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気分障害とは?種類・診断基準・治療法を解説

気分障害とは?種類や診断基準、治療法

みなさん、こんにちは。臨床心理士の森です。普段は主に精神疾患を抱える方に心理検査やカウンセリングを行う仕事をしています。本コラムでは、「気分障害」について詳しく解説していきます。目次はこちらです。

  • 気分障害とは?
  • うつ病の症状・診断基準
  • 気分変調性障害の特徴・診断
  • 双極性障害の解説
  • 3つの新たな疾患
  • 気分障害の治療法

しっかりと解説して対策についてもお伝えしたいので、読むのに全部で8分ほどかかります。ちょっと大変ですが、ぜひお付き合いください。

気分障害とは?

気分障害とは、日本では1980年に刊行されたDSM-IIIから用いられていた、精神疾患の分類です。気分障害という分類の中には、大きく分けて、うつ病と躁うつ病(双極性障害)が含まれています。表にすると下のようになります。

気分障害の分類表

ところが、2013年に刊行されたDSM-5からは、気分障害という分類はなくなりました。うつ病と躁うつ病(双極性障害)はそれぞれ異なる分類として扱われるようになりました。表にすると、下のようになります。

うつ病と躁うつ病の分類

このように、最新の診断基準では、気分障害という言葉は使われなくなりました。それでも、このコラムでは、“うつ病と躁うつ病”を合わせて気分障害と呼ぶことにします。

気分障害はどのくらいの人がかかる?

川上ら(2006)は、日本人のこころの健康に関する疫学調査を行いました。それによると、大うつ病性障害や双極性障害などの何らかの気分障害は、生涯に8.9%の人が経験すると報告しています。100人の人がいれば、そのうちの8~9人の人が気分障害を経験していたということですから、発生の頻度は高いと言えるのではないでしょうか。

気分障害の中でも、もっともかかりやすいのは大うつ病性障害、いわゆるうつ病で、生涯に6.3%の人が経験します。これだけの人がかかるのですから、うつ病による社会的損失は大きいと言われています。

気分障害による社会的損失

佐渡(2014)によると、2005年の日本人成人におけるうつ病の総費用(通院にかかる費用など)は2兆円と推定されました。うつ病によって、これだけの額が失われており、経済的なダメージが大きいことがわかります。

また、アメリカの研究ですが、Stewartら(2003)は、うつ病にかかっている労働者は週に平均5.6時間、生産的な作業ができなくなっていました。うつ病にかかっていない労働者の場合は週に1.5時間で、両者には統計学的に有意な差がありました。

週当たりの生産的作業時間の損失

この結果から、うつ病にかかっていると、疲れやすいなどの理由で仕事の能率が低下することが明らかとなったのです。その分は周りの人がサポートすることになるでしょうから、うつ病は、病気になった本人だけでなく、その周りで働く人たちにも関わってくる問題ということができます。

ここまで見てきたように、気分障害は、
・生涯の間にかかる人の割合は低くはない
・社会的損失は大きい
これらのことから、気分障害やうつ病についての知識を持ち、対策について知っておくことは大切といえます。

大うつ病性障害(うつ病)とは?

気分障害の中の各疾患がどのような病気なのか、ここではうつ病に焦点を当てて詳しく解説していきます。

大うつ病性障害とは、いわゆるうつ病のことを指します。最新のアメリカ精神医学会が出した診断基準、DSM-5でも単にうつ病と呼びます。女性は男性の2倍、かかりやすいと言われています。

特徴は、
①抑うつ気分
②興味または喜びの喪失
①又は②が2週間以上続くことにあります。

抑(よく)うつ気分とは、落ち込んだり、気分が滅入ったりすることです。興味または喜びの喪失とは、それまで楽しめていたことが楽しめなくなることです。①か②のどちらかがあり、さらに次の9つの症状のうち、5つ以上が存在すると、大うつ病性障害と診断される可能性があります。

大うつ病性障害と診断基準

これらの症状が続く期間のことを大うつ病エピソードと言います。大うつ病エピソードを経験しても、回復する人もいますし、何度も大うつ病エピソードを繰り返す、難治性のうつ病の人もいます。うつ病のイメージは以下の通りです。

うつ病のイメージ図

大うつ病エピソードを繰り返しているということは、精神的につらい時期が長いということです。

・「普通の落ち込み」との違い

気分が落ち込んでいるときは誰でも「抑うつ状態」です。抑うつ状態は、気持ちが滅入る、何をする気にもなれない、不安で仕方ない、むなしい、悲しいなどです。このようなうつ状態は、誰でも経験することですが、2~3日もすればまた元気になるのが普通です。

