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嫉妬しない方法とは?心理学の対処法

嫉妬しない方法とは?心理学の対処法①

はじめまして!学校心理士・応用心理士の栗本、精神保健福祉士の川島です。私たちは現在、こちらの初学者向けコミュニケーション講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています。

今回は「嫉妬」について解説していきます。嫉妬心が強くて困っている、嫉妬する人の心理を知りたい!という方向けのコラムになっています。目次は以下の通りです。

  • 嫉妬とは?
  • 事件に発展するかも
  • 嫉妬と心理学研究
  • 現実検討力とは
  • 限界設定で自制
  • マインドフルネスとは

各コーナーにはもっと深く知りたい!という方のためのリンクがあります。まずは全体を読んでみて、気になる場合はリンク先をクリックしてみてください(^^) それでは早速、嫉妬の基礎から解説させて頂きます。

嫉妬の定義と意味

私たちの日常生活には会社や学校、近所づきあいなど、さまざまな人間関係が存在しています。人間関係の中では、どうしても他者と比較をしてしまうことがあります。たとえば、恋愛関係で次のように思った経験はありませんか。

「〇〇さんの彼氏はあんなに
 お金を持ってるのに
 私の彼はぜんぜんない。
 イライラする(怒)」

「友達がすごくかわいい子、
 イケメンと付き合いはじめた!
 ずるい!」

「恋人が、知らない異性と
 楽しそうに話している。
 ふざけんな!」

私たちは人間です…誰だって嫉妬はしてしまうものです。

恋愛や友人に嫉妬してしまう状況

心理学上、嫉妬はいくつかの意味に分かれます。

・White & Mullen,1989
「『今、保持している価値ある関係が誰かに奪われてしまうのでは』という自己防衛的な恐れを内包する。恋愛関係のように、当人に価値ある人間関係の喪失は、関係からの恩恵の喪失と自尊心の喪失につながる。」

ちょっと難しいですね・・・(^^;簡単に表現すると、

親密な関係の中で第三者によって
その関係が脅かされたときに起こる感情

と考えると良いでしょう。嫉妬が強いと、さまざまな出来事に対してイライラしてしまます。うまくコントロールをしないと、攻撃的な口調で暴言を吐いてしまったり、最悪の場合暴力に発展してしまうこともあります。

注意!嫉妬は破壊的行動に発展することも

実は強い嫉妬心から事件に発展してしまったケースもあります。佐世保女子高生殺害事件(2014)をご存知でしょうか。この事件は、加害生徒の置かれていた環境や被害生徒との関係が深くかかわっています。

****事件概要****
被害者は佐世保市の公立高校に通う女子生徒であった。遺体が発見されたマンションに住む、同級生の女子生徒が緊急逮捕された。逮捕容疑は、被害者を自宅マンションにて後頭部を鈍器のようなもので数回殴り、ひも状のもので首を絞めて殺害した疑い。長崎県警によると、遺体は首と左手首が切断されていた(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia))

****嫉妬プロセス*****

加害生徒の家庭環境
・母親を亡くしたが、父親がすぐに再婚した
・母親を亡くしてから不安定になる
・義母と不仲で一人暮らしを始める

となっています。これに対して、

被害生徒の家庭環境
・父親は海上自衛官
・家族関係も良好だった

となっていました。。

・家庭の比較が嫉妬に結びつく
嫉妬感情が芽生えたプロセスは以下の通りです
→母親が亡くなり、父親がすぐに再婚 義母と暮らしはじめる 
→義母と不仲で一人暮らし、孤独感が増す

→一方仲の良い被害生徒は家族関係も良好
 生活環境の違いに嫉妬感情が芽生える

****専門家の分析*****

臨床心理士・長谷川(2014)
「母親の死と父親の再婚が自身の孤独感に繋がり、仲の良い家族のいる友人への嫉妬が背景にある」と分析しています。

精神科医の日向野春総
「異性同士だと、性的な意味合いが強いが、同性同士は、強いうらみやジェラシーが動機になる場合が多い。取るに足らない些細なことでも、加害者が強いうらみを抱き、鬱積させて殺害するケースがある。」と報告しています。

嫉妬は、うまくコントロールできないと、暴走してしまいます。特に破壊的な行動に結びつき危険性の高い感情なので慎重に扱う必要があるのです。

嫉妬と心理学研究

研究① 称賛欲求の強さと関連

嫉妬は以下の3つがあると考えられています。

・認知的嫉妬
認知的嫉妬は疑いやすい嫉妬です。実在・空想を問わず第三者が恋人を奪おうとしているという猜疑心の強さを意味します。

・情動的嫉妬

嫉妬した相手を排除したいという感情が情動的嫉妬です。嫉妬を喚起しうる状況に対して不快な感情を抱く排他的な度合いを意味します。

・行動的嫉妬

実在・空想を問わず関係を脅かしかねない第三者を予防・探知する行動の度合い。例えば「恋人を奪おうとしている人はいないだろうかと警戒したり、あらかじめ恋人に異性が関わらないように予防する」などのことです。

