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モデリングとは?心理学的な意味・活用方法を解説

モデリングとは?心理学的な意味・活用方法を解説

はじめまして!公認心理師,精神保健福祉士の川島です。今回のテーマは「モデリング」です。

モデリングとは

皆さんは、「モデリング」という言葉を耳にしたことはございますでしょうか。心理学用語なので、詳しい定義は知らないという方も多いでしょう。

モデリングとは

心理学辞典(1999)によると、モデリングは以下のように定義されています。

他者の行動やその結果をモデル(手本)として観察することにより、観察者の行動に変化が生ずる現象のこと。

つまり、噛み砕いて言うと「手本を見て、それ真似ること」という意味合いで解釈できます。例えば、子どものヒーローごっこはモデリングの典型例だと言えるでしょう。

TVで見たヒーローの言動を真似るすることで、体の動きや言葉などを学習していきます。

歴史

アルバート・バンデューラは、1963年にモデリングを理論的に説明する「社会的学習理論」を概説しました。

その後、バンデューラ1971年に「Social Learning Theory」と題する著作で理論を体系化し、1977年に理論の詳細を補強していきました。

アルバート・バンデューラー

出典:wikipedia

社会的学習理論とは

社会的学習とは、さまざまな意味で用いられますが、簡単に説明すると「他人の影響をうけて、考え方・習慣・行動などを学習していくこと」です。

「人のふり見て我がふり直せ」は、まさに社会的学習を言い当てたことわざだと言えます。

社会的学習の2つパターン

社会的学習には以下の2つの種類があることが分かっています。

①観察学習
見たり・聞いたりすることで学習すること。例えば、TVで芸能人が瞑想にハマっていると聞くことで、瞑想について知る。

②模倣学習
見たり・聞いたりしたことの真似をして行動する学習。例えば、TVで芸能人の瞑想法の真似をして、方法を学んでいく。

このうち、モデリングは②の模倣学習に当たります。他人の行動を真似るすることで、新しい知識やスキルを学習していくのです。

真似る

モデリングの効果

アルバート・バンデューラによれば、モデリングの効果は以下の3つが挙げられます。

①観察学習効果
モデルの行動を観察することにより新しい行動パターンの行動を習得できる。

②脱制止効果
すでに習得している行動を抑制したり、逆にその抑制を弱めたりする働き。

③反応促進効果
他人の行動によって、観察した人がすでに習得している行動が促される

つまり、見本を見つけることで新しい知識や行動が学習でき、普段の好ましくない行いを弱めたりすることが可能です。

そして、逆に好ましい行動をモデリングによって促すことができます。そのため、教育手法としてビジネスやスポーツの世界で用いられることも多いです。

モデリングの流れ

モデリングは発生する過程として、以下の4つが挙げられています。

①注意過程(attentional process)
モデルに注意を向けるステップです。例えば、ヒーローに関心を向けたり、TVの瞑想に興味を示したりといった段階です。

②保持過程(retention process)
観察したことを記憶として取り込み、保持するステップです。例えば、ヒーローの技を記憶して覚える、瞑想法について記憶するなど。

③運動再生過程(motor re-production process)
記憶したモデルの行動をするステップです。例えば、記憶したヒーローの技を真似したり、瞑想に実際に取り組んでみるといった過程です。

④動機づけ過程(motivational process)
上記の3つのステップを動機づける過程です。例えば、ヒーローの技をイメージしたり、瞑想で集中力が高まったという話を聞くなどが挙げられます。

このように、まずは注意を向ける→記憶するといったプロセスを踏んで、実際に模倣がなされるのです。そして、行動を動機づけることで学習が深まっていきます。

モデリング

真似の心理学を理解

今回はモデリングについて解説していきました。「学ぶ」は「真似る」から始まると言われるように、モデリングを活用することで学習が促進されます。

ぜひ、ご自身の状況に合わせてモデリングを取りれてみてくださいね。

専門家の講義を受けたい方へ

最後に、これまで「モデリング」コラムにお付き合いしていただき、ありがとうございました!日々の生活に役立てて頂けると心からうれしいです。

そして、専門家から直接学びたい!という方は良かったら私たち臨床心理士・精神保健福祉士が開催している、コミュニケーション講座への参加をおススメしています。コラムだけでは伝えきれない知識や実践的なワークを進めています。みなさんのコミュニケーション能力が向上するよう、講師も一緒に頑張ります!よかったらいらっしゃってくださいね(^^)

 

 

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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中島 義明 子安 増生 繁桝 算男 箱田 裕司 安藤 清志 (1999)心理学辞典 有斐閣
アルバート・バンデューラ 写真出典 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
・Albert Bandura (1971). “Social Learning Theory”. General Learning Corporation. 
・Bandura, Albert (1963). Social learning and personality development. New York: Holt, Rinehart, and Winston.
・Bandura, Albert (1977). Social Learning Theory. Oxford, England: Prentice-Hall.