ただし、それまで楽しみだったことが面白いと感じられなくなったり、日常生活に支障をきたすほどの落ち込みが2週間以上続いたりする場合は、うつ病と診断される可能性が出てきます。

・発症のきかっけ「4種のストレス」

うつ病発症のきっかけになりやすいこととして、以下のようなものがあります。

①環境変化によるプレッシャー、ストレス
就職、転職、昇進、転勤、入学、転校、結婚、出産、人間関係のトラブルなど。
②身体のダメージ
からだの病気や怪我など。
③何かを失うことの不安、むなしさ
こどもの独立、失業、離婚、退職、閉経など。
④別れの悲しみ
家族や友人との死別、失恋など。

いずれも、大きなストレスがかかった時にうつ病を発症しやすいと言うことができます。昇進や結婚など、うれしいことも発症のきっかけになることがあります。しかし、実際には、何が原因でうつ病になったのかわからない場合もあります。

気分障害・うつ病の原因

・うつ病のメカニズム

うつ病などの気分障害だからといって、性格や心が弱いからかかるのではありません。先ほどご紹介したと取り、きっかけがもととなって、脳内の神経伝達物質の変化が生じるために引き起こされるのです。神経伝達物質とは、脳内の神経細胞の間でやりとりされる物質のことで、私たちがものを考えたり、感情を感じたりするときに行き交っています。

うつ病に関係の深い神経伝達物質として、セロトニンやノルアドレナリンがあります。これらの働きが低下したり、バランスが崩れたりすると、うつ病の発症につながると考えられています。

ここで、気分障害「うつ病」に関する3つのポイントを挙げておきます。

①うつ病は、“脳が疲労”してうまく働かなくなった状態のことです。

②脳が疲労すると、状況を的確に判断し問題解決をはかる知的な力や、気力や精神力を作り出す働きが弱まります。

③脳は身体の調子を整える役割も担っているので、さまざまな身体症状も出やすくなります。

・症状をチェックしてみよう

ではうつ病を発症すると、どのような症状が出るでしょうか。具体的な症状をチェックしてみましょう。

うつの症状の例

このように、心身ともに実に多岐にわたって症状が現れます。

・診断されたら…休養と服薬で大切

気分障害「うつ病」と診断されたら、休養をよくとることが治療の第一歩です。落ち着いて休養を取るためには、環境調整といって、身の回りのストレスを減らす工夫をします。たとえば、会社を休職する、家事の負担を減らす、などです。

そして、多くの場合、薬物療法が開始されます。いわゆる抗うつ薬による治療です。症状によっては、その他の抗不安薬や睡眠薬などの薬が処方されることもあります。抗うつ薬は即効性が少なく、飲み始めてから2~4週間ほど様子を見る必要があります。自分に合う薬が見つかるまで、何種類か抗うつ薬を試す場合もあります。

医師との診察や心理士とのカウンセリングでは、辛い気持ちを支えてもらい、病状に合わせた具体的なアドバイスをもらいます。

気分障害の診断と治療

気分変調性障害とは?

気分変調性障害とは、大うつ病エピソードはないものの、抑うつ気分が長期間続く疾患です。つまり、軽いうつが慢性的に持続する病気です。以前は抑うつ神経症や気分変調症と呼ばれていました。

抑うつ気分を感じる日が感じない日より多い状態が2年以上続き、次の6つの症状のうち2つ以上が続いていると、気分変調性障害と診断される可能性があります。

1:食欲減退もしくは過食
2:不眠もしくは過眠
3:気力の低下、または疲労
4:自尊心の低下
5:集中力低下、または決断困難
6:絶望感

気分変調性障害をイメージ図で表すと、以下のようになります。

気分変調性障害のイメージ図

気分は正常ラインより落ち込んでいますが、大うつ病エピソードよりは程度が軽い期間が続いています。

双極性障害とは?

