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愛着障害の対策!子ども,幼児の保育・治療について

愛着障害入門②子ども,幼児の保育・治療についての対策

コラム①では、愛着障害について概観していきました。今回は「②子供の愛着障害について保育・治療」について解説していきます。具体的には

1,抱っこ大作戦
2,無条件の肯定作戦
3,夫婦関係を円満
4,お互いに成長
5,自分の愛着障害と向き合う

という5つのやり方を提案させて頂きます。実は筆者の私も、4歳、3歳、1歳の子育て期間中です。公認心理師の私自身も心がけていることです。よかったら参考にしてみてくださいね。

子どもの愛着障害①抱っこ大作戦

1つ目は抱っこ大作戦です。情緒的な結びつきは抱っこ抜きでは語れないほど重要です。

赤ちゃんの心拍数は、安静時の心拍数は1分間に大体140 回です。心拍数は、正常な人でも呼吸や環境の変化、気分などにより多少変動します。

そのため、古くから心身の緊張状態やストレス状態の指標にも使われてきました。

抱っこと心拍数の変化

ここで赤ちゃんを抱っこするとどれぐらいリラックスするのか?研究データを見ていきましょう。

愛着障害 治し方

Esposito(2013)は生後6か月の子どもを持つ母親13組を対象に研究を行いました。

具体的には母親が赤ちゃんを腕に抱いて約30秒ごとに「座る・立って歩く」という動作を繰り返し、心拍数を測定しました。その結果を以下に図示します。

赤ちゃんをだっこ

母親が歩いている時は、座っている時に比べて赤ちゃんの心拍数が約10分の1に、歩き始めて約3秒程度で顕著に低下することを見いだしました。興奮状態からリラックス状態に変化していると言えます。

抱っこは癇癪に有効

次に自発的な動きを見ていきましょう。自発的な動きとは、遊び、観察歩行、癇癪などが挙げられます。

愛着障害 母親

この図からもわかるように抱っこをして5分程度歩くと、自発的な動きが約5分の1に減少することを証明しました。

心拍数や自発的な動きが減少するということは赤ちゃんがリラックスしたという証拠です。この結果から赤ちゃんが泣いたときに抱いて5分間歩くことがおすすめできます。

統計的な根拠をお伝えしてきましたが、抱っこの重要性は私たちは直感的に充分すぎるほど理解していると思います。

特に幼少期は、たくさん抱っこをしてお出かけしたり、スキンシップをするように心がけましょう。

子どもの愛着障害②無条件の肯定

ストロークとは何か?

2つ目に無条件の肯定作戦をお伝えします。心理療法の1つにストロークという概念を紹介します。ストロークとは「人との関わり方」を意味します。あいまいな概念なので、解説を読みながら感覚をつかんで頂けると幸いです。

ストロークは

条件付き肯定的ストローク」
無条件の肯定的ストローク」

の2つに分けられます。まずは「条件付きストローク」について説明します。条件付きの肯定的ストロークの例を挙げます。

・泣き止んだから褒める
・片づけをしから褒める
・おしっこをトイレでしたことを褒める

これらはすべて「条件付き」ストロークですね。条件付きでも肯定的ストロークは嬉しいものです。褒められるポイントがある場合は相手に伝えましょう。

条件つきは不安-無条件は安心

しかし、条件付きにはデメリットがあります。それは

「条件付きのストロークは真の安心は得られない」

という点です。例えば、トイレでおしっこをしたときだけ抱っこをして、トイレでおしっこをしなかったときに抱っこをしなかったとしたら、子どもは「おしっこができない僕は愛されていないのかも・・・」と感じとってしまうかもしれません。

少々極端な例ですが、〇〇したから褒めてくれる…という行動が多いと、子供は本当の意味での安心を得ることができないのです。
孤独になるのなせ

これに対して「無条件の肯定的ストローク」は存在自体を肯定するため、「僕はここにいていいんだ」という感覚を育てることができます。無条件の肯定的ストロークには条件が不要です。

