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内向的な人は「アサーション」で自己表現

内向的な人は「アサーション」で自己表現⑦

コラム⑥では、内向的を活かす「性格のリフレーミング」についてご紹介していきました。状況の見方を変えて、強みを見つけていきましょう。

今回は、内向的な人に多い「我慢しちゃう問題」を改善する「アサーションで自己主張」 を解説します。

内向的とアサーション

内向的な方は、自分の意見を伝えづらい傾向があります。例えば、会社の会議で自己主張できなかったり、友人とのショッピングで自分の行きたいお店を主張できなかったり…。そこで、アサーティブを意識して「自分の意見も、相手の意見と同じくらい大切だ」という意識を持つことが必要です。

アサーションとは、簡単に言うと、「相手も自分もOK!」という立場を取る、お互いを尊重したコミュニケーション技法です。他者とアサーティブにかかわることで自分の気持ち、考え、信念などが正直に率直に、その場にふさわしい方法で表現することができます。

また、アサーションの表現は、余裕や自信に満ちており、自分がすがすがしいだけでなく、相手にもさわやかな印象を与えます(平木, 1993)。内向的な人はやや自信がないように見られがちですので、アサーションを意識することで、振る舞いにもハリが生まれてきます。

内向的な人ほどアサーティブを学ぼう

アサーティブの3種類

自己表現には、アサーティブを含め3種類あります。

1:ノン・アサーティブ(ひっこみ型)
自分の欲求よりも相手の欲求を優先します。対立は避けることができても不満は残るかも知れません。内向的な人はこのタイプが多いです。

例:どうせ言ってもわからない

2:アグレッシブ(攻撃型)
相手の欲求よりも自分の欲求を優先します。自分の欲求は通すことができますが、相手と良い関係を築くことは難しいでしょう。

例:わたしは絶対○○だと思う

3:アサーティブ(率直型)
自分の気持ちを率直に表現し、同時に相手の欲求も大切にします。お互いが納得する形を探すのでどちらかに負担がかかるということはありません(松本, 2005)。

例:あなたの意見も良いね。わたしは○○もいいと思う

場面によっては、ノン・アサーティブ(引っ込み型)やアグレッシブ(攻撃型)が必要になる事があるかも知れません。しかし、基本的にはアサーティブ(率直型)に相手と関わることで丁度良い自己主張ができるでしょう。

アサーティブの事例をチェック

ここで、内向的なタナカさんの事例を見ていきましょう。

事例:婚活アプリの企画会議

・事例
タナカさんは、Webアプリ開発企業に勤めるOLです。先日、上司からの指示で同僚のキムラさんと「婚活マッチングアプリ」の企画を任されました。しかし、二人は間逆の性格で、お互いの意見をかみ合わせることができません。

・登場人物
①タナカさん

性格    :内向的。物事をじっくり考える
会議での姿勢:案があるけど発言できない
アイデア  :相手を深く知れる機能を重視

②キムラさん

性格    :外向的。直感で物事を判断する
会議での姿勢:高速でアイデアを出す
アイデア  :すぐに出会える機能を重視

・会議の流れ
タナカさんがじっくり企画を考えている間に、キムラさんは、

「婚活だったら、すぐに出会えた方がいいよね」
「そうだ、テレビ電話機能をつけよう!」
「タナカさん何かアイデアある?僕はね…」

と高速で発案していきます。そのほとんどが、すぐに出会える・長く話せる婚活アプリというものでした。

自分の性格を活かそう

タナカさんは、

「プロフィールや本人確認などを重視した方がいいでは…」

という意見がありますが、キムラさんの圧に押されてしまっています。

内向的 活かす

ここで、

①いつものタナカさん
②アサーティブを意識したタナカさん

の自己主張を比較してみましょう。

①いつものタナカさん
なかなか自分の意見を主張できず、

「わたしはキムラさんの意見でいいと思う」

とノン・アサーティブな表現となってしまいました。会議が終わった後も、自分の意見が伝えられなかった…とストレスを感じています。

②アサーティブを意識したタナカさん
相手も自分もOK!の姿勢でアサーティブを活用したところ、

「キムラさんの案は早く出会えるという点でいいね!ただ、わたしがユーザーだったら、結婚相手は慎重に選びたいと思うけど、もう少し考えてみない?」

タナカさんは、キムラさんのアイデアを尊重しつつ、自己主張することができました。キムラさんはタナカさんの意見に感心し、もう一度じっくり企画を練り直すことにしました。

アサーティブな伝え方で自己主張しよう

このように、相手の意見を尊重しつつ自分の意見も伝えることで、自己主張しやすくなります。また、相手も反論されたように感じにくいため、お互いにとって意味のある話し合いになります。内向的でなかなか自己主張できないという時には、ぜひ「相手も自分もOK」の姿勢を思い出してみてください。

アサーションで内向的を活かす

アサーションは、相手も自分もOKの精神を大切にするコミュニケーション技法です。アサーティブでは、どちらか一方の意見を採用するのではなく、お互いの意見をすり合わせて正解を見つけていく作業です。

様々な方向から検討することが得意な内向的の強い人にとって最適なコミュニケーション方法でしょう。なかなか自己主張ができない…という時は、相手の意見を尊重しつつ自分の意見も伝えてみてくださいね。

次回は、内向的を活かす「ソーシャルスキル」について解説していきます。

★ 内向的な人は自分の意見を大切に アサーションで上手な自己表現!  

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目次

①思考の特徴・外向性との違い-概観
②内向的とは何か?特徴を解説
③プラス面!向いてる職業は?
④マイナス面「うつのリスク」あり
⑤内向的診断とチェック
⑥強みに変える「リフレーミング」
⑦「アサーション」で自己表現
⑧「ソーシャルスキル」で才能開花

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
平木典子 (2009). アサーション・トレーニング: さわやかな自己表現のために. 日本・精神技術研究所.
松本 啓子(2005).大人も知らない「本当の友だち」のつくり方, 講談社.