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彼氏,友人,こどもへイライラする自分を止める方法-公認心理師が解説

彼氏,友人,こどもへイライラする自分を止める方法①

はじめまして!公認心理師の川島達史です。今回は
「イライラする」
について解説していきます。目次は以下の通りです。

入門① イライラする危険性
入門② 診断とチェック
入門③ 原因と解決策
発展-   女性特有の問題
発展- 認知症の可能性

入門①~③を読み進めていくと、イライラする状態の知識と対策を抑えることができると思います。なんとか皆さんのお力になれればと思います。
イライラする時の対処法

入門①イライラする問題

イライラは崩壊の始まり

イライラしている時は、自己コントロールが効きにくくなります。その結果、以下のような取り返しのつかない状態に発展するかもしれません。

・相手に暴言を吐く
・些細なきっかけで離婚
・子どもへの虐待

イライラの感情に流されて行動すると、人間関係に亀裂が生じる恐れがあります。

建設的な主張するのであれば問題ありませんが、「暴力をふるう」「暴言を吐く」などの行為は対人関係を崩壊させるかもしれません。

以下はイライラする問題点に関する研究です。気になる項目を展開してみてください。

橋本・織田(2008)は都内大学生・大学院生286名を対象に「短気や敵意」と「心理的QOL」の関係を調べました。心理的QOLとは、リラックスして過ごす、人生を明るく過ごしているなどがあたります。

その結果が下記の図となります。

短気,心理

イライラすることが多く、他人に対して敵意を持つと、人生でトラブルが増えて、幸福感が下がると言えます。当たり前ですが、怒りを感じている時に幸福は感じられにくいですよね。

この研究結果はイライラすることが多い人は「幸せではない」と主張しているともいえます。できればイライラする時間を減らして、一度しかない人生を楽しく過ごしたいものです。

髙橋・山本(2016)が教員200名、学生360名を対象に調査した研究によると、怒りは様々な心理的な問題とかかわりがあることが示唆されています。以下の図をご覧ください。

イライラする

このように、怒りが高いと、憂鬱も高くなることがわかります。日常的にイライラする人は、憂鬱な気持ちも感じやすいと言えるでしょう。

さらに怒りと情緒不安定の関連も示されています。

怒りを乗り越えよう

上図のように、怒りの高さと情緒不安定の高さには正の相関があることが読み取れます。つまり、イライラ傾向が高い場合、精神的にも不安定な状態になりやすいのです。

橋本・織田(2008)の同研究では、「短気や敵意」と「身体的QOL」の関係も調べられています。

身体的QOL(クオリティオブライフ)とは、身体の健康度を意味します。以下の図はこれらの結果を表したものです。まずは、短気から見ていきましょう。

短気と心理的QOL

図のように短気が高いほど、身体的QOLが下がることが分かります。すぐにイライラしてしまう人は、心も体も健康的になりにくいと言えそうです。

髙橋・山本(2016)が教員200名、学生360名を対象に調査した研究によると、怒りは様々な心理的な問題とかかわりがあることが示唆されています。以下の図をご覧ください。

イライラする 問題

このように、怒りが高いと、身体症状も高くなるという正の相関が示されています。つまり、イライラすることが多い人は、体の健康にも悪影響が出やすいのです。

髙橋・山本(2016)が教員200名、学生360名を対象に調査した研究によると、怒りは様々な心理的な問題とかかわりがあることが示唆されています。

感情をコントロールしよう

上記の図を見ると、怒りの高さと集中力の欠如には相関関係が見られます。直感的にもわかりやすいと思いますが、イライラは集中力を削いでしまうのです。

 

イライラする診断

ここからはイライラする気持ちを整理するやり方をお伝えします。成果を把握するために、定期的なチェックをおすすめします。

入門②怒りの解決策

それでは、ここで具体的な解決策を見ていきましょう。先ほどお伝えした通り、イライラする状態は心理的にも、身体的にも悪影響を与えます。生活の質を高めるためにも、イライラにしっかり対処してきましょう。

