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リーダーシップを発揮する要素「リーダーの資質」入門②

リーダーシップ


リーダーシップを発揮する要素「リーダーの資質」を身に付ける-入門②

リーダーシップ論 重要知識

コラム①ではリーダーが最低限学ぶべき、主に経営学から派生したリーダーシップ論について学びました。今回は「心理学から派生したリーダーシップに関わる理論」を学びます。リーダーシップは突き詰めると、人の心を理解し、導く行動を意味します。

リーダーシップを発揮するには、人の心理を理解できなくてはなりません、心理学は様々な理論がありますが、リーダーシップに関係が深い理論をまずは基礎として学習しましょう。リーダーシップに生かせる心理学のコツを紹介しています

ピグマリオン効果 (1960年代)

ピグマリオン効果とは、1964年に米国の教育心理学者ロバート・ローゼンタールによって提唱された理論です。

ローゼンタールの実験は以下のような手順で行われました。

①テストの実施
子供たちに「ハーバード式突発性学習能力予測テスト」を行なう。

②成績が伸びる群、伸びない群
検査の結果と関係なく無作為に選ばれた児童の名簿を学級担任に見せて、この名簿に記載されている児童が、今後数ヶ月の間に成績が伸びる子供達だと伝えた。

③8か月後に再調査
8か月後成績を計ると、成績が伸びると言われた群は実際に成績が伸びた。

このように「人間は期待された通りの成果を出す傾向がある」ことを

ピグマリオン効果

と言います。ピグマリオンというキプロス島の王が女性の彫刻像を愛し続け、本物の女性になった神話からこのような名前が付けられたようです。逆に、期待をしないと成果が出ないという逆の概念を

ゴーレム効果

といいます。ゴーレムとはユダヤ教の伝説にでてくる、呪文により動く泥人形を意味します。ゴーレムはマイナスの行動を再現なくしてしまうという意味で、あまりい意味では使われないことから、ゴーレム効果と名前が付けられました。

リーダーシップをとるうえでは、
「この人ならできる!」と期待をすること
がとても重要です。期待をしないいということは部下にとってはとてもがっかりする事で、モチベーションが低下してしまいます。

まずは期待している!と本人に伝える続けることがリーダーシップを発揮するには必要と言えます。

マズローの欲求の5段階説

マズローの欲求5段階説は、アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱した理論で人間の欲求を5つの階層で段階的に表したものです。

人の欲求は、自己実現を達成するまでに段階的に満たされていくものであり、

・生理的欲求
・安全欲求
・社会的欲求
・承認欲求
・自己実現欲求

の5段階で構成されると考えられました。

そして、マズローは
「5つの欲求はピラミッドのように構成されており、低階層の欲求が充たされると、より高次の階層の欲求を欲する」
と提唱しました。

図にすると次のようになります。

マズローの欲求5段階説の図マズローの考えの根底には「人間は自己実現のために絶えず成長する生き物だ」いうものがあります。そして「人の欲求は皆同じものではなく、それぞれの価値観や置かれた環境によって変化する」という点がポイントとなります。

仕事においても、入社したての新入社員と、数年間の実績を踏んだ中堅社員、管理職として業務に携わる人材とでは、モチベーションが向上する動機やインセンティブは異なってきます。

また、ライフスタイルによっても、できるだけ多くの賃金を求める人、休暇を大切にする人、立場や昇格に重きを置く人、様々タイプの人材がいて当然です。

例えば、
安定志向が強く、一緒に飲んでいる時に「貯金が欲しい」ともらしていた
→残業があるときは、一声かける

自己実現欲求が強く早く出世がしたい部下
→難易度の高い仕事を与える

このように、リーダーシップを発揮するには、部下がどのステージにいるかを把握してその階層にあった対応が大切です。部下のステージの応じた声掛けがリーダーシップのカギ

リーダーが、部下やメンバーのやる気を引き出すためには、一律的にモチベーションを向上させようとするのではなく、それぞれの環境や経歴、立場などを勘案し、満たすべき欲求を見極めることが重要です。

課題設定とフロー心理学(1970年代)

20世紀を代表する心理学者の1人であるミハエル・チクセントミハイが提唱した理論で「フロー状態=完全にのめり込んでいる状態」が最も成果を上げやすいという考えです。

フロー図でリーダーシップを解説【ゾーンA】
自分の能力が低く、難しい課題に取り組んでいる状態です。

例えば、
・小学生が高校生とサッカーをしている
・初心者がプロと対戦する

このゾーンでは、失敗が続き挫折感が多く経験します。そのため、自信を失ったり行動が消極的になります。

【ゾーンC】
自分の能力は高いのに、簡単な課題に取り組んでいる状態です。

例えば、
・高校生が、足し算や引き算をひたすらやる
・プロのスキ―選手がファミリーゲレンデで練習する

このゾーンは簡単すぎるため、飽きてしまったりやる気を維持できません。

【ゾーンB】
能力と課題がちょうど一致しているか、課題がやや難しいぐらいの状態です。

例えば
・同じぐらいのレベルのチームと対戦
・自分のレベルより1つ上の学校を受験する

このゾーンが、フロー状態に入りやすいです。成果が適度に出せるため自信が付きやすくなります。また、失敗しても成功も経験できるので、モチベーションが維持がしやすく集中力も高くなります。

リーダーシップ発揮するためにフロー状態を知ろうフロー状態に入ると、人は幸福感に満たされ自分の持つ力を最大限に発揮できるといいます。フロー状態は、スポーツの世界でよく耳にする言葉ですが、ビジネスや教育の場面においても非常に有効な概念です。リーダーシップにうまく取り入れることができれば、生産性が高くなり、短時間で成果を上げることも可能になります。

