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論理的思考力を鍛える

論理的思考力を鍛える「フェルミ推定」のコツ⑤

コラム④では、論理的思考を鍛えるため「資料準備のコツ」についてご紹介しました。な自分の個人的な意見ではなく、より客観的なデータを用意することが大切でした。今回は、論理的思考を身につけるの4つ目の方法「フェルミ推定」について解説していきます。

論理的思考を高める「フェルミ推定」

論理的思考を高めるためには、推定力を鍛えることが大切です。例えば、グーグルの採用試験の面接での質問では、「東京都内にマンホールの数は何個あるか?」というものがあります。

こうした、現実的に調査するのが難しくで把握できない量を短時間で推定するのが「フェルミ推定」という計算方法です。これは、いくつか手がかりから論理的に数値を概算していくものです。

ノーベル物理学賞を受賞したエリンコ・フェルミがこうした概算をよく行っていたことからフェルミ推定と名付けれたとされています。

論理的思考のレベルを測るために近年、面接においても質問されるようになりました。つまり、フェルミ推定は、答えよりもそこに至るまでの過程や考え方が重視されるのです。

フェルミ推定のコツ3つ

フェルミ推定で論理的思考を行うためには、抑えておきたいポイントが3つがあります。それぞれ解説していきましょう。

1.手かがりを見いだす
フェルミ推定をする状況では、必ずしも手元に必要な情報があるとは限りません。例えば、面接や会議などで予想外の質問が来た時には、論理的思考を駆使して推定していく必要があります。

例えば、「日本にある郵便ポストの数は?」と問われた時、まずはその手かがりとなる条件を見出すことがコツです。この場合であれば、「日本の面積」や「郵便ポストの面積」などを知ることができれば、ある程度の当たりを付けることができます。もちろん、それ以外にも様々ありますが、どの切り口から考えていくかを自分なりに推定して論理立てて答えを概算していきます。

2.量を仮定する
先ほどの「日本にある郵便ポストの数は?」という質問に対して正確に近い回答するためには、手がかりに関する数字的な知識が最低限必要となります。例えば、日本の面積「約38万km2」という情報は少なくとも知っておく必要があります。

しかし、日本のポストの数を計算するのに必要となる情報やデータを始めからすべて知っている人はほぼいません。そこで、日本の面積38万km2のうち、「3/4を山地、1/4を平地」 など量や数字を仮定するのです。さらに、山地のうち「無人地帯を1/3と有人地帯を2/3」…といった具合に人口のある地域=ポストがあるという考えのもとにどんどん数字を過程してきます。論理的思考をする上では、自分の知らない情報は仮定していくことが大切になります。

3.推定を論理的に伝える
そうして、概算した推定を論理的思考を用いて、ロジカルに相手に伝えることが必要です。ここで、理論となるのが先ほど仮定した数字になります。例えば、「人口のある日本の面積」などです。こうした仮定に基づいて思考の流れを相手に伝えることで論理的に自分の考え方を漏れなく伝えることができるのです。

フェルミ推定を使った論理的思考の例

フェルミ推定の有名な例としては、「アメリカのシカゴにはピアノの調律師が何人いるか?」を推定す質問が挙げられます。これはフェルミが実際にシカゴ大学の学生に対して出題した質問だと言われています。では、論理的思考を使ってどのように推定していけばよいでしょうか?

フェルミ推定は以下のように行います。

 1.シカゴの人口を300万人と考える
 2.シカゴでは、1世帯あたりの人数が平均3人と仮定する
 3.ピアノを有している世帯が10世帯に1台あるとする
 4.ピアノ1台に対して調律は平均1年に1回行うと仮定する
 5.調律師は1日に3台のピアノを調律すると考える
 6.週休二日と考え、調律師は年に約250日労働すると考える

これらの仮定を用いて、以下のように推論していきます。

シカゴの世帯数は、300万÷3=100万世帯程度
シカゴでのピアノの総数は、100万÷10=10万台程度
ピアノの調律は、年間に10万件程度行う
1人のピアノの調律師は年間に250×3=750台ほどを調律する
つまり、調律師の人数は10万÷750=130人ほどと推定できる

繰り返しになりますが、フェルミ推定では「いかに手がかりを見出すか」が大切になります。この例では、シカゴの人口を手がかりとしています。

論理的思考をするには、ある現象の「原因」を正確に捉える力が大切です。手がかりを見つかれば、一見、答えるのが困難な問題でもおおよその値を概算することができます。

論理的思考を鍛えるフェルミ推定の練習!

それでは、実際にフェルミ推定で論理的思考を鍛えていきましょう!以下の問題について推定してみてください。

問題

「今この瞬間に世界中でトイレの中にいる人数は?」

 

解答例

1.世界中の人のトイレの平均時間を3分と考えます。
2.1日にトイレに行く回数を平均5回と仮定します。
3.1日は24時間
4.世界の人口は70億人

これらの数字から概算すると、

世界中の人が1日にトイレにいる平均時間は3分×5回=15分程度
1日の中でトイレにいる割合は24時間÷15分=1/96程度
つまり、世界中で今この瞬間トイレにいる人数は70億人÷96=7290万人ほどと推定できます。

フェルミ推定で論理的思考を高めよう!

さて、少し難解な内容が続きましたが「フェルミ推定」の練習問題はいかがでしたでしょうか?なかなか手が進まなかった人も気にする必要はありません。最初から練習問題を解ける人のほうが珍しいので、これから徐々にフェルミ推定の考え方を身に付けていきましょう。算数や一般的な知識を身に付けておくことで、答えへの道筋が立てやすくなります。少しづつトレーニングしてみてくださいね。

日常の物事のおおよその数値を概算できるようになると、論理的思考能力が飛躍的に高まります。また、自分の考えをブレなく相手に伝えるスキルも鍛えられますので、ぜひ様々な問題にチャレンジして「考える力」を付けていきましょう。

次回は、論理的思考を身につける方法の5つ目「MECE」についてご紹介します。

★論理的思考は推定力が大切!フェルミ推定を理解しよう

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