イライラを抑えるには主に以下の4つの方法があります。

①相手に期待しない
②感謝を探す
③メタ認知力をつける
④考え方を増やす

それぞれ詳しく見ていきましょう。

①相手に期待しない

イライラが収まらない場合は、思い切って「自分の基準」を修正するのも1つのやり方です。人は「期待を裏切られた時」に怒りを感じます。

例えば、友達と11時に待ち合わせをしているとします。

そこで、何の連絡もなく12時に友人が到着したらどうでしょうか。おそらく、イライラや怒りを感じる方がほとんどではないでしょうか。このように、相手に期待を裏切られた時にイライラすることが多いのです。

この期待値とイライラの関係を示したのが以下の図です。

イライラや怒りの原因

期待値である「50」を下回るほどイライラは増えていきます。一方で、「50」を上回ると納得・満足・感動などのプラスの感情が現れます。

つまり、イライラしやすい方は、相手への期待値が高すぎる可能性があります。日常的に他人にイライラしてしまう…という方は、相手への想いを見直すことが必要です。

期待値を下げる方法を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。

それでは、どのように相手への期待を下げていけば良いのでしょうか。具体的な方法としては、以下の3つのステップで進めていきます。

1.自分の期待値を50とする

まずは、相手への期待していることを
期待値50と置きます。


「毎日子供と遊んでほしい」
⇒私の期待値50

2.相手への満足度を考える

相手の実際の行動を見て、
0~100で満足度を考えて見ましょう。


「夫が日曜日しか子供と遊んでくれなかった。」
⇒相手への満足度20

3.大きく下回る場合は修正する

大きく下回る場合は自分の基準を見直していきます。
ポイントは相手の状況も考えることです。


「夫は仕事は忙しいから毎日は難しい。」
⇒私の期待値50
⇒相手への満足度50

このように、自分の基準が下がると同じ期待値50でも受け入れられる範囲が広くなっていきます。
相手がしてくれたことへの満足度が高まり、イライラが軽減もされます。

イライラする理由を対処

そもそもこの人がいなかったら…?と考えることで、そばにいてくれるだけで幸せなんだなと期待がグンと下がりますので、イライラも出にくくなります。

ぜひ、ありのままの相手を受け入れるよう心がけてみてくださいね。

*監修の川島(精神保健福祉士)が動画でも解説しています。
 チャンネル登録くださると励みになります!

具体的な方法としては、以下の3つのステップで進めていきます。

 

 

②感謝の気持ちを持つ

親しい中であるほど、感謝の気持ちを忘れやすくなります。感謝の気持ちが薄れると、時に相手へのイライラが増えてしまうこともあるため注意が必要です。

実は日常的に感謝の気持ちを持つ人は、幸福度が高まることが分かっています。ここで感謝と幸福感について調査した心理学の研究を見ていきましょう。

Allen W. Barton(2015)ら米国ジョージア大学の研究チームは、468組の夫婦を対象に感謝と幸福感の相関関係を示しました。その中で次のように示されています。

・感謝=幸福
日常的に夫婦間で感謝できているかが幸福度の指標になる

・積極的に伝える=関係修復
より積極的に感謝の気持ちを伝える夫婦ほど、関係悪化の原因を乗り越えられる傾向がある

このことから、日常的に感謝する気持ちをもち、相手に積極的に伝えることでイライラなどの関係を壊す原因を予防できると考えられます。

相手への感謝を探す方法をより深く知りたい方は下記をご覧ください。
感謝の気持ちの伝え方

イライラする 解決策

③メタ認知力を付ける

メタ認知とは、簡単に言うと、一歩引いた視点で物事を見ることです。例えば、「イライラしているな…」と自分の感情を客観的に観察するなどです。

怒りを爆発させてしまっている状態は、イライラの感情を引いた視点で見れてないことが多いです。早めにイライラの火種に気づくことによって、感情の高ぶりを抑えることができます。