フロー状態になるには、能力と課題(仕事)がバランスの良い中間にある必要があります。上記のように、自分の能力に対して高すぎる課題の場合(ゾーンA)は、不安や失敗による自信・モチベーションの低下を招きます。逆に、自分の能力に対して低すぎる課題の場合(ゾーンB)は、退屈さや物足りなさを感じ、なかなかやる気が出ないでしょう。

部下やメンバーのやる気や能力を発揮するには、能力と課題が同レベル、もしくはやや難易度の高い挑戦をさせる(ゾーンC)ように調整することがリーダーシップを発揮するうえでとても大切です。

X理論・Y理論+Z理論(1950~1970年)

リーダーシップを発揮するためにとても重要な「人のモチベーションを左右する」3つの経営理論です。

X理論・Y理論は、1950年代後半に経営学者でマサチューセッツ工科大学教授のダグレス・マグレガー氏が提唱した、人間観・動機づけにかかわる2つの対立的な理論です。そして、Z理論はダグレス・マグレガー氏が開発し、1970年代に経営学者のウィリアム・オオウチ氏が完成させた理論です。

X理論(性悪説)

X理論とは「人間は本来なまけたがる生き物で、責任をとりたがらず、放っておくと仕事をしない」という性悪説的な考え方を前提にした理論で、一定の報酬を約束する代わりに命令や強制で管理し、管理・懲罰・給料といった「アメとムチ」によるマネジメント手法です。

メリットマズローの欲求段階説の「生理的欲求」や「安全や安定の欲求」など低次欲求によって働く人に有効とされています。

メリット
・目に見えるかたちでのご褒美や厳罰を与えることでモチベーションを維持することが可能です

デメリット
・指示や命令が強くればなるほど、部下は指示待ちになりやすい
・上司の指示・命令がおよぶ範囲でしか業績が上げられないという悪循環に陥りやすい

Y理論(性善説)

Y理論では「人間は本来進んで働きたがる生き物で、自己実現のために自ら行動し、進んで問題解決をする」という性善説的な捉え方をしている理論で、高次欲求(自己実現の欲求・承認欲求)が高い人に効果が期待できるネジメント手法です。個人の自己実現と組織の利益が合致するような目標設定を行うため、リーダーの見極め力が必要となります。

メリット
・適切な仕事環境を与え、魅力ある目標や責任などの「機会」を与えることでモチベーションの向上が期待できる

デメリット
・低次欲求が満たされない労働環境や高次欲求を持ちにくいルーティンワーク等の場合、有効がないケースがある

Z理論(性善・性悪説)

Z理論は、日本企業とアメリカ企業を比較対照しながら展開した理論です。上下や横のコミュニケーションを大切にするマネジメント手法で、企業への忠誠心や高いレベルのやる気、信頼関係が構築できている環境で効果が期待できます。

メリット
・温かなコミュニケーションがあることで、個人のモチベーションが上がり自発的な行動が促せる

デメリット
・社内文化に沿わない人材への評価が慎重になりやすい

Z理論は、押し付け型のX理論・自主独立型のY理論の良いところを集めた考え方で、「コミュニケーション」を中心に捉えている点が特徴です。人材を生かしたリーダーシップを行うには、一番理想とする理論かもしれません。組織内で、積極的・建設的な良いストロークが日々交わされることで効果を上げることができるでしょう。

交互作用とは?

・交互作用とは?

最後に、リーダーシップを取るうえで忘れてはいけない「交互作用」についてお伝えします。交互作用2つの異なる要素が組み合わさることで現れる相乗効果のことです。

例えば、特別能力が高いわけでも強みがあるわけでもない人でも、他者との組み合わせや相性次第でとても大きなパワーや魅力を発揮することがありますね。

これが交互作用の典型例です。1人だとパッしなかったり、マイナスにさえ思われる人でも、交互作用によって大いに輝き活躍する可能性を秘めているのです。

・組み合わせが能力を飛躍させる

仕事でより高いパフォーマンスを生み成果を上げるには、組織編成やチームワークがとても重要になります。そのためには、メンバーひとりひとりの個性・持ち味をきちんと把握し、活かすことができるリーダーの采配センスが問われてきます。

料理で言えば、ちゃんと味や栄養の調和がとれる具材を選んで合わせて調理することができるかということです。

例えば
「ネギ」そのものの味だけで勝負するには限界があります。そこに「醤油スープ」や「ラーメン」、「焼豚」加わることによって、「ネギ」がさりげなくアクセントとなって、とっても美味しい「醤油ラーメン」が出来上がるのです。

具材(メンバー)を活かすも殺すも、料理人(リーダー)の腕次第ということです。料理は同じ具材ばかりでは、まったくおいしくないのと同じように。組織も多様な人がいてこそ、大きな力を発揮します。

一見、明るく元気な人材ばかりを採用しても、会社はうまく行かないのです。調味料のように、素材をおいしく引き立てる人材や、野菜のように、派手ではないけれど、体に欠かせない栄養を与えてくれる人材が必要になるのです。

リーダーシップを発揮するには、ひとりひとりの能力を上手く引き出しながら、交互作用を高めるチーム作りを目指しましょう。交互作用を取り入れてリーダーシップを発揮する

人の心を動かすリーダーシップを!

リーダーシップについて、今回は心理学編をご紹介しました。いかがでしたでしょうか?

人の心を理解し行動を促していくことは、リーダーシップを考えてる中で一番重要といえます。ご紹介した理論や考え方を参考に、ご自身の組織の雰囲気やメンバーの特性に合わせて取り入れてみてくださいね。

次回のリーダーシップ論コラムは、コミュニケーションスキル編です。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★ 心理学で人の心を理解!組織にあったリーダーシップを目指そう

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