双極性障害とは、双すなわち“ふたつ”の、極すなわち“うつと躁の両極端”が存在する疾患です。

双極性障害は、双極I型障害と双極II型障害とに分けることができます。それぞれ分けて説明していきます。

・双極I型障害

双極I型障害は、
①躁病エピソード+大うつ病エピソード
②躁病エピソードのみ
の場合に診断されます。イメージ図を見てみましょう。

双極I型障害のイメージ図

躁病エピソードとは、
「異常にハイテンションな状態が1週間ほぼ毎日持続する」
場合を指します。普段のその人とは明らかに異なり、気持ちが開放的になる、やたらと活力がある、行動が積極的である、あるいは怒りっぽい、といった状態になるのです。

入院が必要なレベルの場合は、1週間という期間に関係なく、躁病エピソードとみなされます。躁病エピソードに加えて、下の7項目のうち3つ(怒りっぽい気分がメインの時は4つ)に該当すると、双極I型障害と診断される可能性があります。

双極I型障害と診断基準

・双極II型障害

双極II型障害とは、軽躁病エピソード+大うつ病エピソードがある場合に診断されます。イメージ図を見てみましょう。

双極II型障害のイメージ図

軽躁病エピソードとは、
「躁病エピソードが少なくとも4日間ほぼ毎日持続する」
ことで診断されます。躁病エピソードが1週間だったのに対し、軽躁病エピソードは4日間であることに注意してください。現れる症状は双極I型障害と同じです。

厚生労働省のサイトによると、I型とII型を合わせた双極性障害の人は0.7%くらいの割合とされています。

・双極性障害は診断が難しい?

双極性障害は躁状態とうつ状態を繰り返す病気ですが、うつ状態の期間のほうが長いと言われています。患者さんにとっては、うつ状態はつらいので何とかしたい、治したいと感じます。一方、躁状態は本人にとっては爽快な気分で過ごせることが多いので、これがもともとの自分だと感じられるようです。

そのためうつ状態の時に病院を受診し、躁状態の存在が見過ごされたまま、うつ病として治療を受け続けるケースが多いのです。こうして、きちんと双極性障害と診断がつくまでに時間がかかってしまうことがあります。

・躁状態にも危険が潜んでいる

躁状態の時は気分がいいのですが、その高揚した気分に任せて不動産などの高額な買い物をしてしまい、あとで取り返しのつかない事態になることがあります。うつ状態になった時に後悔や罪悪感が高まって、自殺のリスクが高まることがあります。このような危険があるため、

・双極性障害と正しく診断されること
・自分の状態が躁状態だと気付くこと
・躁状態のままに行動してしまわないこと

などが大切だと言えます。

気分障害を改善するポイント

・双極性障害と診断れたら…

双極性障害と診断されると、どのような治療がなされるのでしょうか。

双極性障害の治療では、薬物療法、つまりお薬をきちんと飲むことが大切です。うつ病とは異なり、抗うつ薬の使用は慎重に行い、気分安定薬と呼ばれるお薬がメインで使われます。

また、心理教育と言って、自分の病気を正しく理解するための勉強も欠かせません。

双極性障害の人は、うつ状態も躁状態もなるべく繰り返さないことが大切です。そのためには、自分がうつ状態や躁状態になるときの前兆を見逃さないことが大切です。

・気分循環性障害

気分循環性障害とは、大うつ病エピソードでも軽躁病エピソードでもない、慢性的な気分の波がある疾患です。下のイメージ図を見てください。正常ラインより落ち込んだり、気分が高揚したりするのですが、波の振れ幅は双極性障害と比べて緩やかです。

こうした気分の波が少なくとも2年間続いていると、気分循環性障害と診断される可能性があります。

気分循環性障害のイメージ図

気分障害「新たな疾患」とは?

アメリカ精神医学会が出している最新の診断基準、DSM-5には、うつ病に関連する疾患として、「重篤気分調節症」「月経前不快気分症」なども記載されています。

・重篤気分調節症
12歳までの子どもに診断されます。気分の調整がうまくできず、突発的に激怒する癇癪(かんしゃく)発作を起こしたり、持続的にいらいらしたりします。

・月経前不快気分障害
月経がはじまる前の時期に、著しい情緒不安定やいらいら、抑うつ感といった症状が出現します。月経がはじまって少しすると、これらの症状は収まります。

また、DSM-IVやDSM-5には載っていませんが、「新型うつ病」と呼ばれるうつ病もあるとされています。

・新型うつ病
うつ病と診断されて会社を休職しているものの、趣味や楽しみには参加できる人のことを指します。休職中に海外旅行やスキーに行くなどするのです。新型うつ病は従来型のうつ病と比べて、怠けているといった印象を与えかねませんが、背景に様々な要因がある複雑な病態である可能性が指摘されています。

気分障害の治療法

ここからは、気分障害の治療について、具体的な方法をご紹介します。

気分障害といっても、これまでに見てきたように、様々な状態がありえます。置かれている状態によって、治療法が異なる場合があります。 以下に簡単に大まかな治療の方針を挙げます。

