまう
・謝罪メールの書き方が分からない
・電話でのクレーム対応が苦手
上記のように、クレーム対応に苦手意識がある方は多いと思います。そこで、当コラムでは、クレーム対応の基本技術を1から解説していきます。
目次は以下の通りです。
・クレームの意味や定義
・研究事例‐ストレス増大!?
・電話のクレーム対応の基本
・謝罪メールの書き方
クレームに苦手意識がある方はぜひ最後までご一読ください。
クレームはなぜ起こるのか?
クレームはなぜ起きてしまうのでしょうか、また心理的にどのような影響があるのでしょうか。クレームにまつわる研究事例をご紹介していきます。
なぜクレームが起きるのか
澤口ら(2016)は、大学生231名を対象にクレーム場面と理由について調査を行っています。その結果の一部が以下の図です。
もっともクレーム件数が多いのは、「店員・担当者の対応」でした。次いで、「商品が違う」、「異物混入」という結果になりました。
商品自体よりも、接客にクレームが集まることが多いようです。
ストレス反応が高まる
クレームは受ける側にも大きなストレスとなります。
山口(2011)は、公立小・中学校教師700名を対象にクレーム被害体験が、ストレス反応にどのような影響を与えるかを調べています。
その結果が以下の図です。
このように、クレーム被害体験の多さにより、能力欠如が高まり、ストレス反応も上がっていることが分かります。
クレームを受けると、やはり精神的に大きな負担がかかります。その結果、普段の能力を発揮できなくなり、ストレスがかかってしまうようです。
クレーム対応の5つの原則
ここからはクレーム対応の具体的な方法についてご紹介していきます。今回は、クレーム対応の5つの原則を解説していきます。
・傾聴が基本
・素直に非を認める
・お詫びの印を示す
・感謝の言葉を述べる
・限界設定もしておく
①傾聴が基本
1つ目は相手の話をよく聞くことです。クレームを言う時は、怒りのピークを迎えた時であることが多いです。そのため、冷静に話し合うことができず、何を言っても火に油を注ぐ結果になりやすいです。
そこで、相手の話を傾聴すると、
・受け止めてくれた感じる
・怒りが減少傾向になる
・クレームも小さくなる
という流れになり、より建設的な話し合いに持ち込むことができるようになります。
②素直に非を認める
2つ目は素直に非を認めることです。こちらが悪い時は、素直に認めましょう。意地になって自分の非を認めないと、クレームがエスカレートする可能性があります。謝罪をする際は、
「大変失礼いたしました」
「幾重にもお詫び申し上げます」
「大変申し訳ございませんでした」
「ご不快な思いをさせてしまいました」
という用語を使えば問題は起きないでしょう。明らかにこちら側のミスである場合、ごまかさずに素直に謝ることを意識しましょう。
③お詫びの印を示す
3つ目は、お詫びの印を示すことです。相手の損害を返すのはクレーム対応の基本です。+αでお詫びの印をつけると円満に解説しやすいです。
普段、私はコミュニケーション講座を運営しているのですが、不備があった場合は、4000円相当の講座1回分を無料で提供しています。
その結果、生徒さんの退会率も少なく、15年間講座を運営しつづけることができています。謝罪をする時はお詫びの印を忘れずに示すようにしましょう。
④感謝の言葉を述べる
4つ目は、感情の言葉を述べることです。
クレームによって業務内容の改善に繋がります。社内では気づかなかった欠点が見つかり、お客さんの本音を知ることができます。
不満を感じていても、口に出してくれる人はごくわずかです。きちんと伝えてくれる人には、感謝の気持ちを述べましょう。
⑤限界設定もしておく
理不尽なクレーム、脅しに近いようなクレームの場合は、毅然とした対応も必要です。その場合は、安易に謝罪をするのではなく、事実確認をしっかりしていきましょう。
また社内でルールを決めておいて、どこまで対応できるかをあらかじめ決めておくことをオススメします。これは心理学用語で限界設定と言います。
限界設定をより深く知りたい方は下記をご覧ください。
状況別のクレーム対応
直接のクレーム対応
直接クレーム対応する場合は、アポ取りから謝罪当日まで様々なコツがあります。コラム②では、直接クレーム対応する際のポイントをご紹介しています。先方に出向いて対応をする方は下記をご覧ください。
メールでのクレーム対応
メールでのクレーム対応は、謝罪の旨が分かりやすいことが大切です。コラム④ではメールでのクレーム対応について、謝罪メールの書き方をご紹介しています。メールでのクレーム対応を知りたい方は下記をご覧ください。
電話でのクレーム対応
電話でのクレーム対応は、いかに冷静になれるか?が鍵と言えます。コラム➂では電話での急なクレームに対して、落ち着いて対応できるコツをご紹介しています。電話でのクレーム対応を知りたい方は下記をご覧ください。
関連コラム
最後にクレーム対応についての関連コラムをご紹介します。クレーム対応について学びを深めたい方は、以下のコラムを参考にしてみてください。
謝罪コラム
取引先やクライアントへ謝罪する時、ビジネスマナーを抑えておく必要があります。謝罪コラムでは、対面、メールなど状況に合わせた謝罪のコツをお伝えています。
ビジネス上での謝罪の仕方をより深く学びたい方は下記を参照ください。
共感コラム
クレーム対応で相手への共感力がとても大切です。共感力コラムでは、相手の気持ちを汲み取るための理論やテクニックをお伝えてしています。
共感力を高める方法をより深く知りたい方は下記をご覧ください。
まとめ+お知らせ
まとめ
突然クレームを受けた時、冷静に落ち着いて対応することは難しく感じるかもしれません。ただ、クレーム対応には、ある程度マニュアルが決まっています。
「○○が来たら、✕✕する」という方略を踏まえて対策することで、かなり落ち着いて対応できるようになります。まずは、状況に応じた対策を繰り返し、ロールプレイングしておきましょう。
そして、実際にクレームが来たら、しっかり傾聴して冷静に対応するように意識してみてください。きっと、クレーム対応が上手くなっていることに気づくはずですよ♪
お知らせ
もし公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元でしっかり心理学を学習したい方場合は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では
・アサーティブコミュニケーション
・傾聴力をつける練習
・共感力トレーニング
・相槌の打ち方
など練習していきます。興味がある方はお知らせをクリックして頂けると幸いです。ぜひお待ちしています。
コラム監修
名前
川島達史
経歴
- 公認心理師
- 精神保健福祉士
- 目白大学大学院心理学研究科修士
取材執筆活動など
- AERA 「飲み会での会話術」
- マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
- サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
- TOKYOガルリ テレビ東京出演
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出典・参考文献
・株式会社ジェリコ・コンサルティング(2011)流通用語辞典
・山口(2011)学校に対するクレームと教師ストレスとの関連 兵庫大学
・澤口 右京. 田中 泰恵. 渋谷 昌三. 吉田 正穂(2016)「クレーム場面における行動傾向と個人特性」目白大学総合科学研究 (12), 65-75,