内向的を強みに変える「性格のリフレーミング」
コラム①では、内向的について概観していきました。今回は、内向的の問題を解消する3つ目の「リフレーミングで特徴を活かす」を解説します。
内向的を強みに変える
電車オタクの話は面白い
皆さんは自分の性格の長所が分からない、性格を
例えば、電車オタクで考えて見ましょう。彼らは電車の話題においてニッチで興味深い話をすることができます。
一見殻に閉じこもりがちに見えても、自分の世界観をきちんと持っている人は、周囲に新しい視点をもたらしてくれるのです。
性格のリフレーミングとは
このような、性格の枠組み(
例えば、
頑固な人⇒芯の強い人
優柔不断⇒優しい
内向的⇒落ち着いている
などが挙げられるでしょう。一見、ネガティブな性格でも、ポジティブな捉え方に変えることで印象が変化します。
内向的な性格を活かすためには、「内向的だからこそ○○ができる!」といった枠組みで性格を捉えることが大切なのです。
リフレーミングと効果
リフレーミングには様々な効果があります。以下折りたたんで記載しました。興味があるものは展開してみてください。
①自己評価・自己受容
松久(2012)の研究では、大学生を対象に、リフレーミングを使用した自尊感情を高めるプログラムを実施しています。プログラムを行った結果が以下の図です。
自己評価・自己受容とは、今の自分に満足している感覚です。上図のように、介入後の方が自己評価・自己受容が高まっていることが分かります。
つまり、リフレーミングを活用することで、内向的などの今の自分の状況に満足できることが考えられますね。
松久(2012)の研究では、大学生を対象に、リフレーミングを使用した自尊感情を高めるプログラムを実施しています。プログラムを行った結果が以下の図です。
関係の中での自己とは、他者とのつながりがある感覚です。上記のように、プログラム介入後の方が得点が高まっていることが分かります。
内向的な方は、他者とつながっている感覚を持ちにくいですが、リフレーミングを用いることで、そうした孤独感も癒えていく可能性があります。
松久(2012)の研究では、大学生を対象に、リフレーミングを使用した自尊感情を高めるプログラムを実施しています。プログラムを行った結果が以下の図です
自己主張・自己決定を見てみましょう。意見を主張する、自分で決める感覚です。
プログラム実施後の得点が高まっていますね。リフレーミングは自己主張力や自己決定力も高めてくれることが推察されます。リフレーミングによって自尊感情が高まる傾向が見られたということです。
リフレーミングには、状況を捉え直す状況のリフレーミングや意味や価値を捉え直す内容のリフレ-ミングがあります。

内向的リフレーミングの例
リフレーミングの効果についていかがでしたか。今の自分の見方を変えるだけで、自己受容や自己決定などにプラスの影響を与えます。
それでは、具体的に内向的な性格をリフレーミングした場合の例を見ていきましょう。
①分析的である
内向的な人は、良く考えてから行動する傾向にあります。そのため、感情的になることが少なく、より論理的に考えることができます。
②聞き上手
内向的な人の特徴として、会話のテンポが遅いというものが挙げられます。そのため、必然的に聞く役になることが多く、相手に話しやすい印象を与えます。
③知識が多い
行動する前に、情報や知識を集めることも内向的な人の特徴です。よりベストな決断するために、本を読んだり、データにアクセスします。そのため、知らず知らずのうちに知識が蓄えらえていることが多いのです。
④孤独に強い
内向的な人は、ひとりでも充実感を得ることができます。周りに人がいないからといって、過剰にさびしさを覚えることは少ないです。むしろ1人になることで、自分の興味関心を心置きなく探求することができます。
⑤創造力が高い
内向的な人は、自分の内面と向き合うのが得意です。そのため、新しいアイデアや画一的な発想を生み出しやすいです。実は、発明家のトーマス・エジソンも内向型だったと言われています。
⑥文章表現力が高い
小説家やエッセイストなどの随筆家には、内向的な人が多いです。文章の方が自分を表現しやすいと感じる方も多く、言葉の表現力が高い傾向にあります。
⑦計画性が高い
衝動的に動くよりも、いつ・どこで・何をといった具体的なアクションプランを作成します。その結果、横道にそれることなく、効率的に物事を進めることができます。
リフレーミングで長所に!
内向的な自分に悩んだら、内容のリフレーミングでどう活かすことが出来るのかを考えて見ましょう。ぜひ日常生活の中にリフレーミングを取り入れてみてくださいね。
リフレーミングコラム
リフレーミングには性格の枠組みを変える方法だけではなく、さまざまな種類があります。状況をプラスに捉えたり、ネガティブな出来事からプラスの価値を発見ことができます。
ついマイナスな考えに気を取られてしまう…という方は下記のコラムが参考になります。
リフレーミングコラム
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コラム監修
名前
川島達史
経歴
- 公認心理師
- 精神保健福祉士
- 目白大学大学院心理学研究科修士
取材執筆活動など
- AERA 「飲み会での会話術」
- マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
- サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
- TOKYOガルリ テレビ東京出演
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*出典・参考文献
マイケル・ホール 、ボビー・G・ボーデンハマー(2009). NLPフレーム・チェンジ 視点が変わる〈リフレーミング〉7つの技術. 春秋社.
松久眞実. (2012). 自尊感情の向上を目的とした認知的側面への介入に関する実践的研究. プール学院大学研究紀要, 52, 119-132.