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リーダーシップとストローク理論

リーダーシップとストローク理論-発展②

発展①では、リーダーシップに重要な「SL理論」の解決をしました。相手に合わせてリーダーシップを取ることが大切でしたね。ご紹介した部下の成熟度の見分け方を使って個人に合わせた教育を目指してみてくださいね。

今回はリーダーシップ論コラム発展編の2つ目「部下に信頼されるストローク法」についてご紹介していきたいと思います。

リーダーシップと「褒める」

リーダーシップを取る上で、「もっと部下を褒めた方がいいのか」はたまた、「もっと厳しく接するべきなのか」という悩みを抱くことも多いでしょう。

特に感情が読みづらい部下に対しては、どのように接すればよいか計りかねる部分も大きいかと思います。しかし、まじめなリーダーであるほど「人に頼ってはいけない」「弱みを見せるのは恥だ」「厳しい状況を耐えぬくのが人生だ」などの信念を持っている方が多いように思われます。

もちろん、こうした信念は100%間違っているわけではありませんが、社会の根本にあるのは助け合いの精神です。リーダーシップを取る上では、厳しく接するだけではなく、相手を肯定する気持ちも大切になります。褒めてもらうことによって、部下は「自分はこの組織には必要な存在なんだ」と感じることができ、モチベーションが高まります。

さて!今回は部下を「褒める」「肯定する」ことについて具体的に解説していきます。ここで、心理療法の1つであるストロークという概念を解説します。ストロークとは「関わり方」「人との接し方」を意味します。ストロークはさらに

「条件付き肯定的ストローク」
「無条件の肯定的ストローク」

の2つがあります。まずは「条件付きストローク」から見てみましょう。条件付きの肯定的ストロークとは、〇〇をしたから、与えてあげる愛情です。

例えば、
皆勤賞だから

営業成績が上がったから

ミスが少ないから

部下を褒めるというのは、すべて「条件付き」ストロークですね。

条件付きの肯定のリスク

たとえ、条件付きであっても肯定的ストロークをもらえるのは喜ばしいもの。ただ、条件付きには弱点があって、「その条件を満たせない時には、肯定してもらえない」という点です。

先ほどの例ですと、会社を1日でも休んだ、営業成績が下がった、ミスをしたら・・・どうでしょう。その瞬間に愛情がなくなってしまいます。条件付きの肯定だけをもらうと、「上司に失望されないために頑張る」といった本来の仕事の目的とはズレた考え方になってしまいます。もっとチームの状態が深刻化すると、

□役職や年収を上げないと認められない
□能力がないとお荷物扱いされるかも
□遅刻した時点で人生終わりだ

などと部下が考えるようになります。肯定されたいという気持ちが「条件」によって過剰になってしまい、「人は損得がすべて」「人は結果しか見ない」という感覚になってしまいます。

リーダーシップ「無条件」が大事

リーダーシップを高めて、本当の意味で部下のパフォーマンスを上げるには、「無条件の肯定的ストローク」が大切です。無条件の肯定的ストロークには条件がいりません。

例えば、
応援しているよ!

最近うまくやってる?

おはよう!

などのコミュ二ケーションは無条件の肯定的ストロークに当たります。ポイントなのは、「どんな時でもあなたと私は肯定されている」という感覚があることです。特別でなくても良いのです。〇〇だから・・△△だから・・・という理由はいらず、その人の存在自体を肯定してあげます。

無条件に「自分は周りと同じように愛される存在だ」という気持ちを育てることが、リーダーシップを高める上でとても大切です。

無条件の肯定を増やす方法
リーダシップを取る立場にいる方は、「おはよう」や「お疲れ様でした」などのあいさつは日常的に行っていると思います。無理なく無条件の肯定を増やすためには、このあいさつにさらに無条件の肯定をする声掛けを加えると良いでしょう。

例えば、「おはよう!」だけで終わらせず、「おはよう!最近、調子はどう?」といった具合に、ひとこと加えるのです。このように普段、習慣になっていることに結び付けて行うと自然に無条件の肯定的ストロークををする回数が多くなっていきます。

無条件の否定を減らそう
ストロークには相手を否定するものも存在します。その中でも注意しなければならないのが、無条件の否定的ストロークです。代表的な例としては、

・人間性を否定する
・暴力や暴言を振るう
・嫌がるあだ名で呼ぶ

などが挙げられます。無条件の肯定的ストロークを行っていても、「無条件の否定」が垣間見れれば、リーダシップは部下の信頼を失ってしまいます。「あいさつはするものの、部下がミスをしたときに暴言を吐く」などです。もちろん、無条件の肯定がゼロで、否定ばかりしている場合はもっとNGです。

もし、部下を教育するために否定しなくてはならない場合は、「条件付き」で行いましょう。「遅刻をしたらダメだよ」といった具合に何がダメだったか部分的に否定するのです。さらに、それを無条件の肯定でサンドイッチをすることが大切です。

「おはよう!(無条件の肯定)
 今日は10分遅刻だな~次から気をつけてな(条件付き否定)。
 さあって一緒に今日も頑張ろう(無条件の肯定)」

こうすることで、注意しても部下から反感を買うことがなく、さらに無条件の肯定を増やすことができます。リーダシップを取るうえで「無条件の否定」はチームを壊すことにもつながるため注意が必要です。

ノンストロークをを減らそう

さらに否定的ストロークの他にも、リーダシップを高めるためには、ノンストロークも減らしていくことが大切です。これは、全く関わろとしない姿勢のことを意味します。例えば、

・無視をする
・チームに存在しないような扱い
・仕事を与えない

あいさつをしたのに返してもらえなかった経験はないでしょうか?その時はどんな気持ちになりましたか。いくら「聞こえなかっただけかも」と考えても心のどこかで、相手を不信に思ってしまう自分がいるかと思います。これは、あなたの部下も同じなので、チームの誰かを省くようなコミュニケーションはリーダシップに不信感をもたらしてしまいます。

本当に忙しくて部下の対応ができない時は、無視せずに「今忙しいから後にしてくれる?」としっかり相手に伝えるように心がけましょう。

信頼されるリーダーに

リーダーシップを高める「無条件の肯定的ストローク」はいかがでしたか?人は誰しも同じように呼吸して、ご飯を食べて、寝て、うんちもしますし、笑ったり泣いたりします。そこに条件などは存在しないのです。そうした人間のありのままの性質を認められることが、遠回りなようで1番の近道だったりします。

部下がどんな行動する人でも、どんな障害を持っていても、どこかしら肯定できる部分はもっているはずです。ぜひ、ご自身のチームや組織に対して無条件の肯定を心がけてみてください。

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今回でリーダーシップ論コラムは最後となります。これまで読んでいただきありがとうございました。

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