>
>
>
嫉妬しない方法とは?心理学の対処法

嫉妬しない方法とは?心理学の対処法①

はじめまして!学校心理士・応用心理士の栗本です。私は心理学の大学院を卒業し、カウンセリングや教育相談を行っています。本コラムでは「嫉妬」について詳しく解説をしていきます。

  • 嫉妬とは?
  • 特徴と問題
  • 大きなトラブルにも
  • 恋愛の不安を克服【事例】
  • 診断・チェック
  • コントロールする2つの方法

しっかりと対策をお伝えしたいので全部で5分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。是非お付き合いください。

嫉妬とは?

私たちの日常生活には会社や学校、近所づきあいなど、さまざまな人間関係が存在しています。人間関係の中では、どうしても自分に不利な状況になったり、他者と比較をしてしまう時もあります。

たとえば、恋愛関係の事で次のように思った経験はありませんか。

「あの人と話ができて
 うらやましいなぁ・・・」

「あの人ばかりと関わって
 イライラする・・・」

恋愛や友人に嫉妬してしまう状況

このような経験があると「自分は嫉妬が強いな」と感じている人もいるのではないでしょうか。

心理学での嫉妬とは
「『今、保持している価値ある関係が誰かに奪われてしまうのでは』という自己防衛的な恐れを内包する。恋愛関係のように、当人に価値ある人間関係の喪失は、関係からの恩恵の喪失と自尊心の喪失につながる(White & Mullen,1989)。」
ことを意味します。

簡単に表現すると、親密な関係の中で第三者によって、その関係が脅かされたときに起こる感情です。

嫉妬が強いと、さまざまな出来事に対してイライラしてしまい、人間関係を作っていくことが難しくなってしまいます。そして親密な人間関係を築けないことで、どんどん孤独になってしまう可能性もあります。

また嫉妬が強い人は、自分が相手から見捨てられてしまうのではないかと不安になったり、相手に依存してしまったり、自分に自信が持てないことが多くなっています。

強い嫉妬の問題点マイナス面のある嫉妬ですが、上手くコントロールすることで程よい人間関係を築けたり、余計なことで苛立ちを感じなくなります。正しい知識で嫉妬心と上手に付き合っていきましょう。

まずは嫉妬の特徴と問題を見ていきましょう。

嫉妬の特徴と問題

ここでは嫉妬が強いと、どのような状態になるかを心理学の研究を元に解説していきますね。

嫉妬をしやすい傾向の研究を見ていきましょう。

神野(2014)は、「青年の恋愛関係における嫉妬と自己愛の関連について」以下のような報告をしています。

嫉妬と自己愛の問題についての図

・認知的嫉妬
実在・空想を問わず第三者が恋人を奪おうとしているという猜疑的(さいぎてき)な度合い
・情動的嫉妬
嫉妬を喚起しうる状況に対して不快な感情を抱く排他的な度合い
・行動的嫉妬
実在・空想を問わず関係を脅かしかねない第三者を予防・探知する行動の度合い

表から次の3つのことが分かります。

1:「注目・賞賛欲求」と嫉妬傾向全般はいずれも有意な正の相関を示していた。
2:自己愛の過敏性に相当する「自己愛性抑うつ」「自己愛的憤怒」 はともに嫉妬傾向全般と有意な正の相関を示していた。
3:他者の評価を気にしたり他者からの評価に傷つきやすい過敏な自己愛傾向を持つほど,嫉妬を経験しやすいと考えられる。

つまり嫉妬しやすい傾向の人は、

・他人の評価を気にする
・他人の評価に傷つきやすい
・自己愛について過敏

と言えます。こうなってしまうと、人間関係の中で苦労してしまい、良好な人間関係を築き上げていくことが難しくなります。

実は強い嫉妬心から事件に発展してしまったケースもあります。

注意!トラブルの元にも…

佐世保女子高生殺害事件(2014)をご存知でしょうか。

事件の概要は以下の通りです。
・長崎県佐世保市で発生した殺人事件。
・被害者は佐世保市の公立高校に通う女子生徒。
・遺体が発見されたマンションに住む、同級生の女子生徒が緊急逮捕。
・逮捕容疑は、被害者を自宅マンションにて後頭部を鈍器のようなもので数回殴り、ひも状のもので首を絞めて殺害した疑い。

この事件について臨床心理士の長谷川(2014)は、
「母親の死と父親の再婚が自身の孤独感に繋がり、仲の良い家族のいる友人への嫉妬が背景にある」
と分析しています。

嫉妬は人間関係の中で生じてしまう感情のため、うまくコントロールできないと、嫉妬相手に向けての感情は解消されなくなってしまいます。

時にはその感情が膨れ上がってしまって、本来嫉妬するべきでない相手にも同様の感情を抱いてしまい、取返しのつかない行動に及んでしまう…、といった可能性もあります。

嫉妬がコントロールできない問題強い嫉妬をコントロールできないと、せっかく築き上げた人間関係もうまく続けることができなくなってしまいます。上手にコントロールして、良好な関係を保ちながら、自分の気持ちを大切にしていきましょう。

