イライラする原因「投影」の解消法!⑤
コラム④では、感情のコントロールでイライラする気分を緩和する解消法をご紹介しました。今回はイライラする気持ちの対処として「”投影”」について解説します。今回は少し難易度が高いコラムです!ゆっくり読んでみてくださいね。
原因は”投影”にあり
心理学の世界では投影という言葉があります。投影とは、「自分が思っていること」を「相手が思っている!」と勘違いしてしまう心の性質を意味します。
例えば、「容姿を馬鹿にされている・・・」と感じる人がいたとします。私がカウンセリングを通してみると、
「それはあなたがそう思っているのでは」
と感じる事は良くあります。実は人が容姿を馬鹿にしているのではなく、私が周りの容姿を馬鹿にしているのです。実は自分の世界観を勝手に相手にもあると想像して、その考えにより自分が馬鹿にされていると考えているだけなのです。
人間は、自分を守るために様々な方法で自分の心を守ろうとします。先ほどの例で「私が容姿を馬鹿にしている」という考えは非倫理的です。
それを認めるのがつらいので、自分を守るために、周りは容姿を馬鹿にしている・・・と相手が自分の考えを持っているとすり替えてしまうのです。このような心の動きを投影と言います。
イライラするパターンで深まる自己理解
投影の視点で考えると、私たちがイライラするのは他人に原因があるのではなく、実は「私の心」がそれを他人に映し出しているにすぎないのです。投影は難しいのでもう1つ例を出しましょう。
飲み会でお話したAさんがいたとします。Aさんとは普通にお話しました。Aさんとお話すると、Aさんは、大手の会社員で早くから出世しているとのことでした。
このとき「Aさんに馬鹿にされた!」と感じ、イライラしたとします。実際Aさんが本当に馬鹿にしていたならそれは事実ですが、普通に会話をしていただけで、そう感じたとしたら投影を疑った方がいいでしょう。
このケースで言うと「私」が「小さな会社の社員で、出世をしていない人」を馬鹿にしているのです。
その世界観を相手に投影をしてしまい、勝手にイライラしているのです。いかがでしょうか?なんとなく理解できましたでしょうか。難易度高いですよね(^^; 投影の考え方を前提とすると、私たちがイライラするとき、実は私自身の世界観を相手に押し付けているにすぎないことがよくあるのです。その他にもいくつか例を挙げましょう。
例①
お金がないから馬鹿にされている気がする
お金持ちと話すとイライラする
→実は自分がお金がない人を馬鹿にしている
例②
学歴が高い人と話すと、学歴が高くない自分を劣っていると考えているに違いないと思い込む
→実は自分自身が学歴が低い人を馬鹿にしている
パターンで深まる自己理解
みなさんは最近どのような事にイライラすることが多いですか?ひょっとして自分の欠点や自分の見たくないところにイライラするのかもしれません。投影を発見するコツはイライラする時に、「そういえば、このイライラはいつものパターンだ」と気付くことです。そしてそのパターンの裏側に自分の考えが映し出されていないか探って行くのです。自分の考えを見つけ出せれば、その考えをもう一度冷静に見つめなおしてみましょう。
イライラするパターン探しが解消法に
それではここで、練習問題で自分のイライラするパターンを探っていきましょう!難易度が高いのでできなくてもOKです!こんなものか~というぐらいでOKですのでお試しでチャレンジしてみてください。
練習問題
① 最近他人から馬鹿にされている気がしたことや、イライラした事はありますか?その時どんな相手はどんな考えを持ってしそうですか?
②主語を「相手」ではなく「私」に変えてみましょう
③ ②を読んでみてしっくりくる場合は投影の可能性がとても高いです。ダメもとで考えてみてくださいね。
解答例
① 飲み会で無口になってしまった。
相手は「コミュ力が低い」と考えて
私を馬鹿にしている気がする。
② 私は「コミュ力が低い」人を馬鹿にしている。
③ああ!!これもしかしたら目をつぶっていた私の投影かもしれない。
こんな形の回答になればOKです!難しいですよね。。主語を入れ替えて、それがなんだかしっくる場合、実は投影だったことに気が付くことになります。そんなときは相手に感情をぶつけてもあまり意味がありません。問題は自分にあるのですから変えるのは自分の考え方になるのです。
イライラするパターンで深まる自己理解
投影は自分の勝手な価値観を相手に押し付けているだけなので、それを相手に伝えても解決できないことが多いです。自分の根底にある価値観を見つけたらその欲求を変えたり、素直に表現することが必要です。ただし、専門家でも投影を発見するのは難しい面があります。現実的には、「イライラの原因は自分の考え方の深い部分を映し出しているのかも」と考える程度でOKです。
「投影」を解消
練習問題をやってみてイライラするパターンをなんとなく把握できましたでしょうか。問題で挙げたもの全体を見渡すことで、自分がどんな状況でイライラするのか客観的に見ることができると思います。客観的に自分を見ることで、イライラする感情を自分でコントロールできるようになると思います!今回はイライラする気持ちの原因の1つ「イライラする原因は”投影”にあり」の解消法として自己理解を深める方法をお伝えしてきました。イライラするパターンを見つめ直すことが解消法になると思います。
次のコラムでは、イライラするコラムのまとめです。一緒に確認してきましょう!
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