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コンプレックスを強みに変える心の防衛機制「昇華」とは⑦

コンプレックスを強みに変える心の防衛機制「昇華」とは⑦

コラム⑥では、コンプレックスを和らげる「本棚セラピー」の対処法をご紹介しました。自分の内面を客観視して悪循環を断ち切るきっかけにしてくださいね。今回は、「昇華でコンプレックスを活かす」方法について解説していきます。

*監修の川島(精神保健福祉士)が動画でも解説しています。
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昇華は高度な防衛機制

防衛機制とは受け入れらない現実に直面したときに、その不安を和らげようとする無意識の心理的なメカニズムのことを言います。防衛機制には多くバリュエーションがありますが、その一つに「昇華」という防衛機制があります。 

・劣等感は自分を助ける
コンプレックスと近い概念の「劣等感」を最初に発見したアドラーは、劣等感をプラスに捉えていたようでした。なぜなら劣等感は、行動する上でのやる気に繋がるからです。例えば、身長変えることができないので、受け入れることも大事です。また、身長が低いこと自体は克服できないけれど、他の部分で成功して自分なりに社会的に認められるよう!と言うモチベーションにつながります。

昇華とは、このようにネガティブな気持ちを活かし、社会のためになるような自己実現の活力に変えてしまうことを意味します。

例えば以下のようにコンプレックスを強みに変えることができます。
・よく上司に怒られる  ⇒劣等感をバネにミスしない努力をする
・元引きこもりニート  ⇒その経験を生かして支援活動
・彼女が全くできない  ⇒女の子と話す機会を増やす

こうした昇華は防衛機制の中でも高次な防衛機制とされています。防衛機制には、Vaillantの分類によると、レベル1からレベル4まであるとされています。下記の図のように「昇華」はレベル4の「成熟した防衛」に分類されます。こうした高度な防衛機制である昇華に上手く活用していくと、コンプレックスを前向きな力に変えることができるのです。劣等感は昇華して将来のエネルギーに変換すると効果的です。

劣等感

一方で、コンプレックスを認めないことは、低次な防衛機制のレベルにあり、ものごとを良い/悪いの2つに分裂させて考えてしまいます。そして、良いことだけに目を向けるようにし、悪いことはできるだけは頭の中から排除しようとします。しかし、悪いことは完全にはデリートされず、無意識の中に心の底に留まりつづけます。一時的には気分はよくなっても、雪だるま式に溜まっていき、いずれ健康に害が出るなどの形で表出されるのです。

コンプレックスは「昇華」で自分の力に

ここでヨシオさんの事例をご紹介しましょう。

ヨシオさんは、大学受験で第一志望校に落ちてしまい、それがきっかけでひどい劣等感に襲われていました。友人は全員、第一志望で合格しているのに自分だけ受からなかったと落ち込んでしまっています。食欲もなく、涙が止まりませんでした。その姿をみて親御さんの勧めで、カウンセリングを受け、ヨシオさんを「昇華」させるを試みを行いました。

まず
「突然ですが、その劣等感を糧にした場合
 今から1年後はどうなっていそうですか?」
と質問しました。

すると、ヨシオさんは
「えっ、悔しいから勉強している」
と答えました。

次に
「じゃあ、その
 5年後はどうなっていますか?」

と質問したところ、

「大学生活を送っている。勉強したぶんもっと良い大学に入れるかも」

とポジティブに答えました。ヨシオさんのように、劣等感が強い状態であっても、昇華を用いることで未来志向の考え方に変換することができます。では、実際にどのような手順で未来イメージ技法を行うのかを見ていきましょう!

後悔しない・しにくくなる方法の練習問題

昇華で劣等感を力に変える3ステップ

ここでコンプレックスを力に変える昇華の手順をご紹介します。ひとりで実践する場合には、自分の考えを紙に書きだします。どんなものでも構いませんので、書くものを用意しましょう。

①コンプレックスの内容を書き出す
何に劣等感を感じているか短い文章でメモに書きます。

例:
⇒「自分は周りよりも仕事が遅い」

②プラスの行動に変えるには
コンプレックスを持っているからこそできることを考えてみましょう。そして1年後自分はどうなっているかをイメージし、単語でも文章でもOKなので、紙に書いていきましょう。

例:
⇒「作業が遅い分、仕事の質にこだわろう。スピードは後からついてくる」

③昇華できたとき、5年後を想像する
最後に、これを続けたら5年後の自分は何に取り組んでいるかイメージしてみましょう。先のことすぎてハッキリと浮かばない場合には無理をしないで構いません。

例:
⇒「ミスが少なくなり、指導役に得らればれる。会社全体の仕事の質が高まり社会貢献につながる」

今、コンプレックスに感じていることがあったとしても、「原動力にする」という意識を持っていただければ、1年後、5年後は全く別の未来がイメージできることが分かります。現在、深刻に考えていることは将来的には、それほど大きな問題にはなっていないことが多いのです。

昇華を実践して失敗をエネルギーにしよう

ご紹介したステップを踏まえながら、「昇華」にトライしてみましょう。紙とペンを準備して、以下の質問に解答してみてください。

①コンプレックスの内容を書き出す

②プラスの行動に変えるには

③昇華できたとき、5年後を想像する

コンプレックスで強みに使用

「昇華」のテクニックはいかがでしたか。この技法では、いまコンプレックスを抱いていることに注目しすぎないで、未来に視点を移すことが大切です。すると、現状が辛いからこそ将来がよりよくなっているだろうと思えるものです。コンプレックスは「努力の原動力」という解釈をして、前向きな力に変えていきましょう。

★コンプレックスは個性のもと!昇華で強みに変換

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目次

①克服する4つの方法-専門家が解説
②コンプレックスの意味と種類
③コンプレックスを持つ心理学的な理由
④克服方法「リフレーミング」
⑤克服方法「私的自己意識」
⑥コンプレックスを克服する本棚セラピー
⑦心の防衛機制「昇華」とは
⑧診断で自分の状態を確かめよう

 

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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