ここでは嫉妬が強いと、どのような状態になるかを心理学の研究を元に解説していきますね。嫉妬をしやすい傾向の研究を見ていきましょう。神野(2014)は、「青年の恋愛関係における嫉妬と自己愛の関連について」以下のような報告をしています。

嫉妬と自己愛の問題についての図

①「注目・賞賛欲求」が強い
「注目・賞賛欲求」と嫉妬傾向全般はいずれも有意な正の相関を示していました。これは注目されたいと願うと、同時に嫉妬しやすくなると推測されます。

② 自己愛が強いと嫉妬しやすい
自己愛の過敏性に相当する「自己愛性抑うつ」「自己愛的憤怒」 はともに嫉妬傾向全般と有意な正の相関を示していた。自己愛とは「自分が特別な人間である」という感覚を意味します。過剰になると、特別な人間なのに、周りが成功したりすると、嫉妬を覚えたりするのです。

研究② 女性の方が強い

男女によってその嫉妬の強さが変わることが分かっています。和田(2015)は、「恋愛嫉妬時の情動とコミュニケーション反応」という研究を発表し、やきもちを感じた時の男女それぞれの感じ方などを調べました。

まず、大学生186名に、上記に述べたような場面を想像してもらい、アンケートに回答してもらいました。

その結果が、以下のグラフになります。

男女の感じ方では、男女とも同じような感情が生じるものの、男性より女性の方がその度合いが強い傾向にあることがわかりました。女性は共感的であることが多いので、男性よりも「自分のことを分かってほしい」と考える傾向にあるのかもしれません。一方で、男性は論理的に物事を考えることが多いため、嫉妬の感情があまり生まれないと考えられます。

研究③ 相手の反応をうかがう日本人

和田(2015)の同研究では、さらに「相手とのコミュニケーションの取り方」「欧米のやきもちに関する先行研究」を調べています。まずは、嫉妬後の反応について見ていきましょう。研究によれば、嫉妬後の相手とのコミュニケーションの取り方は以下の4つになります。

1.否認・回避
「嫉妬をしていない」と
自分の感情を認めない、
平気なふりをして見せる

2.相手の反応確認
不安そうに振舞う、
傷ついたように見せる

3.所有の表示
自分の恋人であることを
周囲の人に紹介して見せる

4.非難・けんか
話題を何度も持ち出して責める、
恋人を非難する

この方法のうち、どんな嫉妬後にコミュニケーション反応を起こしやすかったのでしょうか。その結果が、以下のグラフになります。

嫉妬を和らげよう

このように、男女ともやきもちが強いほど、「非難・けんか」「相手の反応確認」をよく用いることがわかりました。嫉妬をするほど、相手の行動が気になってしまうようですね。さらに、和田の考察によると、「相手の反応確認」という行動は欧米での研究からは抽出されず、日本特有のコミュニケーションと言えるとのことでした。

文化的な背景として、日本では“自分の感情を相手に直接ぶつける”ということに抵抗が強く、そのため“相手の自分に対する気持ちをそれとなく確かめる”という間接的な行動によって、相手の様子をうかがってしまうのかもしれません。

3つの方法で上手にコントロール

それではここからは、嫉妬が強くなる原因は複雑ですが、今回は2つ提案させて頂きます。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

①現実検討力を高める

・誤った感情に囚われる
嫉妬の感情が起こる時は、極端で非現実的な考え方が浮かんでいることがあります。その結果、ありもしない予測を立てて嫉妬を感じてしまうのです。例えば、パートナーが異性と仕事上の飲み会に参加するといった時に以下のように考えてしまうことがあります。

・浮気するにちがいない
・相手は下心があるに決まっている
・絶対に仕事ではない

これはごく自然なことですが、考えてみると実は「現実検討能力」が欠如してしまっている可能性があります。

・現実検討をする
嫉妬は感情の1つですが、その感情が沸き起こるまでいくつかステップがあります。この流れを理解しておくことで、嫉妬に飲まれにくい心を作ることができます。感情は以下の3つのステップで起こります。

1.Activating event(出来事)
2.Belief(思考の癖、信念、固定観念)
3.Consequence(感情・結果)

「出来事」があって「感情・結果」につながるのではなく、結果にたどりつく前に「思考の癖や信念」を経て「感情・結果」に到着すると考えられています。出来事自体は変えられませんが、2番の固定概念は見方を変えれば、違う認識で捉えることができます。