うつ状態と(軽)躁状態の治療の違い

うつ状態
なにより休養を取ること、きちんと服薬することが大切です。これらを遵守するために、仕事を休んだり、家事の負担を減らしたりする、環境調整が必要な場合もあります。

(軽)躁状態
きちんと服薬すること、自分が(軽)躁状態であると正しく認識することが大切です。心理教育といって、双極性障害という疾患について学ぶことも重要になってきます。

ここからは、うつ状態の時の考え方に有効な“ストレングスコラム法”、うつ状態と(軽)躁状態に有効な “対人関係療法”をご紹介します。

・ストレングスコラム法

ストレングスコラム法とは、山本(2014)が開発したもので、認知行動療法のコラム法を活用し、自分の強みを再発見するための方法です。※コラム法はこちらコラムでも解説しています。

認知行動療法のコラム法とは、落ち込みなどの不快な気分に陥った時に、以下の項目を埋めていく方法です

気分障害とコラム法

「出来事」「気分(その時の気分とその強さ)」「自動思考(その時に浮かんだ考えやイメージ)」「根拠(自動思考の根拠となる事実)」「反証(他の考え方や事実がないかを挙げる)」「適応的思考」、そして「気分(コラム法で考えを整理した後の気分とその強さ)」の7項目です。

うつ病の治療でこのコラム法が使われることがあります。これらの項目を埋めることで、不快な気分を軽くしたり、別の考え方で改めて状況を再認識したりできます。

このコラム法を改変したストレングスコラム法では、次のようになります。

コラム法の記入例

お分かりいただけますでしょうか?反証のところが、“ストレングスの反証”となっています。

具体的には、
「(でも)…はよかった」
「(でも)…はしている/できた」
「…は前よりちょっとはよくなっている」
「(でも)…はある/いる」
「…力はある」
「(でも)…は好き」
「したい/なりたい」
「…はできそう」

といった項目を埋めるようにできていますね。これらを埋めることによって、気分が落ち込んでいても、自分の強みは何かを再確認することができるようになるのです。

ひとりでコラム法を埋めていても、なかなか違った考え方(コラム法でいうところの反証)を見つけ出すのは難しいものです。一方、ストレングスコラム法では、自分の強みとして何があるかを中心に考えを整理するのに役立ちます。結果として、“何とか乗り越えられるかもしれない”“もう少し頑張ってみよう”などとポジティブな気持ちが出てくるといいですよね。

・対人関係療法

対人関係療法とは、うつ病の治療法として開発された精神療法の一種です。現在はそのほかの精神疾患、たとえば双極性障害の治療にも応用されていますので、ここでご紹介します。

対人関係療法では、身近な対人関係が病気の症状に影響を与え、また病気の症状が身近な対人関係に影響する、と考えます。そこで、“現在の”対人関係にターゲットを絞って、カウンセラーと具体的な話をしていきます。いつ、誰とどんな会話をして、どんな気持ちになったか、症状は変化したか、などです。

ここで、対人関係療法に関する海外の研究結果を見てみましょう。双極性障害のうつ状態の患者に対して、対人関係療法などの心理社会的な治療を受けた群と心理教育を受けた群の1年後のうつ状態からの回復者数を確認しました。心理教育とは、疾患について知識を身につけることを言います。

その結果、対人関係療法などの心理社会的治療を受けた群では、163名中、105名が回復しました(64.4%)。心理教育を受けた群(130名中、67名が回復(51.5%))よりも統計学的に有意に回復した人が多かったと言えます。

このように、対人関係療法といった周囲の対人関係に焦点を当てた治療は、双極性障害のうつ状態の回復に役立つと考えられます。

現在、日本では、対人関係療法を受けられる施設はごく限られているのが現状です。それでもここで紹介したのは、うつ病や双極性障害の患者さんと患者さんを支える身近な人たちへのヒントがあるからです。それは、患者さんも家族が一丸となって、うつ状態に立ち向かう姿勢が重視されている点にあります。

細かな理論的な背景についてはここでは省きますが、自分自身や家族、知人がうつ病や双極性障害かもしれない、と感じたら、精神科などの病院にかかるか心の専門家に相談してみましょう。

・精神科を受診してみよう

もしご自身や身の回りの人が気分障害なのではないかと思ったら、精神科を受診することを考えましょう。気分が改善して落ち着くまでは定期的に通うことになるので、自宅や会社から通いやすいクリ

