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コンプレックスを持つ心理学的な4つの理由③

コンプレックスを持つ心理学的な4つの理由③

コラム②ではコンプレックスには悪玉と善玉があるとお伝えしました。善玉であれば自分を前向きな努力へと向かわせるモチベーションになることがあるため気にする必要がはありません。しかし、コンプレックスは悪玉になることが多く、ネガティブな考えを引き起こす可能性があります。

①受容感の不足

コンプレックスはなぜ悪玉になることがあるのでしょうか?いくつか論文を紹介します。

「私はあの子と比べて可愛くない…」
「もっと痩せなければ…」

といった容姿コンプレックスが過剰にあると、整形手術を繰り返したり、無茶なダイエットを繰り返すことがあります。度を超えると身体醜形障害や摂食障害と言われるような精神科の病気になってしまう事があります。

コンプレックスがもたらす2つの問題とは

大鷹ら(2011)の研究では、大学生を対象にアンケート調査を実施し、「自分の体が醜いと感じる」イメージは、「誰かに受けら入れられている体験の不足」と関連していると報告されています。人は誰かに受け入れられている感覚があると自己肯定感を育てることができます。

今の自分がOKであるという感覚がある方は、無理に自分を変えようとしないのです。整形手術を繰り返す方は、裏を返すと「受け入れられている体験の不足」「自己肯定感の不足」から生じるのかもしれません。受容感を回復するには、自分自身を褒める習慣をつけたり、重要な他者との暖かい関係が大事になります。

②他人の評価を過度に気にする

清水ら(2008)は、大学生595名にアンケートを実施して、「他人の評価」と「自己肯定感」について分析を行っています。結果は以下の通りです。

・他者の評価で自己肯定感が決まる群
精神的健康を乱す心理的問題が大きい

・他者の評価に影響を受けにくい群
→精神的に健康度が高い、心理的問題小さい

皆さんは他人の評価に自己肯定感が左右されるでしょうか?それとも人の評価にはそこまで左右されずちゃんと自信をもって行動ができそうでしょうか。

人の評価を気にする方は、自分について欠点ばかり注目するという状態なので、どんどん自分がダメなような気がしていまいます。他人の評価を気にせず、自分のやりたいことを大事に生きていく心を育てていくことが大事になります。

③ネガティブな反芻

また、「嫌な考えを繰り返してしまう」「後悔の念が頭の中でぐるぐる回っている」といった状態は、コンプレックスと近い劣等感につながることが分かっています(森津2007)。この思考のクセを「ネガティブな反すう」と呼ばれており、ネガティブな思考を頭の中で何度も考えることで、劣等感を感じやすく、その結果として、自信を失ってしまいます(図1)。

ネガティブ反芻が強い方は、リフレーミングなどを行い、意図的に思考の癖を改善していくと効果的です。

④孤独がコンプレックスを生み出す

落合(1985)が、若者を対象に生活感情について調査を行ったところ、劣等感と、「孤独感」「疎外感」「自己嫌悪感」に深い関わりがあることがわかりました。

つまり、孤独になるほど、周囲からのサポートが減り、自尊心が持てなくなってしまいます。その結果、劣等感を抱きやすくなると考えられます。

劣等感は他人から見れば、どうということもないことが多く、そういったフィードバックを得られず、劣等感を思い込みで強化してしまうこともあります。コンプレックスを抱えたら適度に自己開示をして、様々な考えに触れることも大事になります。

★コンプレックスの4つの理由を踏まえて原因を特定しよう!

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目次

①克服する4つの方法-専門家が解説
②コンプレックスの意味と種類
③コンプレックスを持つ心理学的な理由
④克服方法「リフレーミング」
⑤克服方法「私的自己意識」
⑥コンプレックスを克服する本棚セラピー
⑦心の防衛機制「昇華」とは
⑧診断で自分の状態を確かめよう

 

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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出典・参考文献
清水健司・川邉浩史・海塚敏郎(2008)対人恐怖心性-自己愛傾向2次元モデルにおける性格特性と精神的健
康との関連 第16巻 3号 350-362
森津(2007)学生のネガティブ反すうと性格特性および自尊心との関係 国際研究論叢 20(2):67-70
大鷹円美・浅川紗央里・菅原正和(2011)内的作業モデルが身体醜形イメージに与える影響 第10号 149-155