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嫉妬しない方法とは?心理学の対処法

嫉妬しない方法とは?心理学の対処法①

はじめまして!学校心理士・応用心理士の栗本です。私は心理学の大学院を卒業し、カウンセリングや教育相談を行っています。今回は「嫉妬」についてお話していきます。コラム①は嫉妬について基礎的な話を5分程度させていただきます。目次は以下の通りです。

  • 嫉妬とは?
  • 事件に発展するかも
  • 嫉妬と心理学研究
  • 現実検討力とは
  • 限界設定で自制
  • マインドフルネスとは

各コーナーにはもっと深く知りたい!という方のためのリンクがあります。まずは全体を読んでみて、気になる場合はリンク先をクリックしてみてください(^^) それでは早速、嫉妬の基礎から解説させて頂きます。

嫉妬とは?

私たちの日常生活には会社や学校、近所づきあいなど、さまざまな人間関係が存在しています。人間関係の中では、どうしても自分に不利な状況になったり、他者と比較をしてしまう時もあります。

・嫉妬の意味
たとえば、恋愛関係の事で次のように思った経験はありませんか。

「あの人と話ができて
 うらやましいなぁ・・・」

「あの人ばかりと関わって
 イライラする・・・」

恋愛や友人に嫉妬してしまう状況

このような経験があると「自分は嫉妬が強いな」と感じている人もいるのではないでしょうか。

嫉妬の意味についてさらに知りたい方は下記をご覧ください。
・嫉妬の心理学的な定義
・簡単に説明すると…
嫉妬の意味や心理学的な定義を理解しよう②

男女別!嫉妬の感じ方

「あの人と話せてうらやましい、あの人ばかり関わってイライラする」などの嫉妬心は誰しも1度は感じたことがあると思います。

しかし、実は男女によってその嫉妬の強さが変わることが分かっています。

和田(2015)は、「恋愛嫉妬時の情動とコミュニケーション反応」という研究を発表し、やきもちを感じた時の男女それぞれの感じ方などを調べました。

まず、大学生186名に、上記に述べたような場面を想像してもらい、アンケートに回答してもらいました。

その結果が、以下のグラフになります。

男女の感じ方では、男女とも同じような感情が生じるものの、男性より女性の方がその度合いが強い傾向にあることがわかりました。

女性は共感的であることが多いので、男性よりも「自分のことを分かってほしい」と考える傾向にあるのかもしれません。一方で、男性は論理的に物事を考えることが多いため、嫉妬の感情があまり生まれないと考えられます。

嫉妬後にどんな反応をするか

突然ですが、恋人が容姿がきれいな異性と楽しげに歩いていたら、どんなあなたは気持ちになるでしょうか?また、どんな行動を取るでしょうか?

おそらく、ほとんどの方は恋人を奪われたように感じたり、嫉妬の感情を抱くでしょう。その結果、恋人と口論になったり、冷たい素振りを見せてしまうことともあると思います。

和田(2015)の同研究では、さらに「相手とのコミュニケーションの取り方」「欧米のやきもちに関する先行研究」を調べています。

まずは、嫉妬後の反応について見ていきましょう。研究によれば、嫉妬後の相手とのコミュニケーションの取り方は以下の4つになります。

1.否認・回避
「嫉妬をしていない」と
自分の感情を認めない、
平気なふりをして見せる

2.相手の反応確認
不安そうに振舞う、
傷ついたように見せる

3.所有の表示
自分の恋人であることを
周囲の人に紹介して見せる

4.非難・けんか
話題を何度も持ち出して責める、
恋人を非難する

この方法のうち、どんな嫉妬後にコミュニケーション反応を起こしやすかったのでしょうか。その結果が、以下のグラフになります。

嫉妬を和らげよう

このように、男女ともやきもちが強いほど、「非難・けんか」「相手の反応確認」をよく用いることがわかりました。嫉妬をするほど、相手の行動が気になってしまうようですね。

さらに、和田の考察によると、「相手の反応確認」という行動は欧米での研究からは抽出されず、日本特有のコミュニケーションと言えるとのことでした。

文化的な背景として、日本では“自分の感情を相手に直接ぶつける”ということに抵抗が強く、そのため“相手の自分に対する気持ちをそれとなく確かめる”という間接的な行動によって、相手の様子をうかがってしまうのかもしれません。