思い込みが強い…という方は下記をご覧ください。
・現実検討の具体例
・思考の修正方法
・練習問題でマスター
嫉妬感情を和らげる方法「現実検討力」で改善⑤

②限界設定を定める

・見捨てられ不安が強い
嫉妬が強い人は、「自分は見捨てられてしまうんじゃないか」という見捨てられ不安を持つことがあります。見捨てられ不安が強い人は、相手に見捨てられることに対して強い不安を感じるため、しつこいメールや電話など強引な行動に及ぶ場合もあります。

・限界設定で暴走を予防
この見捨てられ不安から起きる嫉妬感情を和らげるには、自分の中で「限界を設定」することが大切です。限界設定とは、「自分には、ここまでは確かめるけど、ここから先は深く詮索しない」という区切りの部分になります。

・限界設定できない人
1.嫉妬する
2.ラインをしまくる
3.返信がないと電話しまくる
4.相手が疲弊する

・限界設定出来る人
1.嫉妬する
2.自分のなかで制限をかける 
 ⇒ラインは1日2回まで    
 ⇒返信がなくても電話は控える
3.相手と良好な関係が保てる
 ⇒相手がちょうど良い距離感を感じる
 ⇒困惑することが少ない

嫉妬感情のままに暴走してしまうと、人間関係を破壊しやすいです。本来は親しい関係を保ちたいのに、その気持ちが返って、関係を悪化させてしまうことがあるのです。

相手と健康的な距離感で付き合いたい方は下記をご覧ください。
・見捨てられ不安の基準
・限界設定の3つの流れ
・実践!例題でトレーニング
嫉妬感情をなくす方法「限界設定」とは⑥

③マインドフルネスで冷静になる

嫉妬とうまく付き合っていく方法としてマインドフルネスを紹介します。マインドフルネスとは簡単に説明すると「気付き」という意味で、恐怖、怒り、悲しみ、気持ちが良い、痛いなどの感覚とうまく付き合う方法です。嫉妬もまずは気づくことが重要です。なぜなら嫉妬に駆られているときは、自分が嫉妬していることすら忘れてしまって、破壊的な行動をしてしまうからです。

気づきを重ねると、さまざまな感情がいまこの瞬間にただ感じたことに過ぎないと感じるようになっていきます。自分の考え方を客観的に捉えることができると、強い嫉妬心をコントロールする力となってくれます。

マインドフルネスについてさらに知りたい方は下記をご覧ください。
・瞑想と不安
・マインドフルネス7要素
・練習問題でマスター
嫉妬感情を和らげる方法「現実検討力」で改善⑤

嫉妬を上手にコントロールする


ここで30秒だけお知らせをさせてください♪ 私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、暖かい人間関係のある社会を創ることを目的として、コミュニケーション講座を開催しています。

心理療法やソーシャルスキルの練習を勉強したい方はぜひお待ちしています。もしコラムを読んでみて、もっと心理学を学習したいと感じたら、こちらの心理学教室のページを参照ください。それでは先に進みましょう!

3つの方法で嫉妬心をコントロール

嫉妬が強い原因には「非現実な考え方」「見捨てられ不安が強い」「冷静に考えられなくなる」の3つが大きく関わっていることがわかりました。コラム⑤~⑦では、嫉妬が強すぎないようにする具体的な方法について解説していきます。1日では難しいと思うのでブックマークしてゆっくり取り組んでみてくださいね(^^)

次回は嫉妬の意味や心理学的な定義ついてご紹介します。お楽しみに!(次のコラムへ進むボタンはもう少し下にあります)

★強い嫉妬をコントロールして 良好な人間関係を築こう

心理学講座

目次

①嫉妬しない方法-概観
②「現実検討力」で改善
③「限界設定」とは
④「マインドフルネス瞑想」

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
和田 実(2015),「恋愛嫉妬時の情動とコミュニケーション反応―嫉妬の強さおよび性との関連―」,応用心理学研究,40(3),213-223.
White, G. L., & Mullen, P. E. (1989). Jealousy: Theory, research, and clinical strategies. New York, NY, US: Guilford Press.
神野 雄 2014 青年の恋愛関係における嫉妬と自己愛の関連について 第56回総会発表論文集,496.
神野 雄 2015 嫉妬研究の概観と展望 神戸大学発達臨床心理学研究 14, 18-28.
産経ニュース 2014 「母の死から生命の不確かさ意識」「好奇心から遺体切断か」専門家ら分析.
産経ニュース 2014 動機はうらみや嫉妬の可能性 首と手首切断は証拠隠滅か 佐世保同級生殺害.