>
>
>

コミュニケーション能力を専門家が徹底解説

コミュニケーション能力


コミュニケーション能力入門コラム①-心理の専門家が解説

はじめまして!コミュニケーション能力研究家・精神保健福祉士の川島です。私は心理学の大学院で、コミュニケーション能力について研究をしてきました。当サイトはコミュニケーション能力について、徹底的に解説をしていくことを目的として解説しています。

・コミュニケーション能力を理解したい方
・採用担当の方
・学生さん、教育関係者の方
・企業研修を実施する方

向けに書かせて頂きます。入門コラムの目次は以下の通りです。

■目 次
・コミュニケーション能力とは何か?
・コミュニケーション能力の定義
・コミュニケーション能力と遺伝の問題
・コミュニケーション能力は改善できる!
・入門コラムまとめ

入門コラムは、全部読むと10分ぐらい時間がかかってしまいます・・・ええっ10分も??めどくさいなあ~と感じるかもしれません。しかし、コミュニケーションは一生関わるものです。コミュニケーションの本質は絶対にはずしてはいけないポイントがあります。

このポイントをはずして雑然と努力をしてしまうと、皆さんの人生にとってマイナスにすら向かってしまうことがあるのです。間違いのないように、最低限のポイントを抑えて欲しいと考えています。

コミュニケーション能力について徹底解説します

マークザッカ‐バーグはコミュニケーション能力が低いのか?

以前私がコンサルティングした会社では、社長が「人事にコミュニケーション能力のある人材を採用しなさい」と言ったら、「見た目は活発だけど中身のない人材ばかりになってしまった・・・」と悩んでいた会社がありました。これは社長がイメージするコミュニケーション能力と、人事がイメージするコミュニケーション能力に違いがあるからこのような事態になってしまうのです。

例えば、フェイスブックを作ったマークザッカ‐バーグがあなたの会社に就職活動で面接にきたようです(ありえない話で仮説ですが)。若かりし頃、マークザッカーバーグは非倫理的で、目を見て話さず、社交的な雰囲気がなかったようです。

方やもっとハキハキと一見やる気に満ちた若者も何十人も面接にきています。この時、皆さんが、面接官だったとします。

 

皆さんはマークザッカーバーグを採用することができるでしょうか?

 

コミュニケーション能力が低い!と一蹴していたら、あなたはコミュニケーション能力について何一つ理解していないことになるのです。

本コラムをしっかり読んで頂ければ、当コラムを読むと、会社で統一したイメージができるようになりますので、ぜひ複数人で共有してほしいなと感じます。

コミュニケーション能力とは?曖昧な点が多い

コミュニケーション能力とは何か?

・最も古いコミュニケーション研究

コミュニケーションについて最も古い研究は、紀元前400年前ぐらいから始まった「修辞学(レトリック研究)」であると言われています。

修辞学とは、ソクラテスやアリストテレスの時代から始まった学問で、いかに聴衆を説得するか?という方法論でした。当時は政治家として活躍するにはいかに説得するかが大事であり、その手法として発展していきました。

具体的には、身振りや魅力的な言葉の使い方を追及しました。例えば、このリンゴを誰かにお勧めするとします。あくまで一般的なリンゴです。

Aさんは
「普通のリンゴですが、良かったら食べてください。」
と話しました。

Bさんは
「この丹精込めた奇跡のリンゴがお勧めです!!」

と話しました。皆さんはどちらのリンゴに興味を持つでしょうか。おそらく後者なのではないでしょうか。

このように、修辞学は如何に魅力的に物事を表現するかを追求していきました。しかし、修辞学には問題があったのです。どんな問題でしょうか??

