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悲観的な人の特徴・克服法「反証とは」

悲観的な人の特徴・克服法「反証とは」③

コラム②では、悲観的な思考を改善する方法として、ネガティブ反すうから抜け出す方法を3つご紹介しました。悲観的な気持ちからネガティブ反すうになっているときには、ぜひ実践してみてください。

今回は、悲観的な思考を改善する方法の2つ目として「認知行動療法の反証」を解説します。悲観的思考の解決策を臨床心理士が解説

反証とは?

認知行動療法では、認知(=捉え方)を変えることで、囚われていた気持ちや行動を修正していく心理療法です。そのため現在の認知が、現実的な考え方なのかを導き出すことが必要で、その作業が認知行動療法の反証となります。

反証では
・この考え方でよいのか?
・ほかの見方はできないか?
・その考え方に根拠はあるのか?

など問いかけながら、考え方の歪みに気付き現実的な考え方を導きだしていきます。

悲観的になりやすい性格の人は、先行きに心配をするあまり、現実を乗り越えて不安や緊張を感じてしまう事があります。反証をすることで、こうした考え方の歪みを修正し、悲観な気持ちを軽減することが期待できます。

悲観的な性格は改善できる?

ここで、認知行動療法が悲観的な捉え方にどの効果があるのかを見ていきましょう。

Michelら(2003)は、慢性的な心配が特徴である全般性不安障害の研究を行いました。研究では、少人数で行う集団認知行動療法を施した群施さなかった群とを分け、不安や抑うつ、心配などを比較したところ、集団認知行動療法を施した群では、治療後に心配の度合いが大幅に改善しましたことが分かりました。

▼こちらが結果です。心配や不安など悲観的な性格の治療の効果治療前後で大幅に改善されているのが分かりますね。ここでは心配だけを取り上げていますが、その他の不安や抑うつなども改善されていました。

この研究から、集団認知行動療法が心配などの悲観的な捉え方の改善に有効であることが示されています。

3つの質問で実践「反証」-具体的な方法

ここからは、認知行動療法の反証の具体的な方法を解説していきます。本コラムでは、簡略版として3つの質問に答える方法をお伝えしますね。

まず、悲観的に捉えていることを紙に書き出しましょう。そして、次の3つの質問に答えてくださいね。

反証1:悲観的に捉えている証拠はありますか?
悲観的に感じていることは、現実に起こる証拠や根拠はありますか。探してみてくださいね。

この質問に答えることで、悲観的に捉えていることが「もし〜だったらどうしよう」と仮定しているだけだと気づけます。現実にはそう簡単には起こらない!だから大丈夫!!と考えを改めるきっかけになります。

反証2:その悲観的な事は、何%くらいの確率で起こりそうですか?
悲観的に捉えている出来事が現実的に起こる確率は何%でしょうか。感覚的な数値で出してみましょう。

この質問に答えることで、悲観的に捉えていることを客観的にみつめることができます。冷静になってよく考えてみると、現実には起こらないかも…と考え直せることがあります。このような現実的に考える力を現実検討と言います。そして、確率で計算することは現実検討能力の向上につながりますよ。

反証3:同じような状況で、今までどのようなことが起きましたか?
今悲観的に感じていることは、過去にもありましたか。あった場合、今まではどのようなことが起き、結果どうでしたか。

この質問に答えることで、悲観的に捉えていることと過去の経験とを照らし合わせることがでるため、より現実的な考え方ができるようになります。今までは何とかなってきたのだから、今回も乗り越えられるかもしれない、などと考えられるとよいでしょう。

例文でチェック!悲観的な捉え方を反証

このように進めていきます。まずは、例文を通して悲観的な捉え方を反証してみましょう。

例文
大学生のAさんは何ごとも悲観的に考えやすい傾向があります。採用面接で不合格になったことで「自分は魅力がない人間だ…他の採用面接でも、不合格になるかもしれない」と思い、落ち込んでいます。

3つの質問を通して反証してみましょう。

反証1:悲観的に捉えている証拠はありますか?
→1社の採用面接で不採用になったからといって魅力がない人間ではないし、就職できないということはありません。

反証2:何%くらいの確率で起こりそうですか?
→就職できない確率はかなり低いでしょうね。1%くらいにしておきましょうか。

反証3:同じような状況で、今までどのようなことが起きましたか?
⇒バイトの採用面接は受けたことがあり、何度も採用をされている。

このように3つの質問で反証することで、どの会社も採用してくれないと悲観的に捉えていても、実際に不採用ばかりをもらう可能性は低いと捉えることができますね。

反証で悲観的な思考を修正しよう

悲観的な思考は反証で対処

今回は、起こりもしないことで悲観的な性格を強めてしまう時に対処法として反証をご紹介しました。反証は、なるべく客観的、現実的に心配な考え方を捉え直すための方法でしたね。

お伝えした3つの質問を自分に投げかけることで、悲観的になる捉え方を現実的な考えに修正していきましょう。

次回は、悲観的な思考を改善する3つ目「無条件の肯定的ストロークを増やす」についてご紹介していきます。

★3つの質問で悲観的な考えを修正!!反証で現実的な考えへ

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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