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ヒステリー症状を自我状態療法とEMDR法

ヒステリック症状の緩和法「自我状態療法とEMDR法」③

コラム②では、ヒステリック症状の緩和方法のひとつマインドフルネスを紹介しました。観察力を高めて、脱中心化傾向を目指していきましょう。今回は、ヒステリック症状を緩和する方法「自我状態療法とEMDR法」を解説します。少しずつ意識して無理の内容に変えたり、柔軟にしていけば良いのです。

自我状態療法とEMDR法

自我状態療法・EMDR法は、解離性障害やPTSD(心的外傷後ストレス障害)に用いる心理療法です。治療では、自我状態治療法とEMDRを組み合わせて行うこともあります。

・自我状態療法
アメリカの心理学者ジョン・G.ワトキンス(1993)によって考案された療法で「ひとりの人は複数の部分から成り立っている」という考えのもと、自分の内部にあるいろいろな声に耳を傾けながら不安や恐怖の解決を目指していきます。主に、解離性障害や自我状態の不安定な人に用いられます。

自我状態の定義は、環境や他者との関係を決定する精神の統合された状態(心理学辞典,2013)です。自我状態療法では、自身の中に、大人としての自分もいれば、子どもとしての自分もいると捉え、それらがまるでひとつの家族を構成していると考えます。そして、どの声にも耳を傾けながら、葛藤の解決やひとりの人としての成長を試みる方法です。

・EMDR法
EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing:眼球運動による脱感作と再処理法)は、アメリカの臨床心理士フランシーヌ・シャピロ(1989)によって考案された療法で、眼球運動で筋肉をほぐしながら、トラウマやつらい記憶による不安や恐怖を消していきます。主に、PTSDや解離性障害、トラウマ関連の障害の人に用いられています。

EMDR法は、リラクゼーションの一種です。EMDR法では、自分の中にあるトラウマをポジティブに変換し、自分の中にもともとある肯定的な考えと結びつけ良好な心理状態を目指していく方法です。

研究:解離性障害に有効

ヒステリックの解離性障害に、自我状態療法とEMDR法などを併用し有効だった事例を紹介します。吉川ら(2014)は、「解離性障害を持つ児童への自我状態療法とEMDRの併用の効果判定」を報告しています。研究は以下のようなものでした。

解離性障害の児童に、自我状態療法および併用が望ましい心理療法を週1回のセッションで計8回行いました。全てのセッションが終了した後に質問紙を実施しています。その結果、解離性障害を示す解離尺度が軽減したことが分かりました。以下は結果を示した図です。心理療法の実施後に、解離尺度の減少が見られます。

解離障害に関する調査

つまりEMDR法などのリラクゼーション技法を行うことで、ヒステリックによる解離性障害の解離傾向を軽減できるといえます。

自我状態療法・EMDR法のやり方

ここでは、自我状態療法とEMDR法のやり方を、具体的に見ていきましょう。

自我状態療法のやり方

6つの手順で進めます。

➀深呼吸を5回する
②階段を20段降りるイメージを行う
③階下の部屋の中を扉から見る
④部屋の中に入る
⑤自我状態とコミュニケーションする
⑥扉から出て、階段を上り帰ってくる

EMDR法のやり方

安全な場所のワークを行ってから、進めていきます。

・安全な場所のワーク
➀安全で穏やかな場所をイメージする
②眼球運動を4回実施(1回4~6往復)
③その場所のイメージに名前をつける
④名前も考えながら②の作業を2回実施

・EMDR法
➀苦痛を感じる場面を思い浮かべる
②今の気分、苦痛の程度と苦痛を感じる身体部位を応えてもらう
➂眼球運動を実施
④苦痛が低減するまで実施
⑤適宜、心理療法を織り込む

リラックス技法とヒステリー症状

リラックスでヒステリック症状を緩和

日常生活の中で「なんだかヒステリック傾向になっているかも」「解離傾向にあるかも」と思ったら、無理のない範囲でリラックスをしてください。焦らずに、自身のペースでヒステリー症状を軽減させてください。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・ファンデンボス,G.R.(2013)APA 心理学大辞典
・吉川 久史・杉山 登志郎・丸山 洋子 2014 解離性障害を持つ児童への自我状態療法とEMDRの併用の効果判定 研究助成論文集 (50), 27-36.