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認知行動療法の歴史・効果・やり方

認知行動療法の基礎①歴史・効果・やり方

はじめまして!精神保健福祉士の川島です。今回のテーマは「認知行動療法」です。


改善するお悩み
・回避癖がある
・感情がマイナスになる
・衝動的になりやすい

  • 全体の目次
  • 認知行動療法とは?定義・歴史
  • 精神療法
  • 行動療法
  • 認知療法
  • マインドフルネス
  • 助け合い掲示板

本コラムは①~④までの4部構成です。コラム①では、歴史や効果についてお伝えします。最後まで見て頂くと悩みの整理がしやすくなると思います。是非参考にしてみてください。

もしお役に立てたなら、初学者向け心理学講座でもぜひお待ちしています。

認知行動療法とは?定義・歴史

定義

認知行動療法は、心理学辞典(2013)で以下のように定義されています。

認知療法や行動療法に由来する治療テクニックに統合した心理療法のことで、クライエントの不適応的な思考プロセスや問題行動の特定および修正に焦点をあてた療法(一部簡略化)。

認知行動療法(=Cognitive behavioral therapy)は、CBTと略されて使われることがあります。

歴史

認知行動療法を学ぶうえで、心理療法の歴史を知っておくことが大切です。

・精神分析のはじまり
心理療法の第一人者となる精神科医のジークムント・フロイトが、精神分析療法を提唱します。

精神分析を提唱したフロイト

出典:wikipedia

この療法は、人の心の内面を「全体図」を示した理論です。当時は画期的な療法で、後の心理療法に絶大な影響を与えました。

心の問題を扱いやすくしてくれた療法ですが、目に見えない内面に焦点を当てるため、検証できないという問題がありました。

行動療法の登場

行動療法は、フロイトの考え方を猛批判したドイツの心理学者ハンス・アイゼンクが提唱した療法です。

行動療法を提唱したハンスアイゼンク

出典:wikipedia

アイゼンクは、実証可能な方法で心の問題を検証することを重視しました。そこで、目に見える「行動」に着目したのが行動療法の始まりです。

結果が分かりやすい療法ですが、心の内面に焦点を当てないため、本質的な解決につながらないという問題もあります。

・認知療法の登場

論理療法を提唱したアルバート・エリスとアメリカの精神医学科医アーロン・ベックによって認知療法が提唱されます。

論理療法は、心の問題は出来事ではなく、出来事の受け取り方(認知)で変わるとした理論です。思考がネガティブになった時には、自分の考えを検討することで思考を改善できるとしています。

エリスの論理療法に、スキーマーの概念をプラスしたのが、ベックの認知療法です。

ベックは、解釈の根底にある思考(=スキーマー)が、出来事の捉え方に大きく影響しているとしています。

シンプルで進めやすい療法ですが、ネガティブな感情をなくす姿勢があるため、症状を悪化させてしまうこともあります。

・マインドフルネスの導入

東洋の瞑想からヒントを得て開発されたマインドフル療法が、ジョン・カバット・ジンによって提唱されます。

出典:wikipedia

この療法は、“いまこの瞬間”に意識を向け、知覚、思考、感情、行動の、あるがままを観察する方法です。

今ここに重点を置くため、未来や過去に対する不安が軽減され、ストレス耐性の向上が図れるとされています。

治療法の特徴とメリット・デメリット

認知行動療法で使われる療法には、それぞれ特徴があります。またメリットやデメリットもあるため、理解しておきましょう。

精神分析の特徴

精神分析では、心の全体図を以下のように表しています。超自我はルール、イドは欲望と捉えてください。

精神分析の全体図

出典:wikipedia

私たちの心は、ルールと欲望に揺れ動かされその感情を自我がコントロールしているのです。

たとえば、ルールを守りすぎると欲望を素直に表現できません。このような場合は、ルールを減らして欲望を増やすことで、症状の軽減を目指すのが精神分析です。

精神分析は、不安障害やうつ病、強迫性障害などに効果が期待できる療法です。加えて、パーソナリティ障害などさまざまな心の病気の治療にも用いられています。

行動療法の特徴

不安や恐怖に向かって「行動」することで克服を目指す方法です。

行動療法の基本はスモールステップです。小さな目標をたて、成果を積み重ねていくなかで大きな目標を達成したり、自信をつけていきます。行動療法の特徴とメリットデメリット