「どんな時でもあなたと私は肯定されている」

という感覚です。どんな時でも・・・というのがカギですね。何か特別なことしなくても良いのです。〇〇だから・・△△だから・・・という理由はいらないのです。

無条件に「人と自分は同じく愛される存在だ」という気持ちを育てることが愛着障害を予防してくれます。

愛着と指しゃぶり

ここで典型的な無条件のストロークと条件付きのストロークを列挙してみます。参考にしてみてください

・感謝
小さなことでも
ありがとうと伝える

・存在の肯定
抱きしめる
うなづく
だっこ

・非言語の褒める態度
微笑む
相手の目を見る
二の腕に触れる

・傾聴態度
論理的に正しくなくても
相手の話をひとまず聞く
相手の話を受け止める

・価値観の尊重
頭ごなしに否定しない
なるほど〇〇という考えがあるのか
あなたはそう感じているのね。

・条件つき感謝
おかたずけをうまくできたときだけ感謝する
何もしてくれない時は感謝しない

・条件付き存在の肯定
ちゃんと着替えられた時だけ
ニコニコ接する
日によって反応が変わる

・条件つき非言語
手伝ってくれた時だけ頭をなでる
勉強した時だけ目を見る

・傾聴態度
論理的に正しいことだけ肯定する
間違っていたらすべて否定

・価値観の尊重
相手の考えを尊重しない
論理的な正しさのみ肯定する

このように無条件のストロークは懐が深く、条件付きのストロークは狭く、愛着障害になりやすいと抑えておきましょう。

対策③夫婦円満がカギ

夫婦関係と子供の抑うつ

菅原ら(2002)の研究では、1360名の母親を対象に夫婦関係が子どものメンタルヘルスにどのような影響を与えるか調査をしました。

その結果、上図のように「父親と母親がお互いに愛情を持っている」場合、家族の雰囲気がよくなり、子どもの抑うつ傾向が低くなることが分かっています。

また、母親が父親に対して愛情を持っていると、子どもに対しても暖かく接することができ、その暖かさが子どもの抑うつ傾向を下げるのです。

このように、夫婦関係によって子どもの精神的な安定がが左右されてしまいます。夫婦の安定は、子供の精神の安定と考えていきましょう。

対策④親子で成長

試行錯誤の重要性

親になると、子供とじゃれ合ったり、抱っこする機会がたくさんあります。ただ最初の方はうまく、抱っこできなかったり、うまくじゃれ合うことができなかったりします。

なんとなく居心地が悪いと赤ちゃんは泣いたりしますよね。この時、親と赤ちゃんは、無意識のうちにお互いが試行錯誤を始めます。赤ちゃんは体を揺らし、親は重心をずらしたりします。

この試行錯誤をすることで、安心した状態を2人で追及していくのです。そうしてある時、お互いの努力が実り、心地よい体の感覚を得ることができて、赤ちゃんは泣き止みます。

この共同作業によって安心した位置を獲得できると、私たちはお互い信頼できる・・・という基本的信頼感を築くことができます。

輸送反応とリラックス

Esposito(2013)はマウスを使った子育ての実験を行っています。ほ乳類が子育てをするときによく見られる行動に、口で子どもを加えて運ぶ「輸送反応」があります。

この動きを実験者がまねて、子供マウスの首の後ろをつまむと、マウスは体を丸めて、運びやすくなる姿勢をとるのです。

親が運びやすいように子どもが子育てに協力している表れだと解釈しています。この時、子供マウスは心拍数の低下がが見られ、リラックスしていることがわかりました。

しっかり体を丸めるには子どもも練習が必要で親が何度も運んでくれるに従って上手く体を丸めて運ばれる姿勢を取れるようになるということです。つまり、子育てが上手くいくには、親も子も反復的な練習をして上手く

「育てる」
「育てられる」

ということをお互い行うことで、信頼関係の源を作り上げていくのです。

愛着障害 予防

対策⑤自分の愛着障害を治す

愛着障害は基本的には幼児向けの障害です。大人になってから診断を受けることはありません。しかし、心理学の世界では子供の頃の養育環境が大人になっても影響することがわかっています。

この点、世代間で同じような養育スタイルをとってしまうことがあります。もしご両親の養育環境に問題があったかもしれないと感じる方は、コラム③を参考にしてみてください。

愛着障害の克服法!大人の愛着障害はどうやって治療する?入門③

子どもの愛着障害への対策まとめ

今回は子供の愛着障害について対策をお伝えしました。

・抱っこをたくさんする
・無条件の肯定をたくさんする
・夫婦関係を大事にする
・親も未完成,一緒に成長する
・自分の愛着不安を改善

この5つを守ればきっとお子様はすくすくと健康な心をもって育っていくと思います(^^)私も子育て頑張ります!!

幼少期に愛を注ごう

小さい子どもの頃からを思い返すと、親との間で愛着関係が育まれてきました。「わがままを聞いてもらった」「泣いたときにあやしてもらった」などの体験は、まさにそれです。

このような体験を通して、幼少期にお母さんと子どもの間での「愛着」が育まれることは、子どもにとって心の支えとなります。つまり愛着体験を積み重ねることで症状を改善していくことができます。良かったら参考にしてみてくださいね(^^)

もし公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元でしっかり心理学を学習したい方場合は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

・心理療法の基礎
・対人不安の改善
・暖かい人間関係を築くコツ
・無条件の肯定のコツ

など練習していきます。興味がある方はお知らせをクリックして頂けると幸いです。お知らせ失礼いたしました。それでは入門③に進みましょう!

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
Esposito, G., Yoshida, S., Ohnishi, R., Tsuneoka, Y., del Carmen Rostagno, M., Yokota, S., … & Venuti, P. (2013). Infant calming responses during maternal carrying in humans and mice. Current Biology23(9), 739-745.

菅原ら(2002)夫婦関係と児童期の子どもの抑うつ傾向との関連より一部改変して掲載教育心理学研究,2002,50,129ー140