注意!トラブルの元にも…

実は強い嫉妬心から事件に発展してしまったケースもあります。

・嫉妬が殺人を起こす
佐世保女子高生殺害事件(2014)をご存知でしょうか。この事件は、
加害生徒の置かれていた環境や被害生徒との関係が深くかかわっています。

加害生徒の家庭環境
・母親を亡くしたが、父親がすぐに再婚した
・母親を亡くしてから不安定になる
・義母と不仲で一人暮らしを始める

となっています。これに対して、

被害生徒の家庭環境
・父親は海上自衛官
・家族関係も良好だった

となっていました。。

・中学時代に出会い仲が良くなる
嫉妬感情が芽生えたプロセスは以下の通りです
→母親が亡くなり、父親がすぐに再婚
→義母と不仲で一人暮らし、孤独感が増す
→一方仲の良い被害生徒は家族関係も良好
→生活環境の違いに嫉妬感情が芽生える

この事件について臨床心理士の長谷川(2014)は、「母親の死と父親の再婚が自身の孤独感に繋がり、仲の良い家族のいる友人への嫉妬が背景にある」と分析しています。

嫉妬と事件についてさらに知りたい方は下記をご覧ください。
・事件の経緯
・強いうらみが原因
嫉妬と事件の関係!妬みの感情は危険③

嫉妬がコントロールできない問題

嫉妬の種類と心理学研究

ここでは嫉妬が強いと、どのような状態になるかを心理学の研究を元に解説していきますね。嫉妬は以下の3つがあると考えられています。

・認知的嫉妬
認知的嫉妬は疑いやすい嫉妬です。実在・空想を問わず第三者が恋人を奪おうとしているという猜疑心の強さを意味します。

・情動的嫉妬

嫉妬した相手を排除したいという感情が情動的嫉妬です。嫉妬を喚起しうる状況に対して不快な感情を抱く排他的な度合いを意味します。

・行動的嫉妬

実在・空想を問わず関係を脅かしかねない第三者を予防・探知する行動の度合い。例えば「恋人を奪おうとしている人はいないだろうかと警戒したり、あらかじめ恋人に異性が関わらないように予防する」などのことです。

嫉妬の種類と心理学研究についてさらに知りたい方は下記をご覧ください。
・嫉妬の3つの種類
・自己愛が強いと嫉妬
・賞賛されたい欲求
嫉妬と事件の関係!妬みの感情は危険③

3つの方法で上手にコントロール

それではここからは、嫉妬が強くなる原因は複雑ですが、今回は2つ提案させて頂きます。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

①現実検討力を高める

・誤った感情に囚われる
嫉妬の感情が起こる時は、極端で非現実的な考え方が浮かんでいることがあります。その結果、ありもしない予測を立てて嫉妬を感じてしまうのです。

私たちは日常生活で嫉妬をすると「あの人は自分よりもすごい」「自分よりあの人の方が好きなのでは?」という考えが浮かんでくると思います。

例えば、パートナーが異性と仕事上の飲み会に参加するといった時に以下のように考えてしまうことがあります。

・浮気するにちがいない
・相手は下心があるに決まっている
・絶対に仕事ではない

これはごく自然なことですが、考えてみると実は「現実検討能力」が欠如してしまっている可能性があります。

・現実検討をする
嫉妬は感情の1つですが、その感情が沸き起こるまでいくつかステップがあります。この流れを理解しておくことで、嫉妬に飲まれにくい心を作ることができます。

感情は以下の3つのステップで起こります。

1.Activating event(出来事)
2.Belief(思考の癖、信念、固定観念)
3.Consequence(感情・結果)

「出来事」があって「感情・結果」につながるのではなく、結果にたどりつく前に「思考の癖や信念」を経て「感情・結果」に到着すると考えられています。

出来事自体は変えられませんが、2番の固定概念は見方を変えれば、違う認識で捉えることができます。この部分を現実的に考えることができれば、嫉妬も起こりづらくなっていきます。

現実検討力についてさらに知りたい方は下記をご覧ください。
・現実検討の具体例
・思考の修正方法
・練習問題でマスター
嫉妬感情を和らげる方法「現実検討力」で改善⑤


ここで30秒だけお知らせをさせてください♪ 私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、暖かい人間関係のある社会を創ることを目的として、コミュニケーション講座を開催しています。

心理療法やソーシャルスキルの練習を勉強したい方はぜひお待ちしています。もしコラムを読んでみて、もっと心理学を学習したいと感じたら、こちらの心理学教室のページを参照ください。それでは先に進みましょう!

