>
>
>
感情労働にならない叱り方

感情労働にならない叱り方「無条件の肯定」③

コラム②では、感情労働への対処法の1つ「ストレスの乗り切り方」について解説しました。ご紹介した練習問題を用いて精神的な疲れを和らげていきましょう!今回は、感情労働への対処法の2つ目「無条件の肯定」を紹介していきます。

ネガティブ感情労働への対処

コラム①では感情労働にはネガティブとポジティブの2つの方向性があり、ネガティブ方がリスクが大きいとお伝えしました。例えば、怒りたくないのに相手を叱るなどです。

自分の本音に反してネガティブに振舞うと自分が自分でないような感覚になったり、気持ちが消耗してしまう感覚に襲われてしまいます。その結果、メンタルヘルスに悪影響を及ぼしてしまいます。

しかし、ビジネスシーンなどではどうしても、相手を叱らなければならない場面があるのも事実。では、自分の気持ちに反してネガティブに振舞わなければならない場合、どのように対処すればよいのでしょうか?

4種類のストロークを学ぶ

ここで感情労働にならないために参考になるのが、心理療法の1つであるストロークという概念です。ストロークとは、「人との関わり方」「接し方」という意味で、「こんにちは」という挨拶や落ち込んでいる人を励ましたり、日々の些細な交流でストロークは行われています。

ストロークには4つの種類があります。

1.無条件の肯定的ストローク
無条件に相手と肯定的に接することを意味します。苦手な人でも挨拶をしたり、相手の意見を受け止める、相手と自分の違いを認めるなどが挙げられます。懐の深い肯定だと考えておく良いでしょう。

2.無条件の否定的ストローク
相手に何かをされたわけでもないのに、否定的に相手に接することです。相手の考えを根本から否定からしたり、相手の価値観を全否定したりします。

3.条件付き肯定的ストローク
相手の行いが正しいと感じた時にその行動を肯定す関わり方です。家事を手伝ってくれたから褒める、テストが満点を取ったから肯定するなどがこれに当たります。肩書き、年収などを重視するような狭い肯定のこと。

4.条件付き否定的ストローク
相手の行いが間違っていると感じた時にその行動を否定します。皿を割ってしまった人に注意する、書類整理ができていない時に叱るなどです。注意を受けた本人は、叱られた原因が分かるので具体的な改善策が立てやすくなります。部分的に注意するなど範囲の狭い否定だと言えます。

これらのストロークを上手く組み合わせていくことで、ネガティブ感情労働にならずに相手を叱ったり、注意することができるようになります。

無条件の肯定で「挟む」

相手を否定するつもりはないが、どうしても反対意見を言わなくてはならない、注意しなくてはならない場合は、無条件の肯定で条件付き否定を挟むことで感情労働を回避することができます。例えば、部下が遅刻していきた場合、

いつも仕事ありがとう、よく頑張っているね! ただ、5分遅刻を繰り返すのはダメだよ。応援しているよ

といった具合です。まずは、無条件の肯定で相手を受け入れて、相手の悪い行動自体を否定します。また、ネガティブな表現で終わるのはあまり印象が良くないので、無条件の肯定でポジティブに終わらせるのです。

すると、ネガティブな表現を伝えているのにも関わらず、ポジティブな印象を与えることができます。相手も指摘をスッと受け止められるので、お互いにストレスなくコミュニケーションを行うことができるのです。

肯定する時は「無条件」に、否定する時は「条件付き」で行うと柔らかい表現を保ちながら、ネガティブ感情労働にならずに相手に指摘することができますよ。

感情労働を防ぐ練習問題

それでは、実際に練習問題に取り組んで相手も自分も傷つけない感情労働を予防する接し方を学んでいきましょう!次の状況でネガティブ感情労働にならないような接し方を考えてみましょう。

例題
あなたの部下は書類を提供する度に、必ず誤字脱字が出てしまいます。さすがに注意しなくてはならないと思うものの、相手を傷つけてしまいそうでなかなか指摘することができません。さて、どのような接し方で注意すると良いでしょうか?

 

解答例
⇒「○○さんいつも頼りになるよ、ありがとう!ただ、誤字脱字が目立つので書類提出前に2回ぐらいはチェックしておくといいと思う。○○さんは向上心が高いからこれらかもっと成長できると思うよ。応援してます!」

「無条件の肯定」で感情労働を予防!

ネガティブ感情労働にならないための練習問題はいかがでしょうか。自分の気持ちに反して相手を否定しなくてはいけない場合、強引にネガティブに振舞うのは好ましくありません。そこで、自分の「本音(無条件の肯定)」とセットで、否定的なワードを使っていくと良いでしょう。

自分はあなたのことを肯定していますよというメッセージを伝えた上で、相手を否定的すると感情労働にならずに気分的にも「罪悪感」を感じずに周りと接することができます。

専門家の講義を受けたい方へ

最後に、これまで「感情労働」コラムにお付き合いしていただき、ありがとうございました!日々の生活に役立てて頂けると心からうれしいです。

そして、専門家から直接学びたい!という方は良かったら私たち臨床心理士・精神保健福祉士が開催している、コミュニケーション講座への参加をおススメしています。コラムだけでは伝えきれない知識や実践的なワークを進めています。みなさんのコミュニケーション能力が向上するよう、講師も一緒に頑張ります!よかったらいらっしゃってくださいね(^^)

★ ネガティブ感情労働は「無条件の肯定」で解決!

次のコラムへ進むボタンはもう少し下にあります。コラムだけでなく心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は下のお知らせをクリックして頂けると幸いです。私たちが講義をしている講座となります。