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内向的が悪い!という思い込みを変えよう

内向的は特徴を分かりやすく解説②

コラム①では、内向的を概観していきました。振り返りになりますが、1つ1つ深く見ていきましょう。今回は、「内向的とは何か?」について、性格分析、遺伝の面から解説していきます。

内向的とは何か?-性格分析

皆さんは内向的にどのようなイメージがありますでしょうか?一般的には内気で暗い、人見知りなど印象が多いかもしれません。 心理学では、性格分析は「類型論」「特性論」という2つのやり方で考えていきます。

①「類型論」とユング

類型論とは、人の性格をいくつかのタイプ(類型)に分けて理解する方法です。典型的な行動パターンや心的特性から、分類し性格の全体像を見る分析手法になります。例えば、クレッチマーシェルドンという学者は、人間の体格から、性格を分類しました。筋肉質な人は、頑固で意志が強い、太っている人は、温和で情緒不安定というイメージです。

外向性と内向性について類型的に考えたのは、私(川島)が知る限りユングが初めてだと考えています。スイスの精神医学者であるユングは、外向性のある人と内向性のある人を次のように説明しています。

外向型の人
エネルギーが外に向かっていて、外的なものを重視して判断する傾向にある人が外向性である説明しました。もう少し噛み砕くと、
・気さくな態度
・臨機応変な対応
・自信を持って挑戦

内向型の人
エネルギーが自分の内側に向かっていて、主観的認識を基準に行動する傾向にある人を内向的と説明しました。平たく言えば、
・躊躇、反省が多い
・受け身の姿勢
・人をよく観察する

このように行動や心のあり方によって、タイプ分けしていくのが類型論です。

②「特性論」とビックファイブ

特性論は、個人の性格特性の比率や大きさを捉えようとする方法です。例えとして適切かわからないですが、類型論をドラクエに例えると、戦士、僧侶、魔法使いというようにカテゴリー化します。これに対して特性論では、カテゴリー化はせず、体力がどれぐらいあるか?力がどれぐらいあるかなどを考えていきます。

特性論と内向的な性格としては、ビッグファイブ理論が有名です。ビッグファイブとは、基本的な性格の次元を5つであらわすという仮説です(辻,1998)。

非情性-情動性
 環境刺激やストレッサーに対する敏感さ、不安や緊張の強さ
外向性-内向性
 社交性や活動性、積極性
分離性-愛着性
 利他性や共感性、優しさ
自然性-統制性
 自己統制力や達成への意志、真面目さ、責任感の強さ
現実性-遊戯性
 自分の興味関心を深めていく 

内向的かどうかは、この5つの中の外向性ー内向性の指標で決まります。内向性が強ければ、内側に入り込み、ひとりを好む傾向があるとされます。ビッグファイブでは、内向性が強いからといって外向性がゼロなるわけではありません。あくまでも、「傾向」を測定するものなのです。

*コラム5の内向的診断でチェックができます。良かったら参考にしてみてください。

日本人は内向的が多い!?-遺伝研究

日本人は内向的が多い印象がありませんか?特にアメリカのようなオープンな文化と比べると、「おもてなし」「空気を読む」など控えめで内的な文化が見られます。

・遺伝子と内向的

実は日本人は遺伝的に、緊張しやすいことが研究によって判明しているのです。ヴェルツバーグ大学精神医学部のピーターレッツ博士(1996)は、以下の2つの遺伝子と緊張との関連を調べました。

①「S遺伝子」

精神を不安定にする性質がある遺伝子

②「L遺伝子」

精神を安定させ緊張を少なくする遺伝子

さらに、このS遺伝子とL遺伝子の割合で人間は、

SS型・・・不安になりやすい
SL型・・・不安は中程度
LL型・・・不安に強い

の3つに分類されます。SS型が最も緊張や不安を感じやすいタイプであり、LL型の人たちは緊張や不安に強いです。

・日本人とアメリカ人の比較

センら(2004)は、日本とアメリカの人たちのS遺伝子とL遺伝子の割合を調べました。

このように日本はSS型とSL型に分類される人の割合が多く、その割合は世界でも最高水準に位置づけられることが、多くの研究や調査で指摘されています。つまり、遺伝子的に緊張しやすい日本人は、コミュニケーションにも奥手になりやすく内向的な側面を持ちやすいと考えられます。

次回は、内向的の問題を解消する2つ目の「アサーションで自己主張」についてご紹介します。 お楽しみに!

★ 内向的はエネルギーが内側に向かう人!

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心理学講座

目次

①思考の特徴・外向性との違い-概観
②内向的とは何か?特徴を解説
③プラス面!向いてる職業は?
④マイナス面「うつのリスク」あり
⑤内向的診断とチェック
⑥強みに変える「リフレーミング」
⑦「アサーション」で自己表現
⑧「ソーシャルスキル」で才能開花

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献 
Sen S, et al.’s (2004) Meta-analysis of the association between a serotonin transporter promotor polymorphism (5-HTTLPR) and anxiety-related personality traits. Am J Med Genest
辻平治郎(1998). 5因子性格検査の理論と実際―こころをはかる5つのものさし. 北大路書房