恋愛に前向きになれたAさん-事例

ここで私がカウンセリングをし、強い嫉妬を克服した事例を1つご紹介します。個人情報があるので事実を変えてご紹介していきます。

<A子さん>
・大学1年生の5月に彼ができる
・彼は女性友達も多い
・知り合いに交際相手を取られてしまうんじゃないかと不安になる
・常に交際相手といないと不安になる

交際がはじまってから、彼の周りにいる女性や自分の同性の友達が、彼を奪ってしまうのではないか、常に周りの女性に嫉妬をしてしまう状態になりました。

そのため、A子さんは友達ができなくなってしまい、彼の事も常に監視するようになってしまいました。友人関係も崩れてしまい、心配した彼に連れられ、カウンセリングがはじまりました。

A子さんは
「彼に捨てられえてしまわないか不安」
「彼と話す女性をみると嫉妬する」
「自分は劣っているんじゃないかと思ってしまう」
とかなり悲観的でした。

Aさんのカウンセリングは長期化しましたが、対策を一緒に考え実践し続けた結果、次のように考えることができるようになり、強い嫉妬を克服し、恋愛に前向きになっていきました。

「彼は周りにいる女性よりも自分を選んでくれたんだ。心配していたほど過敏にならなくても良かったんだ。自分の交友関係も彼の交友関係も大切にしないといけないな。」嫉妬を克服した事例

改善・克服のカギは?

嫉妬が強い人の多くは、見捨てられるのではないかと不安になり、相手に依存しやすく、自分に自信が持てずにいます。

まずは自分自身と向き合い、強くなってしまう原因を知ることから始めていきましょう。

そして日常生活の中では、どうしても嫉妬をしてしまう場面がたびたび訪れ、時には人間関係が悪化してしまうこともあるかもしれません。しかし気持ちを上手にコントローㇽすることができれば、改善することもたくさんあります。

本コラムで自分に合った「嫉妬をうまくコントロールする方法」をぜひ見つけてくださいね。

2つの方法で上手にコントロール

それではここからは、嫉妬が強くなる原因とその解決策を見ていきましょう。

嫉妬が強くなる原因と解決策は、大きく分けると2つあると考えられます。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

①愛着スタイルを知る

見捨てられ不安が強い
嫉妬が強い人は、「自分は見捨てられてしまうんじゃないか」、「自分よりもあの人の方が素晴らしいから…」と捨てられる不安が強い傾向にあります。

捨てられ不安が強い人は、相手に見捨てられることに対して強い不安を感じるため、極端な行動を起こすこともあり、中にはしつこいメールや電話など強引な行動に及ぶ場合もあります。

不安が強いと、相手から自分がどのように思われているか確認することが増えてしまい、逆に相手から距離を置かれてしまう可能性もあります。否定的な考えにとらわれずに、不安とどう向き合うかが改善のカギとなります。

すぐに確認することをやめる
相手への確認することを抑えていくには、不安な気持ちを軽減することが大切です。親密な関係における情緒的な絆「愛着スタイル」には、いくつかのタイプがあります。自分のタイプを知ることで嫉妬する傾向が分かり、自分にあった対策が分かるようになってきます。

相手がいなくなってしまうと思うことが多い・・・という方は、コラム②をぜひ参考にしてくださいね。

②マインドフルネスで冷静になる

冷静に考えられなくなる
嫉妬が強い人は、物事を冷静に考えることができなくなる傾向にあります。冷静な時には、幅広い視野で捉えていたことも狭くなってしまうことで、人と関わるたびに争ったりしてしまう事もあります。

冷静に考えられない時には、自分を冷静に眺めて落ち着く方法を身に着けておくとよいでしょう。

自分を冷静に眺めて落ち着く
本コラムでは、嫉妬とうまく付き合っていく方法としてマインドフルネスを紹介します。マインドフルネスとは簡単に説明すると「気付き」という意味で、恐怖、怒り、悲しみ、気持ちが良い、痛いなどの感覚とうまく付き合う方法です。

嫉妬から冷静にものごとを考えられなくなっている自分を、客観的に見て、冷静に感情と付き合うことで、広い視野をもつことができます。

嫉妬とうまく付き合えるようになりたい!という方は、コラム③の解説と練習問題に取り組んでみてください。

嫉妬を上手にコントロールする

2つの方法で嫉妬心をコントロール

嫉妬が強い原因には「見捨てられ不安が強い」「冷静に考えられなくなる」の2つが大きく関わっていることがわかりました。

次回以降は、嫉妬が強すぎないようにする具体的な方法について解説していきます。1日では難しいと思うのでブックマークしてゆっくり取り組んでみてくださいね(^^)

次回は、強い嫉妬の対処法「愛着スタイルを知る」についてご紹介します。お楽しみに!(次のコラムへ進むボタンはもう少し下にあります)

★強い嫉妬をコントロールして 良好な人間関係を築こう
心理学講座
 

コメント

コメントを残す

*出典・参考文献
White, G. L., & Mullen, P. E. (1989). Jealousy: Theory, research, and clinical strategies. New York, NY, US: Guilford Press.
神野 雄 2014 青年の恋愛関係における嫉妬と自己愛の関連について 第56回総会発表論文集,496.
神野 雄 2015 嫉妬研究の概観と展望 神戸大学発達臨床心理学研究 14, 18-28.