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責任感を軽くする方法「原因帰属」とは②

責任感を軽くする方法「原因帰属」とは②

コラム①では責任感について概観していきました。メリットもデメリットもあるので上手くバランスを取っていくことが大切です。今回のコラムでは、責任感を軽くする方法について解説していきます。

原因帰属を多く持つ

責任感が過剰になっている方は、原因帰属について学習することをお勧めします。原因帰属理論は心理学者ハイダーが研究したのが起源で、認知心理学の方法論や理論の研究として進められています。原因帰属には次の2つの種類があります。

1:内的帰属
性格やスキルなど自分の内部に原因を求める

2:外的帰属
環境や運など、自分の外部に原因を求める

例えば、
プロジェクトリーダーに上司から任命
100時間残業しても終わらない…といった場合。

内的帰属の場合
1.自分だけが悪い
2.仕事に追われ抑うつ
3.療養のため休む
4.会社全体の業績⇩

外的帰属の場合
1.会社の仕組みが悪い
2.改善案を提案する
3.職場環境がUP
4.パフォーマンス⇧

このような違いが出てくることがあります。任感に駆られている人は自分にだけ原因帰属を置いているため、外的な問題の解決策が少なくなってしまうケースがあるのです。

いっぽうで、「自分の努力も足りなかったから、相手の態度も悪かったよなぁ。運の問題もある」など原因帰属を多く持っていると、責任感はバランスよくなり、改善策も発想しやすくなります。

原因帰属の4つのステップ

つまり、悪い時はお互い様!という姿勢が大切なのです。原因帰属を複数持つコツとして、次の3ステップで原因帰属をしてみましょう。

ステップ① 自分の+ーを考える
ステップ② 他人の責任も「少しだけ」考える
ステップ③ 環境の原因を考える
ステップ④ 建設的に考える

この4ステップを意識していきます。以下具体的に解説します。


【ステップ①】
自分の+ーを考える
責任感を感じた時は反省と合わせてポジティブ面も見つけるようにしましょう。両面から考える事が大切です。

例えば卓球のダブルスの試合で
自分のミスで負けたとします。

集中力をもっと保てたはずだ。
ペアの方との経験値は上がった。

このように、2つ視点から考えるようにしましょう。

責任感バランス

【ステップ②】
他人の責任も「少しだけ」考える
他人の原因も少しだけ考えてみましょう。物事の原因は、内的帰属だけで決めるものではありません。外的帰属も含めて考えることが重要です。過剰に他人への責任を考える必要はありませんが「少し」は周りへの責任も考えるようにしましょう。

  ↓

【ステップ③】
環境の原因を考える

責任感を抱えている出来事について、状況や環境に原因を考えてみましょう。自分も他人も悪くなく、神様のせいにするしか方法がない時もあるのです。例えば「天気が悪かったから」など自分や他人以外にも原因があるかもしれません。

原因帰属を複数もつには、偏った視点を柔らかくことが大切です。複数の視点で客観的に捉えることで、自責の念を和らげていきましょう。

  ↓

【ステップ④】
建設的に考える
最後に解決策を考えていきましょう。自分のマイナスポイントを改善しつつ、他人にも注意を促します。環境の原因はコントロールが利かないため、それ自体を変えることは難しいです。うまく環境を受け入れて、その中で出来ることを見つけていきましょう。

実践!練習問題で責任感UP

それではご紹介した3つのステップを元に、練習問題にチャレンジしてみましょう。

練習問題1
あなたの親友が遠距離恋愛をしています。その友人は毎回デートに毎回2万円の交通費を使ってパートナーに会いに行っていました。あなたは、「たまには向こうに来てもらったら?」とアドバイスをしました。

友人はアドバイスに従って、「たまには会いに来て欲しい!」と気持ちを伝えました。しかし、数日後…「遠距離恋愛はきびしい」と言われ、その友人は別れを切り出されてしまいました。そして、あなたに対して少し怒りを感じているようでした。

それでは次のステップで考えてみましょう。

①自分の+ーを考える
②他人の責任も「少しだけ」考える
③環境の原因を考える
④建設的に考える

考えてみましたか?!

それでは解説に進みましょう!

 

解説
この問題では、恋愛相談に乗っていた友人がフラれてしまうというものでした。

①自分の+ーを考える
余計なアドバイスだったかも・・・

交通費に友人だけが毎回2万円を使っているのは不平等。友人としてはやはりハッキリ伝えるべきだった。

②他人の責任も「少しだけ」考える
→恋愛の結末は、第三者によって左右できるものではない。友人には悪いが、別れを切り出された理由は他にあるのでは・・・

③環境の原因を考える
→遠距離恋愛そのものがハードルが高かったのかもしれない。

④建設的に考える
→「余計なアドバイスだったかもしれないけど、友人としてはやはり伝えるべきだった。私はあなたと率直に言い合える関係でいたいのだがどうかな?」と友人と話し合う。

練習問題2
それでは、最後にご自身の例で考えて見ましょう。

①自分の+ーを考える

②他人の責任も「少しだけ」考える

③環境の原因を考える

④建設的に考える

原因帰属を複数持って自責の念に対処

 

責任感と注意点

ここまで帰属理論について解説をしてきました。基本的には、責任感が過剰になってるときは、たまには外部に原因を求めることも大事になります。

責任感に駆られてしまう原因を外的帰属に求めることは、勇気がいると思います。特に慣れない場合には、つい自分だけを悪者にしたくなるかもしれません。ポイントは、物事の原因は1つではないと知ることです。複数の要因を考えてみることで、誤った原因帰属による責任感に駆られることがなくなります。

*注意点

心理学の研究では、責任感がある人ほど、パフォーマンスを上げやすいという研究もあります。やはり無責任はNGです!責任感は基本持っておいて、過剰になって苦しくなってきた場合は当コラムのやり方も参考にしてみてください。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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出典・参考文献
上市 秀雄, 楠見 孝(2004)後悔の時間的変化と対処方法意思決定スタイルと行動選択との関連性 The Japanese Journal of Psychology, Vol. 74, No. 6, 487-495