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メタ認知能力トレーニング!「マインドフルネス療法」③

メタ認知能力トレーニング!「マインドフルネス療法」③

コラム①では、メタ認知について概観していきました。具体的なトレーニングとしては「①メンタライゼーション」「②マインドフルネス療法」「③イライラを改善,認知療法への応用」の3つでしたね。

今回は、「②マインドフルネス療法」をご紹介していきます。

マインドフルネス療法

メタ認知を鍛えるうえで鍵となってくるのがマインドフルネスです。マインドフルネスとは、もともと東洋の瞑想で用いられていた言葉で、主な定義は以下の3つがあります。

定義①:Kabat-Zinn(1994)
「今ここでの経験に、
評価や判断を加えることなく、
能動的に注意を向けること 」

定義②:心理学辞典(1999)
「積極的にカテゴリーに注意を向け、
それを創出している心的状態をいう」

定義③:北川(2013)
「すべてのことを迎え入れ、
それをあるがままにしておく」

つまり、今ここで起きている事柄に対して、「好き/嫌い」などの判断をせずに、観察して放っておくことという意味で捉えられます。例えば、イライラして怒りそうになった時に、「あ、いま自分はイライラしているな」と気づくとメタ認知が活性化され、スッと冷静さを取り戻すことができます。

葉っぱのワークでメタ認知UP!

ここまで、いくつかの定義をご紹介していきました。ただ、マインドフルネスは言葉で伝えるよりも、何かに例えたり、隠喩を使って表現した方が分かりやすい性質があります。そこで、エクササイズやワークを用いて体験的に伝えるケースが多いです。

その中でも、特に有名なのが、「流れに漂う葉っぱのエクササイズ」です。これは、自分の思考が浮かんでは消えることを観察することが主な目的です。自分にどのような考えが浮かんでいるかに意識を向け、それが流れて消えていくのを感じることで、メタ認知も活性化していきます。

メタ認知 マインドフルネス

葉っぱのエクササイズをやってみよう

それでは、実際にメタ認知を鍛えるために流れに漂う葉っぱのエクササイズをやってみましょう。以下の文章の指示を読んで、エクササイズを進めてみてください。(Steven C. Hayesら,2010 p126より抜粋して掲載)音声読み上げ機能を使うと実践しやすいです。

・流れに漂う葉っぱのエクササイズ
①まずは、時計をそばに置いていつエクササイズを始めたのかをメモしましょう。そして、少なくとも5分間は以下のイメージを続けてください。

目を閉じて澄みきったゆったりとした川の流れを想像してください。 川は、岩の上や木の周りを流れ、山を下って谷あいを進みます。 ときどき、大きな葉っぱが流れに落ちそのまま水面を漂っていきます。暖かい晴れた日に あなたはその流れの傍に腰をおろして葉っぱが流れていくのを眺めています。

それでは、自分の考えや思いに意識を向けてください。頭に浮かんだ考えや思いは、それぞれ1枚の葉っぱにのって、流れていきます。言葉で考えが浮かんだならその言葉を葉っぱにのせましょう。もし、絵で考えたならそれを葉っぱにのせます。

ここでの目的は、あなたが流れの傍らにいること、そして、葉っぱを流れ続けさせることです。流れを速くしたり、遅くしたりしないでください。葉っぱの上にのせたものを変えようとしないでください。 もし、葉っぱが消えたり、意識がどこかよそに行ったり、あなたが川に入ったり、葉っぱと一緒に流れていることに気づいたら、一度中断して、何が起こったのか観察しましょう。そして、何が起こったかを整理して、もう一度、流れの傍らに戻ってこころに浮かぶ考えを観察し、それらを1つずつ葉っぱにのせて、流れさせましょう。

②次に以下の質問に答えてみましょう。

あなたが考えに飲み込まれてしまうまでどのくらい続けることができましたか?

流れていたものが止まったり、意識がよそに行った場合その直前に、何が起こったか考えてください。

水が流れる様子をまったく想像できなかった場合、その間、何を考えていたか書いてください。

このエクササイズは「流れとどこおったとき」がメタ認知が切れている状態を表します。私たちは、自分の思考や感情に気づかないことが良くあります。その状態に、気づき、何がを起こったのかをよく整理し、また川の流れをイメージすることで、メタ認知が活性化されるのです。

思考の流れの観察でメタ認知⇧

今回はマインドフルネスで頻繁に活用される「流れに漂う葉っぱのエクササイズ」をご紹介していきました。自分の感情や思考は、あくまでも一時的なものであり、その流れを観察することでメタ認知が鍛えられていきます。ぜび、繰り返しエクササイズを実践してみてくださいね。

次回は「③イライラを改善,認知療法への応用」についてご紹介します。

★流れに漂う葉っぱのエクササイズでメタ認知トレーニング!
心理学講座

目次

①メタ認知能力-概観
②メンタライゼーション
③マインドフルネス療法
④「認知療法への応用」

助け合い掲示板

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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出典・参考文献
中島 義明 子安 増生 繁桝 算男 箱田 裕司 安藤 清志 (1999)心理学辞典 有斐閣
北川嘉野・武藤崇(2013)マインドフルネスの促進困難への対応方法とは何か. 心理臨床科学, 3(1), 41-51.
Kabat-Zinn, J. (1994). Wherever you go, there you are: Mindfulness meditation in everyday life. New York: Hyperion Books.
 Steven C. Hayes, Spencer Smith(2010)ACTを始めるセルフヘルプのためのワークブック p126 星和書店