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仕事が辛いなら「ソーシャルサポート」を

仕事が辛い時は「ソーシャルサポート」を得よう④

コラム①では、仕事が辛いについて概観していきました。コラム③からは具体的な対処法について解説していきます。軽くおさらいしておくと、「①ストローク上手に」「②ソーシャルサポート」「③仕事量を見直し、主張」「④会社の制度を使おう」の4つでしたね。

今回は、「①ソーシャルサポート」について解説していきます。

ソーシャルサポートとは

皆さんは会社に信頼できる人はいますか。何かあったときに頼れる人が周りにいないと、適切なサポートが得られず仕事が辛い状態になってしまいます。そこで、うまく周囲から「ソーシャルサポート」を獲得していく必要があります。

まずは、ソーシャルサポートの意味について見ていきましょう。ここでは心理学的な定義をいくつかご紹介していきます。

定義①Caplan (1974)
”家族、友人や隣人などの個人をとりまく
様々な人々からの有形、無形の援助を指す”

定義②心理学辞典(1999)
”ソーシャルサポートとは何かについて、まだ明確に定義はなされていない。(中略)
対人関係と人の心身の健康との関連についてさまざまな研究
をソーシャルサポート研究として総称しようという立場に立つ”

とされています。

つまり、簡単にいうと言えば、周囲の人たちから得られる援助のことをソーシャルサポートと捉えて良さそうです。また、そのサポートは、物質的なものとは限らないということですね。

周囲からのサポートが得られる環境にあると心理的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

ソーシャルサポートと抑うつ

小松ら(2010)は、40歳以上の会社員の男性712名に対して、職業性ストレスとソーシャルサポートの関連について調査を行いました。その結果、ソーシャルサポートを受けている人ほど、職業性ストレスと抑うつ傾向が低いことが明らかになりました。

最初に上司からのサポートを見てみます。上図の(-)マイナスの意味ですが、上司からのサポートを受けている人ほど、抑うつ傾向が低いことが分かります。

次に、同僚からのサポートですが、こちらも(-)マイナスです。つまり、同僚からのサポートが得られている人ほど、抑うつ傾向が低下します。

仕事が辛い気持ちの原因と解決策

このように、ソーシャルサポートを受けると、職業性ストレスが下がります。その結果、仕事が辛い気持ちが緩和されて、前向きに仕事に取り組めるようになります。このように、仕事が辛い状態の方は、職場の人間関係に問題があることが多いので対策を練る必要があります。

ソーシャルサポートと仕事が辛い

・自己肯定感とサポート
細田ら(2009)の研究によると、中学生305名を対象に以下の3つのソーシャルサポートと自己肯定感の関係について調査を行っています。

3つのサポートとは以下を指します。

  1. 道具的サポート ・・・・住まいや携帯など必要な物を支援する
  2. 情緒的サポート ・・・・励ます、応援するなど気持ちの面を支援
  3. 共行動サポート ・・・・ノウハウを教えるなどの知識面で支援する

その結果が以下の図です。数字は相関係数といい、数値が大きいほど関係が強いことを意味します。下の図から数字が大きいものを探してみましょう。

ソーシャルサポート 効果

父親、母親、友人、教師のいずれも情緒的なサポートが自己肯定感を強めている傾向がわかります。特に教師や友人の情緒的サポートが.40**で、父親や母親よりも高い数値が出てていますね。

会社の場合は、友人・教師は「同僚・上司」と言い換えてもいいでしょう。統計的に確実に言えることではないのですが、父親や母親よりも高い数値となっているのがとても印象に残ります。

仮にご家庭からのサポートが得られなくても、上司や同僚など周りの方のサポートを仰ぐとメンタルヘルスが安定しそうです。

仕事が辛いなら、まずは相談しよう

仕事が辛い!と思った時は、気持ちを一人で溜め込まず周囲からサポートを得ることが大切です。まずは一番頼れそうな人に、相談を持ちかけて見ましょう。もちろん、まずは家族・友人のサポートを仰いで見ても良いでしょう。

仕事が辛い気持ちを相談するコツ次回は仕事が辛いを克服する「仕事量を見直し、主張」について解説していきます。

★仕事が辛い時はソーシャルサポートを得よう

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目次

①仕事が辛い-概観
②診断でチェック
③人間関係のストローク
④ソーシャルサポート
⑤仕事量の見直し、主張
⑥支援サポートの利用

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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・出典
中島 義明 子安 増生 繁桝 算男 箱田 裕司 安藤 清志 (1999)心理学辞典 有斐閣
細田ら(2009)中学生におけるソーシャルサポートと自他への肯定感に関する研究 教育心理学研究,57,309-323
小松優紀・甲斐裕子・永松俊哉・志和忠志・須山靖男・杉本正子 2010 職業性ストレスと抑うつの関係における職場のソーシャルサポートの緩衝効果の検討 産業衛生学雑誌