実は「怒り」という感情は、後に来ることに多く、怒りが発生する前に様々なステップを踏むことが多いのです。具体的には、以下の3ステップで感情が生まれてきます。

イライラする 原因

イライラを抑えるには怒りが発生する前に予防していくことが大切です。そのため、イライラとうまく付き合う上では「怒りの火種に気づく」ことが基本となります。

メタ認知力を高めることによって、小さなイライラの火種を気づけるようになります。その結果、早めの対処ができるようになり、怒りの感情を最小限にとどめることができるのです。

メタ認知についてより深く知りたい方は下記をご覧ください。
メタ認知力を鍛える方法

④考え方を増やす

イライラする状態を抑えるには考え方を増やすことが大切です。怒りに囚われている時、人は視野が狭くなりがちです。つまり、1つの考え方だけで物事を判断しやすくなっています。

そこで、考え方を増やすために活用できる方法が「ABCシェマ法」と呼ばれる理論です。

ABC理論とは、以下の3つの用語の頭文字です。

A:Activating event(出来事)
B:Belief(思考の癖、信念、固定観念)
C:Consequence(感情・結果)

出来事があって感情・結果につながるのではなく、結果にたどりつく前に「思考の癖や信念(B)」を経由して感情・結果につながるという理論です。

つまり、「思考の癖や信念(B)」の部分を柔らかくしてあげれば、イライラという感情も減らすことができるのです。

思考の幅を広げる方法を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
「ABCシェマ」で対処

発展-その他の解決策

ここでは、イライラする状態をより深く解消したいという方向けに発展編コラムを用意しました。該当する方は、ぜひご一読ください。

発展- 女性特有の問題

女性の場合、生理や更年期によってイライラする状態が過剰になることがあります。生理前になると、些細なことで怒ってしまう…、40代を過ぎたあたりからイライラするようになった…。こんな状況に心当たりがある方は、女性特有の原因を視野に入れた方がよいでしょう。

女性特有の問題について詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
イライラする女性の特徴を解説

発展- 認知症の可能性

イライラして日常生活もままならないという場合には、認知症の可能性が考えられます。ちょっとしたことで大激怒したり、周囲の人たちが信じられなくなった…という状況に当てはまる場合は、認知症のリスクが懸念されます。

認知症についてより深く知りたい方は下記をご覧ください。
認知症とイライラの関係

イライラする状態を克服!

イライラする状態が克服できれば、人生での取り返しのつかない失敗が激減します。仕事上でミス、夫婦喧嘩、恋人との喧嘩など、人生の安定を揺るがすトピックはほとんどイライラが原因です。

このイライラを最小限に抑えて、周りとの調和を図ることができれば人間関係は円滑に進みます。ぜひ、これからご紹介する対処法を参考に、怒りとの向き合い方を学んでくださいね。

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1件のコメント

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    • べり
    • 2019年3月11日 12:03 AM

    間違いなく私はタイプAです。
    「イライラ」は私にとってはとても近しい感情であり、タイプBの感覚が想像できません。列で横入りされイラつかない方が不思議です(笑)
    でも同時に「イライラ=QOLの低下」もよくわかります。ストレスが顕著に肌荒れに出ます。なので、積極的に改善したいと思っています。
    このコラムで特に参考になったのは、投影の考え方です。イライラの原因が「自分の中にある」という部分にドキッとしました。私は心理的な悩みが沢山ありますが、結局自分を見つめる必要があるようです。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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出典・参考文献
・高倉実(
1995
,「大学生のタイプA行動パターンと日常苛立ち事、ストレス反応の関連」,日本心身医学会,35(4),p299-306.
・心理学受講生を対象とした簡易瞑想法の適応:崇城大学研究報告 33(1), 23-31, 2008-03-01
・コンピタンス心理学的視点による簡易瞑想法の効果:崇城大学研究報告 35(1), 13-20, 2009-03-01