>
>
>
燃え尽き症候群の克服法「ソーシャルサポート」を得る⑤

燃え尽き症候群の克服法「ソーシャルサポート」を得る⑤

コラム①では、燃え尽き症候群について概観していきました。重要な要素としては、「①研究事例」「②新たな目標を探す」「③タスクの限界設定」「④サポートを受ける」「⑤運動不足を解消」「⑥医療の力を借りる」の6つでしたね。

今回は、「④サポートを受ける」を解説していきます。

ソーシャルサポートとは

ソーシャルサポートとは、簡単に言うと周囲の人たちから得られる援助のことを意味します。そのサポートは、物質的なものに限らず、たとえば、家族・友人・会社の同僚・専門家の援助、など自分の周囲にある環境の中でサポートしてくれる人やものを意味します。

燃え尽き症候群との関係

実は、ソーシャルサポートが得られると、燃え尽き症候群の予防・改善につながる可能性があります。大坪(2017)は、大学生254名に対して、ソーシャルサポートと心理的な関係について調査を行いました。その結果、家族、大切な人、友人のサポートを受けやすい方は疲労感などの項目においてプラスの関わりがあることがわかりました。

ソーシャルサポート 効果

まずは、家族のサポートから見ていきましょう。上図の(-)マイナスの意味ですが、家族からのサポートが得られやすい方は、特に自立神経症状が低いことがわかりますね。

身体的影響

次に、大切な人のサポートはどうでしょうか。いずれも家族からのサポートほどではないものの、疲労感も自律神経症状も減少していますね。大切な人が近くにいてくれる安心感は、心を安定させてくれるのですね。

ソーシャルサポート 健康

最後に友人のサポートを見てみましょう。こちらは疲労感が大きく減少していることがわかります。燃え尽き症候群で、疲労困憊している方は、友人のサポートを受けるようにすると良いかもしれません。

このように、ソーシャルサポートは複数の人間関係から受けることで、恩恵をもたらします。家族だけ、友人だけなどといった偏りをなくして幅広い人と関われるといいですね。

人とのつながりを大切に

燃え尽き証拠群と「所属」

それでは、燃え尽き症候群を防ぐうえで、どのようにすれば、ソーシャルサポートを受けられるのでしょうか。もっとも王道な方法は「コミュニティへの所属」です。もし以下のような状況にある方は要注意です。

・独り身で話し相手がゼロ
・会話をしない日がある
・家族と会話しない
・事務的な会話がほとんど
 
こうした状況にある方は、ソーシャルサポート不足であると推測されます。

コミュニティの理想の数

ここで、あなたがのコミュニティの数をカウントしましょう。ここで言う”コミュニティ”とは以下のように定義します。

<コミュニティの定義>
①3人以上の集まり

②月1回、1時間以上を集まる
③会話をする時間がある
 
これらを条件を満たすグループに属している場合は1とカウントしてください。

例えば、家族・会社・お店・サークル・大学の同期・幼馴染の集まり・PTA・学生は学校の友達や部活・SNSの定期的なオフ会などですね。

コミュニティに所属している数は何個?

あなたが所属しているコミュティはいくつありますか?

最低3つ・理想は5つ以上

あなたが所属しているコミュニティはいくつでしたか?もしあなたが所属しているコミュニティが5つ以上であれば、満足でしょう。燃え尽き症候群になりにくい環境にあると言えます。

5個以上の方:青色信号
3~4個の方 :黄色信号
2個以下の方:赤色信号

と考えると良いと思います。

コミュニティは3か所あれば、1か所でトラブルが発生しても、他の2か所でサポートが効きます。しかし、2か所のみですと、1か所のミスが大きすぎるため、依存的になりやすく、人間関係の問題が深刻化しやすくなります。そのため、少なくても3か所のコミュニティへの所属をオススメしています。

燃え尽き症候群を乗り越えよう

ここまで見てきたようにソーシャルサポートは、燃え尽き症候群の予防・改善に役に立ちます。やる気が起きない、疲れを感じる…という方は、身近な方に相談を持ち掛けてみましょう。ただ、1つの関係だけからサポートを得ると、だんだん依存する状態になってしまうのでなるべく3つ以上の関係からソーシャルサポートが得られるように環境を整えておきましょう。少しずつ相談できる人が増やせるといいですね。

次回は、運動不足を解消について解説していきます。お楽しみに!

★ソーシャルサポートで燃え尽き症候群を乗り越えよう
 
人間関係講座

目次

①燃え尽き症候群‐概観
②バーンアウト研究事例
③「新たな目標を探そう」
④「限界設定」で適度な努力
⑤「ソーシャルサポート」
⑥「運動不足」を解消しよう
⑦「医療の力」を借りよう

助け合い掲示板

コメントを残す

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


ブログ→
YouTube→
Twitter→

出典・参考文献
大坪岳 追手門学院大学心理学論集;Otemon Gakuin University Psychological Review 2017 青年期のコミュニケーション・スキルとソーシャル・サポートがレジリエンスに及ぼす影響