メリット
・回避癖に効果
・成果を把握しやすい

人前に立てないなど、不安な場面を避けてしまいがちな人に効果がある療法をされています。

また、できたかできないかのが分かりやすいため、成果を積み重ねて自信につなげることができます。

デメリット
・ハトやねずみ
・心の問題に焦点を当てない

実験の基礎がハトやねずみのため、人間への効果に不安が残ります。加えて、心の問題に焦点を当てないため、内面の改善ができない点もデメリットと言えるでしょう。

行動療法は、次のような悩みが改善できます。
・回避癖がある
・消極的になってしまう
・先延ばししがち
詳しい解説は以下のURLからご覧ください
認知行動療法の基礎③行動療法の基礎・やり方、積極的になるコツ

認知療法の特徴

認知療法は、起こった出来事に対してどう反応するかに関して焦点を当てた療法です。基本モデルは、以下の通りです。

認知療法の基本モデル

私たちは出来事に対して、「出来事」→「思考」→「感情」の段階で進みます。感情は出来事が生み出すのではなく、思考が感情を生み出すというのが基本的な考えです。

たとえば、ゼミ旅行の行き先が、海に決まったとします。

海に行く(出来事)に対して、「日焼けする(思考)」と考えれば、ネガティブな気持ち(感情)になるでしょう。

一方で「みんなで遊べて楽しそう(思考)」と思えばプラスの感情になります。

認知療法の具体例

出来事によって、人それぞれで感じたり考えたりすることは当然違います。そのため、同じ出来事でも感情が人ぞれそれ異なるのです。

メリット
・わかりやすい
・エビデンスが豊富

認知療法は、シンプルなため比較的進めやすい療法です。加えて、多くの研究があるため実証性が高い療法としいわれています。

デメリット
・排除思考
・再発する

基本的な考え方に、ネガティブな感情をなくそうという姿勢があります。

負の感情とはいえ意味があるものです。そのため、なくすことで、症状を悪化させてしまうことがあります。

また、療法を継続しないと再発する可能性が高くなります。うつ病の場合、2年後の再発率が高いといわれている点はデメリットと言えるでしょう。

認知行動療法は、次のような悩みが改善できます。
・落ち込みやすい
・悲しい気持ちになる
・緊張しやすい
詳しい解説は以下のURLからご覧ください。
認知行動療法の基礎②認知療法・論理療法のやり方

マインドフルネス療法の特徴

マインドフルネス療法では、今にこだわって自分の心の状態を確認してただ見つめます。

そして、すべてのことを受け入れ、恐怖、怒り、悲しみ、気持ちがいい、痛いなどの感覚とうまく付き合う方法です。

たとえば、不安な気持ちがあれば、今自分は不安なんだなとただ眺めます。

マインドフルネス療法の例マインドフルネスができるようになると、感情に振り回されることがなくなり冷静に行動ができるようになります。

メリット
・再発率低下
・東洋的思想
・いまここ力UP

感情コントロールしやすくなるため、うつ病など再発率が低いとされています。また、東洋的な思考のため、日本人はなじみやすい思考といえます。

マインドフルネス療法で今ここ力がUPすると、将来や過去に視点が行きにくくなるため、悲観的な考えになりやすい人には特に効果が期待できる療法と言えます。

デメリット
・副作用研究が少ない
・抽象度が高い
・練習がいる

副作用の研究が少ないため、完成度が低い療法といえます。また見えない部分での検証になるため、抽象的でできたかできないかが分かりにくい点がデメリットと言えます。

認知行動療法は、次のような悩みが改善できます。
・感情コントロールが苦手
・落ち込むと立ち直れない
・集中力がない
詳しい解説は以下のURLからご覧ください。
認知行動療法の基礎④ マインドフルネス療法の効果とやり方

認知行動療法の症状-まとめ

動画解説もあります。気に入って頂いたらチャンネル登録を頂けると励みになります。

まとめ

認知療法の特徴とどのような対象におすすめかをまとめました。

認知行動療法の種類と特徴、対象のまとめ

行動療法は、結果が分かりやすくスキルを学ぶことができるため、スキル不足で会話が苦手な人や回避癖がある人におすすめの療法です。

認知療法は、考え方を増やすことで心理面の安定が図れます。感情がマイナスになりやすい人や考え方が偏りがちな人におすすめです。

そしてマインドフルネス療法は、今ここに重点を置き目的本位の行動ができるようになります。衝動的で感情に巻き込まれやすい人におすすめです。

認知行動療法は、しっかりと学習と生涯にわたってプラスになる場面が増えると思います。

4部構成で少し長丁場になりますが、じっくり学んでみてください。次回は、認知療法を解説します。

助け合い掲示板の活用

ページ下部には助け合い掲示板があります。当コラムは心理面で悩みを持つ考え方が多く集います。お互いの悩みや経験談など相談してみましょう。*お互いを思いやったご投稿をよろしくお願いします。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・引用文献
・ファンデンボス,G.R.(2013)APA 心理学大辞典,684