②限界設定を定める

・見捨てられ不安が強い
嫉妬が強い人は、「自分は見捨てられてしまうんじゃないか」、「自分よりもあの人の方が素晴らしいから…」と捨てられる不安が強い傾向にあります。

捨てられ不安が強い人は、相手に見捨てられることに対して強い不安を感じるため、極端な行動を起こすこともあり、中にはしつこいメールや電話など強引な行動に及ぶ場合もあります。

不安が強いと、相手から自分がどのように思われているか確認することが増えてしまい、逆に相手から距離を置かれてしまう可能性もあります。否定的な考えにとらわれずに、不安とどう向き合うかが改善のカギとなります。

・限界設定で暴走を予防
この見捨てられ不安から起きる嫉妬感情を和らげるには、自分の中で「限界を設定」することが大切です。限界設定とは、「自分には、ここまでは確かめるけど、ここから先は深く詮索しない」という区切りの部分になります。

・限界設定できない人
1.嫉妬する
2.ラインをしまくる
3.返信がないと電話しまくる
4.相手が疲弊する

・限界設定出来る人
1.嫉妬する
2.自分のなかで制限をかける 
 ⇒ラインは1日2回まで    
 ⇒返信がなくても電話は控える
3.相手と良好な関係が保てる
 ⇒相手がちょうど良い距離感を感じる
 ⇒困惑することが少ない

嫉妬感情のままに暴走してしまうと、人間関係を破壊しやすいです。本来は親しい関係を保ちたいのに、その気持ちが返って、関係を悪化させてしまうことがあるのです。

限界設定についてさらに知りたい方は下記をご覧ください。
・見捨てられ不安の基準
・限界設定の3つの流れ
・実践!例題でトレーニング
嫉妬感情をなくす方法「限界設定」とは⑥

③マインドフルネスで冷静になる

・冷静に考えられなくなる
嫉妬が強い人は、物事を冷静に考えることができなくなる傾向にあります。冷静な時には、幅広い視野で捉えていたことも狭くなってしまうことで、人と関わるたびに争ったりしてしまう事もあります。

冷静に考えられない時には、自分を冷静に眺めて落ち着く方法を身に着けておくとよいでしょう。

・自分を冷静に眺めて落ち着く
本コラムでは、嫉妬とうまく付き合っていく方法としてマインドフルネスを紹介します。マインドフルネスとは簡単に説明すると「気付き」という意味で、恐怖、怒り、悲しみ、気持ちが良い、痛いなどの感覚とうまく付き合う方法です。

マインドフルネス瞑想とは、今この瞬間に注意を払い気づきを得ていく瞑想法です。

今に注意を払い、身体の感覚や感情に注意を集中し気づきを得ていくと「生きている」という感覚に自然とつながっていきます。

あるがまま”に受止めた気づきを重ねると、さまざまな感情がいまこの瞬間にただ感じたことに過ぎないと感じるようになっていきます。マインドフルネス瞑想を活用すれば嫉妬をしても「今この瞬間」にただ感じたことに過ぎないと思えるようになってきます。

自分の考え方を客観的に捉えることができると、強い嫉妬心をコントロールする力となってくれます。

マインドフルネスについてさらに知りたい方は下記をご覧ください。
・瞑想と不安
・マインドフルネス7要素
・練習問題でマスター
嫉妬感情を和らげる方法「現実検討力」で改善⑤

嫉妬を上手にコントロールする

3つの方法で嫉妬心をコントロール

嫉妬が強い原因には「非現実な考え方」「見捨てられ不安が強い」「冷静に考えられなくなる」の3つが大きく関わっていることがわかりました。

コラム⑤~⑦では、嫉妬が強すぎないようにする具体的な方法について解説していきます。1日では難しいと思うのでブックマークしてゆっくり取り組んでみてくださいね(^^)

次回は嫉妬の意味や心理学的な定義ついてご紹介します。お楽しみに!(次のコラムへ進むボタンはもう少し下にあります)

★強い嫉妬をコントロールして 良好な人間関係を築こう

心理学講座

目次

①嫉妬しない方法-概観
②心理学的な定義を理解
③嫉妬と事件の関係!
④種類と心理学研究
⑤「現実検討力」で改善
⑥「限界設定」とは
⑦「マインドフルネス瞑想」

 

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
和田 実(2015),「恋愛嫉妬時の情動とコミュニケーション反応―嫉妬の強さおよび性との関連―」,応用心理学研究,40(3),213-223.
White, G. L., & Mullen, P. E. (1989). Jealousy: Theory, research, and clinical strategies. New York, NY, US: Guilford Press.
神野 雄 2014 青年の恋愛関係における嫉妬と自己愛の関連について 第56回総会発表論文集,496.
神野 雄 2015 嫉妬研究の概観と展望 神戸大学発達臨床心理学研究 14, 18-28.
産経ニュース 2014 「母の死から生命の不確かさ意識」「好奇心から遺体切断か」専門家ら分析.
産経ニュース 2014 動機はうらみや嫉妬の可能性 首と手首切断は証拠隠滅か 佐世保同級生殺害.