 ↓

それは扇動的であるという点です。上記の例で言えば、なんの変哲もないリンゴを、過剰に表現しているわけです。リンゴぐらいであれば問題はないですが、重要な問題について過剰な演出などで、情報弱者を扇動すると、社会的に大きな問題に発展したりします。

・最も古いコミュニケーション研究

魅力的な話し方と、情報の正確性は異なるのです。もしかしたら、皆さんの周りにもいるかもしれないですね(汗)声の大きさや、魅力的な話し方と、事実としての情報は異なるのです。この点は注意しなくてはなりません。

修辞学は自然科学の発展や学問の分化とともに、だんだんと衰退していきました。コミュニケーションの研究としては最も古いと言えるかもしれません。

・コミュニケーションの設計図

その後、1940年代から「コミュニケーション」についてその構造に関する研究が行われるようになります。例えば、古い定義としてシャノンとウィバー(1949)のコミュニケーションモデルがあります。

シャノンとウィバーによればコミュニケーションは、

① 発信者 ・・・情報を発信する主体
② 送信機 ・・・記号化された情報を発信するスタート地点
③ チャンネル ・・・情報が移動する手段
④ 受信機   ・・・情報を受け取る媒体
⑤ 受信者   ・・・情報を受け取り理解する
⑥ ノイズ   ・・・いずれかのプロセスで情報の伝達を阻害するもの

これら6つのプロセスからなると主張しています。コミュニケーションはこの6つのプロセスのうち1つでも欠けると途端にうまくいかなくなります。

例えば発信者が凄く伝え方がうまかったとしても、そもそも受診者に理解力がないとコミュニケーションは成立しません。

また情報の発信者と受信者のどちらも優れていたとしても「チャンネル」がないとコミュニケーションは成立しません。ちょうど糸電話の糸のようなもので、情報をつなぐ媒体が必要になるのです。

コミュニケーションの問題が発生したときは、この6つのプロセスのどこに問題があるのか?考えてみるのも大事です。

・コミュニケーション能力の登場

さて・・・だんだんと難しい話になってきます。ついてきていますか?!(^^;

このようにコミュニケーションに関する研究は様々な分野で進んでいきました。そして、1972年になるとhymensという学者が「コミュニケーション能力(communication competence」という用語をはじめて創りました。

「コミュニケーションに関する研究」
「コミュニケーション能力に関する研究」

は似ているようで、視点が全然違います。「コミュニケーション」は設計図・ルールブックようなもので、「コミュニケーション能力」はプライヤーの力量のようなイメージですね。

そして、hymensはコミュニケーションの場面で、コミュニケーション能力を発揮するプレイヤーの力を以下の4つに分類しました。

・文法能力
語彙・文法の使用の理解・音韻に関する知識
・社会言語能力
話し手と聞き手の関係や目的に応じた社会言語的文脈の使い分け
今は雑談すべき場なのか?討論すべき場なのか?という使い分け
・談話能力
統一性のある話の流れを構成する運用技能。
支離滅裂でないコミュニケーションを行う力
自然な流れで会話ができる
・方略能力
言語・非言語のコミュニケーションが破綻したときに
埋め合わせる能力

このようにコミュニケーションに関する研究は、設計図としての「コミュニケーション研究」と、力量としての「コミュニケーション能力」としての研究に無数に枝分かれしていくことになります。

コミュニケ―ション能力の定義はさまざまある

・日本人のコミュニケーション能力
藤本・大坊(2007)はコミュニケーションスキルのを文化的な体系などと絡めながら解説しています。具体的には包括的な定義とモデリングを行ったのがが“ENDCOREモデル” です。ENDCOREモデルは,多様なスキルを,文化・社会・対人・自己のレベルを縦軸に,対象とする行動の多様性や状況の特殊性を横軸にした扇形に理しています。藤本・大坊はコミュニケーションスキルを比較的細かくとらえ、

・自己統制
・表現力
・解読力
・自己主張
・他受容
・関係調整

とさらに細かく分類しています。挙げるとキリがありませんが、このようにコミュニケーション能力に関する議論はかなり広く、学術的にも錯綜している分野だと言えます。

ではなぜコミュニケーション能力は、どうも不可解な用語として、幽霊にように意味が彷徨うのでしょうか?理由としては以下の2点が挙げられます。

コミュニケーション能力の2つの特徴

1:概念が広すぎる
コミュニケーション能力という単語は極めてあいまいで、定義が安定していないが故に、様々な場面で便利に使えます。

例えば、会話が苦手なAさん、プレゼンが苦手なB君、恋愛が苦手なCさんは全て「コミュニケーション能力がない」で共通して表すことができます。概念が広すぎるために、玉虫色な言葉と言えます。

