>
>
>
抑うつ状態・症状を緩和「マインドフルネス」

抑うつ症状の緩和法「マインドフルネス」②

コラム①では、抑うつとうつ病の違い、抑うつ気分や症状、原因などを解説しました。抑うつ症状は「思考-気分」の悪循環を断ち切ることが、ポイントです。なお症状がツライときには、専門の医療機関に早めの相談しましょう。今回は、抑うつ症状を緩和する方法「マインドフル」を解説します。

マインドフルネスとは?

マインドフルネスとは、以下のように定義されています。

・心理学辞典(2013)
「個人の内的状態や周囲の状態に最大限覚醒していること」

少し分かりにくいですね。説明をもう少し続けましょう。

脱中心化と自動操縦

脱中心化・自動操縦

マインドフルネスの概念に、脱中心化と自動操縦があります。

・脱中心化
マイナス感情が生じたとき、客観的に観察しながらやるべきことができる状態

・自動操縦
マイナス感情が生じたとき、取り込まれ感情任せに行動してしまう状態

たとえば、あなたの会社に話しかけると怖い印象のAさんがいたとしましょう。

<脱中心化の場合>
Aさんは話しかけると怖い…
 ↓
怖いという感覚があるんだな(少し離れたところで、自分を客観的に見る感じ)
 ↓
人間には様々な感情がある。
私の感情も自然なこと。
感情と付合いながら、Aさんと話してみよう。

脱中心化とは

<自動操縦の場合>
Aさんは話しかけると怖い…
 ↓
苦手だなあ、苦手だなあ・・・
苦しいなあ・・・
嫌だなあ・・・
 ↓
苦手だなあ・・・という感情がゼロにならないかな・・・
 ↓
感情がゼロになるかな・・・
なかなかゼロにならない・・・
顔に出てしまうから・・・
 ↓
Aさんと会わないようにしよう…。

自動操縦とは

私たち人間は、自分が考えたマイナスの思考とどのように付き合うかで、気分や行動が変わってしまうのです。

脱中心化は抑うつ抑止に効果あり

越川ら(2009)は、大学生240名を対象に「脱中心化傾向と抑うつとの関連」について調査を行いました。調査では、脱中心化傾向の要素から「自分の考えを客観的に捉える傾向」について、抑うつ傾向が高い人と低い人を比較しています。

▼こちらは「考えと事実の分離」の結果です。考えと事実とは、自身の考えと事実の分離ができている度合いを指します。

抑うつと脱中心化傾向考えと事実の分離

抑うつ高群と低群を比較すると
抑うつ低群
自分の考えと事実を区別できる
傾向が高いことが分かりました。

▼こちらは「メタ的観察」の結果です。メタ的観察とは、ものごとや問題を客観的な視点で考えたり観察することです。

抑うつと脱中心化傾向メタ的観察

抑うつ高群と低群を比較すると
抑うつ低群
幅広い視点から判断ができる
傾向が高いことが分かりました。

つまり脱中心化の「自分の考えを客観的に捉える傾向」は、抑うつに対する抑止効果が高いと考える事ができます。

抑うつを緩和する方法

マインドフルネスでは、感情の観察力を高めるトレーニングをいろいろな技法で行います。感情を観察できると、マイナスの感情に巻き込まれることが減り脱中心化が図れます。ここでは、脱中心化に有効な観察力を高める方法「ボディスキャン」を紹介しましょう。ボディスキャンは、身体の各部分の感覚をありのままに観察していく方法で、以下の手順で進めます。

手順⓵姿勢を正す
手順②足先に感覚を集中
手順③全身に感覚を集中

楽な気持ちで試してみてください。

抑うつ症状を緩和する方法手順①姿勢を正す
椅子に座り、背筋を伸ばす。足の裏はぴったりと床につけ、肩幅程度に足を広げます。この時、背もたれにはもたれかからないようにしましょう。

手順②足先に感覚を集中
足先の感覚に注意を傾け、感じたことをあるがままに体験します。もしも心配や不安の雑念が浮かんでたら、不安をなくす必要はありません。その感情をそのまま眺めてあるがままを受け入れます。不安な気持ちを一時的な感情と捉えることで、考えに振り回されることが無くなります。

手順③全身に感覚を集中
足先が済んだら、全身の感覚を順に集中させてい行きます。足の裏、足の甲、足首、ふくらはぎ、太もも、お尻、お腹、背中、胸、両肩、首、両目、鼻、口周り、ほほ、あご、頭と注意を向けていってください。足先から頭まで15分ほどかけてボディスキャンしましょう。

不安な気持ちが浮かんできても、巻き込まれるないよう、身体に集中し自分の感覚を観察していくことが大事です!

まずは実践!症状を緩めよう

抑うつ症状を緩和するマインドフルネスから、脱中心化について紹介しました。ネガティブな思考が生じたときには、客観的な視点をもち感情に巻き込まれないようにしましょう。ご紹介した観察力を高める方法などを取り入れることで、少しずつ意識を変え抑うつ症状を緩和していきましょう。

★脱中心化で抑うつ症状を軽減!観察力を鍛えよう

次のコラムへ進むボタンはもう少し下にあります。コラムだけでなく心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は下のお知らせをクリックして頂けると幸いです。私たちが講義をしている講座となります。

心理学講座

助け合い掲示板

コメントを残す

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


ブログ→
YouTube→
Twitter→

*出典・参考文献
・ファンデンボス,G.R.(2013)APA 心理学大辞典
・越川 房子・川崎 郁穂 2009 脱中心化傾向と抑うつとの関連 日本心理学会大会発表論文集 2009,73.