気分障害かも?専門医を受診

ニックや病院を探し、予約を取ります。初診は電話で予約する形をとっているクリニックや病院が多いようです。

精神科では、問診票に記入する内容がたくさんありますから、初診の時は予約時間よりやや早めにクリニックに着くようにします。記入する内容としては、主訴(何を相談しに来たのか)、原因として考えられるストレス因はあるか、職業、家族構成、自分の性格などがあります。

場合によっては、予診といって、医師による診察の前にどういった相談内容で来院したのかを聞かれることがあります。精神科の診察では、医師との会話が大切です。また、その他にも、心理検査や脳の検査(脳波やCT、MRIなど)が行われることがあります。

初診の時点で診断名がつく場合もありますが、診断が決まるまでに時間がかかる場合もあります。そうした場合にも、根気強く受診を続けましょう。

気分障害の特徴や症状を知ろう

気分障害とは、うつ病と躁うつ病などを総称した言葉です。アメリカ精神医学会が出した最新の診断基準では、うつ病と躁うつ病とはそれぞれ異なる分類に分けられ、気分障害という用語は使われていません。しかし、このコラムでは、それ以前の診断基準で使われていた、うつ病と躁うつ病とを合わせた名称、気分障害について解説しました。

気分障害のうち、うつ病は生涯に9%近くの人が罹患する恐れがある病気です。罹患した人だけでなく、その周囲の人にも影響を及ぼし、経済的な損失も莫大です。このことから、うつ病に関して知っておくことは大切といえます。うつ病は脳の神経伝達物質の働きがうまくいかなくなった状態であると考えられています。落ち込みや興味関心の喪失などの精神症状のほか、不眠または過眠、食欲不振または食欲増進などの身体症状も現れます。

気分障害の症状気分障害のうち、躁うつ病は正式な診断名を双極性障害といいます。双極I型障害と双極II型障害とがあり、躁病エピソードが1週間続いたか、4日間続いたかの違いがありました。躁状態とうつ状態を繰り返す病気ですが、躁状態の存在に気づかれず、うつ病として治療されているケースもあります。躁状態を見逃さずに正しい診断を受けることが大切です。

他にも、気分障害には、気分変調性障害や気分循環性障害も含まれていて、それぞれ、軽いが慢性的なうつ状態が続く、軽いが慢性的なうつ状態と躁状態を繰り返す病気でした。

・専門家の講義を受けたい方へ

最後に、これまで「気分障害」コラムにお付き合いしていただき、ありがとうございました!気分障害かなと思ったら、まずは精神科を受診することが第一です。お薬による治療、認知行動療法や対人関係療法などのカウンセリング、疾病について勉強する心理教育などの治療法があります。

そして、専門家から直接学びたい!という方は良かったら私たち臨床心理士・精神保健福祉士が開催している、コミュニケーション講座への参加をおススメしています。コラムだけでは伝えきれない知識や実践的なワークを進めています。みなさんのコミュニケーション能力が向上するよう、講師も一緒に頑張ります!よかったらいらっしゃってくださいね(^^)

★気分障害の症状や診断基準を理解しよう!
心理学講座

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・引用文献
川上憲人(2006)こころの健康についての疫学調査に関する研究. https://www.khj-h.com/wp/wp-content/uploads/2018/05/soukatuhoukoku19.pdf
厚生労働省 知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス総合サイト 双極性障害(躁うつ病) https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_bipolar.html
Miklowitz, D. J., et al. (2007) Psychosocial Treatments for Bipolar Depression: A 1-Year Randomized Trial From the Systematic Treatment Enhancement Program. Arch Gen Psychiatry, 64(4), 419–426.
佐渡充洋(2014)うつ病による社会的損失はどの程度になるのか?-うつ病の疾病費用研究-. 精神神経学雑誌, 116 (2), 107-115.
Stewart, W. F., Ricci, J. A., Chee, E., et al.(2003)Cost of Lost Productive Work Time Among US Workers With Depression. JAMA, 289(23), 3135-3144. doi:10.1001/jama.289.23.3135.
高橋三郎・大野裕・染矢俊幸訳(2002)DSM-IV-TR精神疾患の分類と診断の手引き. 医学書院.
高橋三郎・大野裕監訳(2014)DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル. 医学書院.
山本眞利子(2014)ポジティブサイコロジーとストレングス(強み)の認知行動療法-ストレングスコラム法の実践的試み-. 久留米大学心理学研究, 13, 95-105.