言うなれば部分の研究はあれど、全体像を俯瞰するような研究は広すぎて自然科学的にはとても難しいのです。そのため閉鎖的で因果関係がはっきりと求められる学術の世界は研究対象とする方が少ないようです。

学術的には、コミュニケーション能力の下位概念である、「ソーシャルスキル」「アサーション力」「非言語」「言語コミュニケーション」「非言語コミュニケーション」などでは研究が盛んです。しかし、全体を統合した研究はほとんど見当たりません。

2:時代によって変わる
「何が優れたコミュニケーションなのか?」は時代や目的によって全く変わってきます。そのため定義が安定しません。

例えば「りんご」は100年後も今と変わらないと思いますが、「コミュニケーション能力」は100年後の意味は変わっているでしょう。そのため、コミュニケーション能力の問題を考えると、非常に混乱しやすいのです。

さてさて、そんな定義の世界に入ってきても、私達は学者になるわけではないですし、日常生活に役に立たなければ意味がありません!!この辺ずっと語っていると段々みなさんアクビをしてきて、youtubeを身に行ってしまうので先に進みます!!

コミュニケーション能力の定義

ここまでコミュニケーション能力の定義についてざっと見てきましたが、様々な定義を総合すると私(川島達史)は現代社会においては4つの点を抑えておけば充分と考えています。

①心理的な健康を土台とし 
②2つの目的に応じて
③言葉.非言語を使い分け
④「交互作用」によって変化する

この4つのポイントは最低限抑えておいてください。もし皆さんが「コミュニケーション能力について悩んだら」まずはこの4つのポイントを思い出してみてください。

①心理的な健康とは?

コミュニケーション能力を良好に保つためには、まずはその土台である心理的な安定をしっかりと作る必要があります。例えば、「対人不安」が強いと、孤独感やソーシャルスキルが低下することが分かっています。

例えば、心理的な問題の改善は「ソーシャルスキル」という分野研究が盛んです。ソーシャルスキルとは、会話を始めたり、会話を続けたり、初対面の方と話したりするコミュニケーションスキルです。

相川(2005)はソーシャルスキルと心理的影響についての研究を行っています。その結果、ソーシャルスキルがある人は、孤独感が少なく、対人不安が少ない、関係開始がうまい、関係維持がうまいことがわかりました。

コミュニケーション能力を改善するソーシャルスキル自己評定尺度の構成図相川の研究から推測すると、コミュニケーション能力が高い人はメンタルヘルスや人間関係が良好である傾向が高く、逆に会話が続かないとマイナスの傾向があると言えます。このようにコミュニケーション能力は心の問題と密接に結びついているといえます。コミュニケーション能力は心の影響が大きいと押さえておきましょう。

以下コミュニケーション能力の向上に役立つ心理学の理論をコラムとして紹介しています。まずは当コラムを最後まで読んで、気になる部分は戻ってクリックしてみてください。

コミュニケーション能力-心理①認知行動療法とは何か
コミュニケーション能力‐心理②アサーティブコミュニケーション
コミュニケーション能力‐心理③対人不安の軽減
コミュニケーション能力‐心理④自己肯定感の持ち方
コミュニケーション能力‐心理⑤信頼関係の築き方

②目的とは何か?

心理的な健康を土台として、私たちは2つの目的をもってコミュニケーションをしています。

ⅰ問題解決型
私達は会社の会議などで何らかの目的を達成するためにコミュニケーションをします。例えば、売り上げが上がらない・・・という命題があり、この問題をどうすれば解決できるか?このような場合のコミュニケーションにあたります。ちなみに、問題解決型のコミュニケーションの場合、論理的思考やアイデアを生み出す発想力、伝える力が必要になります。

ⅱ人間関係を構築する
もう1つのコミュニケーションは、人間関係を築くためのコミュニケーションです。飲み会で仲良くなるうために雑談をする。落ち込んでいる友達を励ます。このようなコミュニケーションは人間関係を構築するためのコミュニケーションにあたります。コミュニケーションはこの2つの目的が、絡み合い行われるのです。コミュニケーション能力には2つの目的がある*クイズ あなたは問題解決型?人間関係型?
せっかくなのでここで1つ問題を問いて自己診断してみましょう。

