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対人恐怖症を少しずつ克服する

対人恐怖症を克服するための「スモールステップ」⑦

コラム①では、対人恐怖症について概観していきました。今回からは、具体的な対処法についてより深く解説していきます。少しおさらいをしておくと、「①私的自己意識」「②失敗過敏の見直し」「③ほっとする思考」「④スモールステップで慣れる」「⑤あるがまま森田療法」「⑥会話力をつける」の6つの対処法がありました。

今回は、対人恐怖症を克服する方法「スモールステップ」についてご紹介します。

対人恐怖と不安階層表

対人恐怖症克服するには、不安階層表という基準を設定することが大切です。不安階層表は簡単に言うと、不安の強度をシチュエーションごとに低いものから高いものへと順に表したものです。

対人恐怖症が弱い場面から1つずつ克服していく方法ですね。この表によって、小さな自信を積み上がり、最終的には克服を目指していきます。

不安階層表を使った治療について心理学者の塚野(2001)はクライエント(患者)の不安を感じるシチュエーションと不安の強度を測定し、対人不安と緊張感がどのように和らぐか観察しました。

その結果、対人不安が原因で起きる「不登校」が改善されたと報告しています。対人恐怖症の克服に不安階層表をぜひ活用していきましょう。

赤面症 治す方法

スモールステップで行動

まずは、元となる不安階層表を作成していきます。塚野(2001)の示している不安階層表を使った治療の手順をもとにご紹介します。

①カード書き出し
対人恐怖が起きる場面をイメージして、それを複数のカードに書き出します。

②最大の不安場面を選ぶ
一番強く不安を感じる場面を1枚選んで、これを100点とします。

③不安の点数化
次に不安度が高いものから順に4つ選び、計5場面の各点数を示します。点数は10点から100点までとします。下の表が例となりますので、参考にしてみてください。

④不安対策を考えておく
実際に行動してみたら、不安が強くなって回避行動が現れてしまうことがあります。そこで、対処方法を考えていきます。不安になっても落ち着くことができるお守りを作っておくのです。例えば、「瞑想する」「不安を紙に書き出す」など手軽にできる対処法がオススメです。

⑤点数の低いものから挑戦
実際にトライしていきます。不安点数の低いものチャレンジして克服できたら次の段へと上がっていきます。もし、対人恐怖が強くなって、回避したくなったら、④で作成した対処法を実践して様子を見ましょう。それでも行動できない場合は、不安点数を下げて再度挑戦します。

不安階層表

ここで大事なことは
「対人恐怖症の障害が現れないことが目的ではない」
というこです。これは絶対に抑えておきましょう。

対人恐怖症を克服するのではなく
「対人恐怖症によって多くの対人場面を回避する癖
を克服するのですね。この点を誤解しないようにしましょう。人前であがってしまったり、緊張することは恥ずかしいことではなく、人間であれば自然で好感をもたれることなのです。緊張している自分を責めずに、やるべきことに集中するという習慣をつけていきましょう。

赤面症 治すには

実践!練習問題でマスター

では、実際に現実脱感作を体験してみましょう。まずは不安階層表を作っていき、それぞれの社会不安障害に挑戦しますので、その流れをつかんでいきましょう。

1.カード書き出し

2.最大の不安場面を選ぶ

3.不安の点数化

4.不安対策を考えておく

5.点数の低いものから挑戦

 

解答例
1.カード書き出し
⇒友達に自分から話しかける。複数人の前で話しをする。街で知らない人に声をかける。

2.最大の不安場面を選ぶ
⇒街で知らない人に話しかける

3.不安の点数化
⇒街で知らない人に声をかける。(100点)
 習い事などで初対面の人に話しかける(80点)
 あまり接点のない同僚に話しかける(60点)
 友達に自分から話しかける(40点)
 母親に自分から話しかける(20点)

4.不安対策を考えておく
⇒・不安で逃げたくなったら10秒間瞑想をする。
 ・不安や恐怖の強さを0~100%で表す。
 ・感じている不安を紙に書き出す。

5.点数の低いものから挑戦
 ⇒母親に自分から話しかける(20点)
  あまり接点のない同僚に話しかける(40点)
  スーパーの店員な話しかける(60点)
  ちょっと怖い上司に話しかける(80点)
  街で知らない人に道を訪ねる(100点)

自分を肯定して目標を達成

対人恐怖症を行動で克服!

ここまでお疲れさまでした!回避癖がついてしまうと、チャレンジしてみたら「意外と大丈夫」だったという成功体験がいつまでもできません。予期不安もずっと続いてしまいます。対人恐怖症を断ち切るには、不安への挑戦が必要です。少しずつ目標を決めて行動していきましょう。

次回は、対人恐怖症を克服する「あるがまま森田療法」についてご紹介します。

★対人恐怖症の症状「回避行動」をスモールステップで克服!

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目次

①対人恐怖症-概観
②対人恐怖症の原因
③簡易診断でチェック
④公的自己意識を和らげる
⑤認知の歪みを修正しよう
⑥「ほっとする思考」
⑦「スモールステップ」
⑧「森田療法」とは
⑨会話力UP「SST」とは

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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