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劣等感やうつの対処法。認知療法の意味も

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劣等感やうつの対処法。認知療法の意味も②

コラム①では、劣等感を強めている3つの原因をご紹介しました。

今回は原因の1つである「べき思考で自分で自分を追い詰めている」を解決するために、認知療法の考え方を使った劣等感への対処法を、練習問題を交えながら紹介していきます。

認知療法の意味は?劣等感を対処しよう

コラム①で、劣等感が強い人は抱きやすい人は「周りが〇〇なのだから、自分がこうあるべき・・・」といったべき思考が強い傾向があります。

このようなべき思考は認知療法で改善することができます。認知療法では、不安や苦痛、意欲の喪失などを生みだしている非合理な思考に焦点をあて、認知の歪みを修正するところに特徴があります。

認知の歪みとは、全く合理的でない誤った考え方のことをいいます。皆さんの劣等感も認知のゆがみな可能性があるのです。「認知」と聞くと難しい言葉かもしれませんが、物事をどのように考え判断するか、認識する過程のことを指す心理学の専門用語です。

認知療法の意味は?劣等感を対処しよう

例えば、カウンセリングをしていると女性の劣等感の一つに「あの人の方がスタイルが良い。私の方が不美人で劣っている」と相談を受けることがあります。

この場合、あの人がスタイルが良いという認識よりも、「不美人で劣っている」と認識したということが大事なのです。同じような状況でポジティブな価値観とネガティブな価値観と差が出ることがあります。ネガティブな感情は歪んだ認知が生み出すのです。

認知の歪みは、言わば心の癖のようなものなので、自分で修正することもできます。考え方などの心の癖=認知の歪みを修正する専門的な方法を認知療法や認知行動療法といいます。

この認知療法の考え方を使って、劣等感を生みだしているべき思考に気づき修正することで劣等感の克服が目指せるでしょう。それでは、認知療法の考え方とはどんなものなのでしょうか?確認していきましょう。

隠された考え方?!劣等感克服のポイント

認知療法を簡単に説明すると、「A:できごと」「B:思考」「C:気分・感情」3つに分けられます。この表を使います。

例えば、
「あの人の方がスタイルが良い」というできごと(A)があったとします。そこで私たちは「劣等感」を抱くという気分の状態(C)に至ることがあるかもしれません。この場合、私たちはスタイルが良いことに、劣等感を抱いたと考えがちですが、実は違うのです。

図で表すと・・・

上の図のように考えがちです。しかし実はそうではなく・・

このようになります。

ご覧いただいてお分かりのように、実は「できごと(A)」と「気分・感情(C)」の間には「スタイルの良さが女性の価値だ」(B)という思考が隠されており、この考えが劣等感を強め私たちを苦しめている非合理な思考といい、その1つが「べき思考」です。

このように「べき思考」とは、「できごと(A)」と「気分・感情(C)」の間に隠れており、自分でも気づかないうちに「劣等感」を生みだす元になっている場合があるのです。自分で自分を苦しめている考え方に気づき、より私たちが楽な気持ちになれるものに考え直してみることが、劣等感を克服するポイントになります。

楽な考え方で劣等感やうつ症状を克服!

それでは、楽な気持ちになれるものに考え直すについて考えてみましょう。

例えば、先ほどの例「スタイルが女の価値だ」という考えを

「確かにスタイルが良い人はモテるが、
 人柄や仕事も、女性の魅力の1つだ」

といったように考え直してみるのです。そうすると、今まで気が付かなかった、自分の魅力にも気が付くことができます。もちろんスタイルが良いことを無理に否定する必要はありません。今まで持っている価値観にプラスしていく形で様々な価値を感じる視点を増やしていくと良いでしょう。

これを心理学的に、認知の複雑性と読んだりします。要は様々な見方ができる人ほど「劣等感」を抱かずに、「まぁこんなものか」と軽く受け流すことができます。とはいえ、すぐには考え方を変えるのは難しいので、まずは実際にやってみましょう!

この表をイメージしてください。Cは劣等感と決まっていますので、先に埋めていきます。

① 最近あなたが劣等感を抱いたできごとは、どんなような事ですか?(A:できごと)
② その時の考えは「べき思考」を使っていませんか?(B:思考)
③ 「べき思考」をどんな風に変えればよいでしょうか?(B:思考を楽に感じるものに)

 

例文を作ってみました。

①を表にあてはめるとこんな感じです。

②の「べき思考」を確認すると、ばっちり使ってしまっていますよね。

 それでは・・・
③の「べき思考」を変えましょう。

といった具合になります。

いかがでしょうか。「べき思考」を変えるだけで、劣等感が安心感に変わりました。このように、考え方を変えることで劣等感が克服に向かうわけです。

練習問題に取り組んでみよう!

では、これからある事例を使って認知療法の実践をしてみましょう。次の例文を読んで①〜③を埋めてみましょう。

例文
Aさんは職場の飲み会に参加しました。幹事である同期の社員は注文をしたり飲み物を注いだりと忙しく動いています。しかしAさんは先輩や上司の話を聞いていて上手に動けません。だんだんと飲み会自体に気後れするようになってしまいました。

① Aさんが劣等感を抱いたできごとは、なんでしょう?(A:できごと)

② その時の考えは「べき思考」を使っていませんか?(B:思考)

③ 「べき思考」をどんな風に変えればよいでしょうか?(B:思考を楽に感じるものに)

解答例
① 飲み会で気の利かせて動くことができなかった
② 同期ができるなら自分だって同じようにできるべきだ
③ 気の利かせ方は1つではないのでは。上司が話しやすい環境をつくることも気を利かせている1つではないか

 

使える認知療法とは?劣等感を克服しよう

自分を自分で追いつめてしまう「べき思考」を対処する認知療法の考え方を紹介しました。整理の仕方がわかりましたか。

今回は、ABCシェマという考え方で整理しました。ABCシェマとは、”考え方を変化させて行動や感情の問題を改善する”認知療法の一つです。なじみがないため、最初は少し難しいかもしれませんが、練習問題を繰り返し行う事で身についていきますので根気よく行っていきましょう!

次回の劣等感コラムは、劣等感を強めている原因の2つ目「劣っているところばかり目を向けてしまう」の対処法です。次回のコラムもお楽しみに!

★べき思考は劣等感を強めてしまう
★認知療法の意味も確認しよう
★劣等感を緩和させてうつ症状も予防しよう
★練習問題で身に付けて劣等感を克服しよう
コミュニケーション講座


べき思考を対処する認知療法をご紹介します。