あなたの友人が「昨日会社に遅刻したんだ・・・怒られて悲しい・・・」と話したとします。あなたは、なんと返すでしょうか?考えてみましょう。

いかがでしょうか?考えてみましたか?。

 

例えば
・どうして遅刻したの?
・何分遅れたの?
・ペナルティとかあるの?
このように問題解決に視点が行く方は問題解決型のコミュニケーションを好む方です。

・怒られると辛いよね。。
・結構落ち込んでるの?
・たまには遅刻しちゃうよね

こんな形で相手の心情によりそうようなコミュニケーションが思い浮かぶ方は、人間関係を構築することを好むタイプと言えます。

これが、差し迫った状況の会社で上司と部下の会話であれば、問題解決型の質問でOKでしょう(笑。遅刻は致命的な問題につながってしまうからです。

しかし、あなたが口説きたいと思っている異性との会話であったとしたら、間違いなく、人間関係構築の利き方をする方が相手と仲良くなります。

このようにコミュニケーション能力は、問題解決、人間関係構築の2つの目的があり、その目的によって随分やり方が変わってくると考えておくと良いでしょう。

このようにコミュニケーション能力は「目的」によって、高くもなりますし、低くもなる性質があるのです。コミュニケーション能力を考える上では「目的」が非常に大事であると覚えておきましょう。以下にコラムをまとめておきます。

*問題解決力を高めるコラム(準備中です 2019年に公開予定)

*人間関係構築力コラム(傾聴編)
コミュニケーション能力-傾聴①傾聴の重要性-事実のオウム返し
コミュニケーション能力-傾聴②感情のオウム返し
コミュニケーション能力-傾聴③言い換えのオウム返し
コミュニケーション能力-傾聴④要約のオウム返し
コミュニケーション能力-傾聴⑤感情の明確化
・その他10コラムまであります。詳しくは傾聴編で。

*人間関係構築力コラム(発話編)
コミュニケーション能力-発話①1問1答を改善しよう
コミュニケーション能力-発話②5W発話法
コミュニケーション能力-発話③感情発話法でボリュームUP
コミュニケーション能力-発話④具体例で会話が活き活き
コミュニケーション能力-発話⑤繰り返し表現法
・その他10コラムまであります。詳しくは傾聴編で。

③言葉・非言語コミュニケーション

ここまでもう一度整理しましょう。コミュニケーション能力は

①心理的な健康を土台とし 
②目的に応じて
③言葉.非言語を使い分け
④「交互作用」を考える

の4つのポイントが大事でしたね。言語と非言語コミュニケーションについて

心理的な健康が獲得され、目的が定まったとしたら、次に考えるのは言語コミュニケーションです。極論してしまうとコミュニケーションは、言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションの2種類に分けることができます。

言語コミュニケーション
言葉を使ったコミュニケーションです。私達は50音を使ってありとあらゆる事象を言葉に起こして表現することができます!なんとすばらしいことなのでしょう。特にネット上のコミュニケーションは言語コミュニケーションが優勢になる傾向があります。この文章は言語情報のみ記載されています。文章は言語コミュニケーションの最たるものですね。

非言語コミュニケーション
言語コミュニケーションよりも広範な意味を含みます。非言語コミュニケーションを図解したものが下記となります。

表情、空間、姿勢など様々なものがあることが分かります。非言語コミュニケーションは主に、直接の対人コミュニケーションで俄然威力を発揮してきます。例えば、同じ「ありがとう」でも以下の2つを比べた場合どちらに好印象を持つでしょうか?

