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不安神経症でもで踏み出そう

不安神経症の強い不安状況でも踏み出そう③

コラム②では、不安神経症になる原因の1つ「破局的にとらえる」の解決策をご紹介しました。認知行動療法を取り入れて少しづつ症状を良くして行きましょう。

今回は不安神経症になる原因の2つ目「不安のあまり一歩踏み出せない」を解決するためのコラムです。

不安が強すぎるあまり、苦手な人や場所を避けていると、余計に苦手意識が強くなってしまいます。できれば、不安な状況であっても一歩前に踏み出すことが大切です、エクスポージャー法で不安に慣れていきましょう。

不安神経症に対処するための3つのステップを、例題を交えながらご紹介していきます。

不安神経症に効果あり!エクスポージャー法とは

エクスポージャー法とは、認知行動療法の治療で用いられる方法のひとつです。段階的に少しずつ、不安が喚起される場面に暴露(つまり、さらす)し、不安症状を緩和していきます。

まずは、「ひとりで~まで行けるようになりたい」などと具体的な目標を決めます。その目標に向かって、小さな段階で課題を設定し、だんだんと目標に近づいていくのです。

坂野(2013)は、不安障害に対する認知行動療法についての講演の冒頭で、「認知行動療法とエクスポージャーが不安障害の治療法として推奨されている」と述べています。

不安神経症にもの有効なエクスポージャー法とは、どのような療法でしょうか?

薬より効く?

ここで、エクスポージャー法を用いた効果研究を見てみましょう。Marksら(1993)は、ロンドンとトロントのパニック障害患者を対象にして、実験を行いました。

この研究では、アルプラゾラムという抗不安薬を処方した群、プラセボ群、エクスポージャー法で治療した群、リラクセーションを施した群を比較しました。

▼こちらが結果です。

エクスポージャー法の研究結果

この表の中に〇が記入されているということは、その治療法に効果があったと考えられます。

0~8週
薬およびエクスポージャーともに、恐怖得点と回避得点を改善していますね。

0~23週
それ以降、薬にはあまり効果が見られなくなっているのがわかりますが(空欄になっています)、エクスポージャー法には改善効果があることが示されています。

この研究が示しているように、エクスポージャー法には、抗不安薬と同等かそれ以上の改善効果があると期待できるのです。

それでは、不安神経症に効果があるエクスポージャー法の具体的な手順を見ていきましょう。

3STEPで実践!エクスポージャー法

ここからは、エクスポージャー法の具体的な方法をお伝えします。

手順1:不安階層表をつくる①
エクスポージャー法を行うにあたっては、まず不安階層表を作ります。

これは、自分がどのような状況にどの程度の不安を感じるのかを数値化し、表にしたものです。はじめに、治したいと思っている不安な状況を100、全く不安に感じない状況を0、として、表に書き表します。

▼例不安階層表の例1

 

手順2:不安階層表をつくる②
100と0以外のさまざまな程度の不安も表に書き表します。不安の程度がちょうど中間の50にあたるのはどのような状況かも書き表します。

▼例

不安階層表の例2

手順3: 段階的に実行していこう
不安階層表に従って、中程度の不安を感じる状況から始め、だんだんと不安になれていきましょう。ポイントは次の通りです。

5つのポイントで目標に近づこう!

①不安階層表の50くらいの不安を感じる状況から実行に移す。例で言うと、“地下鉄に3駅乗る”ことから始めていきます。実行に移す時は、不安を全く感じないことを目標にしない。

②不安を感じても耐えられる、時間が経過すれば不安の高まりが減っていく、という体験を大事にする。

③無理をせず、ひとつの課題を何回も繰り返す。

④課題がクリアできたら自分を褒める。

⑤ひとつクリアできたら、さらにひとつ上の課題にチャレンジします(例で言うと、“地下鉄に30分乗る”)。

こうして段階を踏みながら、少しずつ、目標へと接近していきます。実践のポイントを参考に、不安神経症による不安が強い状況でも、回避せず不安に慣れていきましょう。

3つのステップで実践するエクスポージャー法

不安神経症で踏み出せないときこ実践!

エクスポージャー法はいかがでしたか。エクスポージャー法は、不安のあまり一歩前に踏み出せない方におすすめの解決策です。

不安に感じる事柄でも、少しずつ段階を上げていきながら、目標の行動に到達することができます。

次回は、不安神経症に対処するための方法の3つ目「リラクゼーションで緩和」について解説します。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★不安神経症の症状があっても回避はNG!一歩ずつ前に進もう

次のコラムへ進むボタンはもう少し下にあります。コラムだけでなく、実際に心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は心理学講座、実践練習をしたい!という方は社会人講座をお勧めしています。私たちが講義をしている講座となります。それでは次のコラムへ進みましょう!

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・引用文献
I.M. Marks, R. P. Swinson, et al. (1993) Alprazolam and Exposure Alone and Combined in Panic Disorder with Agoraphobia- A Controlled Study in London and Toronto. British Journal of Psychiatry, 162, 776-787.
坂野 雄二(2013)第108回日本精神神経学会学術総会 教育講演 不安障害に対する認知行動療法―エクスポージャー法をどのように導入するか、そのコツを探る―. 日本精神神経学会誌, 115(4), 421-428.