言うまでもなく、下のが印象がいいと言えるでしょう。言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションは掛け算のような関係にあります、ありがとうというポジティブな表現でも非言語の表現が悪いと効果は減退してしまうのです。

言語、非言語どちらが大事?
人は見た目が9割という本が、以前とてもよく売れました。これはある意味で正しいですし、ある意味で間違っています。人生を生きていると、一瞬の印象が決定づけてしまうことが確かにあります。CM広告、短時間の接客、お見合い写真・・・これらは最たる例ですが、印象形成が非常に大事になってきます。

しかし、非言語が全く役に立たない場面もたくさんあります。例えば「学会発表」は最たる例です。いくらかわいくて、美人でハキハキと話したとしても、判断されるのはあくまで「研究内容が正しいか」なのです。論文は主に数字や数式を含めた言語で記述され、それがすべての判断材料になるのです。

言語と非言語の重要性は目的によって180度変わってくると押さえておきましょう。コミュニケーション能力は目的に応じて変わる

非言語コミュニケーションのコラムは以下で紹介しています。
コミュニケーション能力-印象形成①印象形成の概論と笑顔
コミュニケーション能力-印象形成②視線の配り方
コミュニケーション能力-印象形成③姿勢
コミュニケーション能力-印象形成④腕組み

④交互作用とは何か?

交互作用とは、ある要素と別の要素とが組み合わさる事で生まれる相乗効果の事です。わかりやすく言うと、組み合わせることで生まれる価値を意味します。例えば、こんな思考実験をしてみましょう。おいしさの基準を100点とした時に、

たまご しょうゆ ごはん

をそれぞれ「独立して」食べると想像してみてください。皆さんは何点で評価しますか?

私ですが、

たまご50点 ごはん50点 しょうゆ5点 =合計 105点

と評価しました。醤油だけペロペロ舐めても辛いだけですからね。。

さて、思考実験は続きます。
次に「卵がけご飯」として3つを混ぜあって食べたらそれぞれ何点になるでしょうか。今度はバラバラに食べるのではなく、混ぜて食べることができます。おいしそうですね♪

たまご80点 ごはん90点 しょうゆ80点 =合計 250点

こんな感じになるのではないでしょうか?なんと混ぜて食べると、途端にお互いの価値が高くなり、145点もアップしてしまいました。このように「組み合わせによって生まれる価値」を「交互作用」と言います。

交互作用は、コミュニケーションでも同じ事がいえます。一見マイナスに見える個性を持っている人でも、相性次第で途端に輝くときがあります。個性的な人が増えるほど、組み合わせの幅が広がり、いろいろな価値が生まれます。

交互作用は、心理学で大変重要な概念とされているため、コミュニケーション能力を学ぶ上では十分理解しておくことが大切です。おそらくほとんどの人が見過ごしている概念なので、ぜひ人と人との組み合わせによって生まれる価値は意識しておいてください。

このようにコミュニケーション能力は

①心理的な健康を土台とし
②目的に応じて
③言葉と非言語を使い分け
④「交互作用」を考える

とお伝えしてきましたが、コミュニケーション能力は、画一的なルールなどなく、個人や組織の目的によってその組み合わせは無限に変わるため、柔軟に考えていきたいものです。

ここまでで定義の説明は終わりです。いかがでしたでしょうか?コミュニケーション能力について理解は進みましたでしょうか。困ったときはこの4つをぜひ覚えておいてくださいね。

コミュニケーション能力の問題と改善について

コミュニケーション能力と遺伝の問題

さて!最後に重要な論点として、コミュニケーション能力は果たして向上するのかどうか?について、考えていきましょう。結論から言うと、コミュニケーション能力は「変化しない部分」「変化する部分」の2つがあります。

「変化しない部分」は遺伝の問題があるからです。コミュニケーション能力は様々な研究で一定程度遺伝することが分かっています。一定程度遺伝するとは、明るい性格、暗い性格、よく話す、あまり話さないなどコミュニケーション能力に関わることで、先天的に決まっている部分があると言うことです。

例えば、私たちの身長は両親と似てきますよね。 どんなに努力をしても、自分でコントロールすることは難しかったりします。できる努力といえば、よく睡眠をとる、カルシウムをとるくらいでしょうか。

このように、コミュニケーション能力は一定程度遺伝することが分かっているのです。その意味で、自分の努力で変わらない部分については、ある程度受入れる事が大切になります。健康な範囲で努力をして難しいのであれば受入れてみましょう。受入れるのも勇気がいるかもしれませんが、遺伝によるコミュニケーション能力の問題は『受け入れる部分を大事にしつつ、適度に努力をしていく』くらいの、感覚を大切にすると良いでしょう。

コミュニケーション能力は改善できる!

このようにコミュニケーション能力は遺伝の問題もありますが、考えてなくてはならないことは後天的に改善できる点もあるということです。私自身、大学院時代に100名ほどに研究を行い、実際に効果分析をしました。

下記の2つの図は話すのが苦手な方へのトレーニングの効果分析です。約3か月に分けて6セッションのトレーニングをした結果です。
のグラフは一般的な方で
 トレーニンが受けていません

のグラフは発話が苦手な方で
 トレーニングを実施しました。

最初は一般的な方の方がスキルが高いですが、トレーニング後はほぼ同じレベルに達しています。

発話スキル得点平均値の推移

 

下記の図は傾聴トレーニングの効果分析です。

傾聴スキル得点平均値の推移

実は、このトレーニングには落ちもあり、脱落率が70%ほどありました。3か月、6回のセッションを継続するというのは非常に疲れるようです。しかし、しっかりと継続的にトレーニングをされた方は、結果を残していました。筋トレと同じように、3日坊主にならないで、しっかりと練習を重ねれば会話力をつけることができると言えます。

目的に応じて、何をトレーニングするかはもちろん変わってくるでしょう。ただ、目標が決まったら、是非前向きに努力を重ねてほしいなと感じます。

入門コラムまとめ

このように コミュニケーション能力は目的応じて変わる上、相手との相性次第で価値が変わってくるものなのです。これといった正解がないため、混乱してしまうかもしれませんが大事なことは自分の人生にとって本当に必要なスキルをきちっと選んでトレーニングしていくということです。

そして、何かを高めると何かを失うことも覚悟しなくてはなりません。これは、今みなさんが抱えている問題は、ご自身を助けている側面もあるからです。まずはそれをしっかりと認識した上で、自分の人生の環境や目的に足りない部分だけ、しっかりとトレーニングしていく。そんなイメージでコミュニケーション能力と向き合ってほしいなと感じています。コミュニケーション能力を向上させるポイントコミュニケーション能力を向上させる上でのポイントをもう一度確認しておきましょう。ここまでお付き合いいただきありがとうございました!コミュニケーション能力を向上させることは確かに簡単ではありません。

私も本当に苦労しました。でも自分に合ったスキルをつけると今までよりも人間関係がよくなったり、仕事がしやすくなったり、本当に努力してよかったと感じています。

今度は私たち講師陣が皆さんに様々な有益な情報を提供する番です。1人でも多くの方がコミュニケーションに関する正しい理解をして、暖かい人間関係を築ける方が増えて豊かで暖かい社会ができることを願っています。

 
講師 川島達史より心をこめて

*出典参考資料
相川充・藤田正美(2005)「成人用ソーシャルスキル自己評定尺度の構成」『東京学芸大学紀要 第1部門』, 56, 87-93.  
相川充・藤田正美・田中健吾(2007)「ソーシャルスキル不足と抑うつ・孤独感・対人不安の関連:脆弱性モデルの再検討」『社会心理学研究』, 23, 95-103.
松川禮子・大城賢(2008)『小学校外国語活動実践マニュアル』旺文社
諸井克英(1991)「改訂UCLA孤独感尺度の次元性の検討」『人文論集 静岡大学人文学部』, 42, 23-51.
諸井克英(1997)「セルフ・モニタリングと対人不安との関係に及ぼす認知欲求の効果:女子青年の場合」『人文論集 静岡大学人文学部』, 48, (1), 37-71.
Shannon., Claude E., & Weaver, W. (1949). A mathematical model of communication. Urbana, IL. University of Illinois Press.
藤本 学・大坊郁夫 (2007).コミュニケーション・スキルに関する諸因子の階層構造への統合の試み  パーソナリティ研究,15, 347?361.
Hymes, D.(1972). On Communicative Competence. In J. B. Pride and J. Holmes(Eds), Sociolinguisitcs: Selected Readings. Harmondsworth: Penguin Books. 新潟県の企業における「コミュニケーション能力」の定義とその重要性 新潟青陵大学短期大学部研究報告 第38号(2008)



向上させるためのポイントを理解しよう