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強い嫉妬心は「愛着スタイル」で軽減

強い嫉妬心は「愛着スタイル」で軽減②

コラム①では、嫉妬が抑えられない2つの原因をあげました。具体的には「①見捨てられ不安が強い」「②冷静に考えられなくなる」でしたね。

今回は嫉妬心を強めてしまう原因の1つ「見捨てられ不安が強い」を解決するためのコラムです。

見捨てられ不安が強い場合には、自身の「愛着スタイルを知る」ことが効果的です。成功例・思考のポイント・練習問題を交えながら紹介していきます。

嫉妬が強い人は不安も強い

嫉妬が強い人は、「自分は見捨てられてしまうんじゃないか」、「自分よりもあの人の方が素晴らしいから・・・」と捨てられることへの不安が強い傾向にあります。そして、相手に見捨てられることに対して強い不安を感じるため、極端な行動を起こすこともあります。

人間関係においては、遠慮することも必要ですが、それが極端だった場合には逆効果です。そうなると、相手から自分がどのように思われているか確認することが増えてしまい、逆に相手から距離を置かれてしまう可能性もあります。

中には、何十回も電話やメールをしたり、応じなければ夜中に押しかけるといった強引な行動に及ぶ場合もあります。そのため、さまざまなことで相手へすぐに確認することが増えてしまいます。不安を軽減して嫉妬心をコントロールする

このような状態が続けば、相手もどんどん遠ざかってしまい、他者への嫉妬も強くなっていきます。このすぐに確認することを抑えていくことがカギとなります。

まずはひんぱんな確認の原因となってしまう不安を解消するために、愛情・愛着の感じ方を見ていきましょう。

愛着スタイルとは?

そもそも愛着とはどのようなことでしょうか。

愛着を簡単に表現すると「親と子や恋人・夫婦などの親密な関係における情緒的な絆」のことをいい、愛着スタイルはこういった愛着の示し方や特徴のことを示しています。

愛着スタイルにはいくつか種類があります。その中から自分の愛着スタイルを知ることで、自分にどのような傾向があるかがわかり、強い不安による嫉妬を抑えることができます。

まずは、愛着スタイルの種類を見ていきましょう。

3種類の愛着スタイル

成人の愛着スタイルについて、Hazan&Shaver(1987)は大きく3つの種類に分類しています。

安定型
親密さや依存を快く思い、対人関係における不安が少ない。恋愛においても、幸せで、信頼できる関係が築きやすい傾向。

アンビバレント型
極端な親密性を対人関係に求め、相手から見捨てられることや愛の欠如への不安を感じている。恋愛においても、相手への没頭 (嫉妬や脅迫的な感情を相手に感じる)、性的に強く惹きつけられており、情緒の起伏が激しい傾向。

回避型
親密さを不快に感じており、他人に依存することを嫌う。恋愛においても、親密さからの回避や不安、相手を受け入れにくい傾向。

3つの愛着スタイルの中で「アンビバレント型」や「回避型」は、強い嫉妬を抱きやすいことが心理学の研究で分かっています。

ここで心理学の研究から、愛着スタイルについて見ていきましょう。

気を付けた方が良い愛着スタイル

愛着スタイルの感情の抑制について牧野(2016)は下記のように報告しています。

愛着スタイルについての図

この図から次のことが読み取れます。

アンビバレント型
・対人関係の中で、常に両価的な価値の板挟みになる
・感情表出場面では、その感情を相手がどのように受け止めるかについて両価的な判断基準の狭間で葛藤を抱えやすい
・一方的に感情表出を抑制するのではなく、受け入れてもらいたいという欲求も同時に兼ね備えている

回避型
・喜びの感情を抑制する傾向にある
・感情表出が相手との関係性に与える影響についてマイナスに予期する
・ポジティブな見通しを持ちにくい

先ほどご紹介した、Hazan&Shaver(1987)の3種類と照らし合わせるととても特徴的であることがわかります。

アンビバレント型」や「回避型」は、相手に嫉妬を感じやすく、対人関係において葛藤を抱え込んでしまう傾向があることがわかりますね。

嫉妬を感じやすい2つの愛着スタイルから生じる問題と考え方・解決策を見ていきましょう。

嫉妬への対処法・問題への考え方

Hazan&Shaver(1987)・牧野(2016)のものをもとにして、以下のような考え方が良いでしょう。

アンビバレント型
不安が大きく、相手にしがみつくタイプ
どう評価されるか気になり、拒否されたり、見捨てられることを極度に心配する。そのため、葛藤が生じてしまう問題がある。

<考え方>
時には自分を大切にして、葛藤状態から脱する。人はそう簡単に見捨てないと思うようにする。

回避型
不安が高く、他者との関係を回避するタイプ
「きっと嫌われる」「人は私を見捨てて去っていくだろう」と予期して、親密な関係を回避する問題がある。

<考え方>
マイナスな予期は控えて、プラスに考える。適度に他者を信用するようにする。

愛着スタイルに合わせて嫉妬を克服するこのように、それぞれの愛着スタイルの特徴から、嫉妬への対策を導き出していきます。練習を重ねていくことで、自然とやり方が身についていきます。

さっそく練習問題で実践してみましょう。

練習問題で習得しよう!

先ほどご紹介した愛着スタイルの踏まえながら練習問題を進めていきましょう。

練習問題
以下の嫉妬場面で、2つの愛着スタイルでの嫉妬を取り上げています。それぞれの対策・考え方を出してみてください。

<花子さん>
・1年交際している太郎さんがいる
・花子さんと太郎さんは同じ職場
・花子さんは嫉妬深い性格
・同僚にAさんがいる

職場の同僚Aさんと、太郎さんが仲良く話すところを見てしまいました。1回目は気になりませんでしたが、違う日にもAさんと太郎さんが話しているのを見て、太郎さんに対する嫉妬深さに悩むようになりました。次第に、太郎さんのスマホをチェックするようになったり、行動を監視するようになってしまいました…。

1:アンビバレント型の嫉妬
自分にはこの人しかいない。自分以外の人と親しくされると不安になる。でも、相手のことを思うとなかなかうまく伝えられない。

<嫉妬しない考え方>

 

2:回避型の嫉妬
この人もどうせ自分を見捨てるのだろうか。今のこの恋愛は長続きしないのだろう。

<嫉妬しない考え方>

 

解答例
1: アンビバレント型
⇒たまには、自分の気持ちをハッキリ相手に伝えてみよう。自分以外の人と親しくされても、相手を信頼しよう。

2: 回避型
⇒マイナスな予期は控えて、プラスに考えよう。今まではそうだったかもしれないが、今回は違うと思う。交際相手も友人も信用してみよう。

嫉妬の気持ちと上手に向き合う

不安を克服!強い嫉妬をコントロール

練習問題はいかがでしたか。嫉妬が強いと感じてしまった時には、こういった愛着スタイルを意識していきましょう。

愛着スタイルは、無理に変えようとはせずに、「どのように対応すればいいのかな?」「今の気持ちはあっても悪くはないよね?」と考えることが大切です。

練習を繰り返す事で、不安を克服できるようになり強い嫉妬をコントロールすることができるようになります。

次回は、強い嫉妬の対処法「マインドフルネスで冷静になる」についてご紹介します。お楽しみに!(次のコラムへ進むボタンはもう少し下にあります)

★愛着スタイルの特徴から不安を解消!嫉妬を上手に抑えていこう

次のコラムへ進むボタンはもう少し下にあります。コラムだけでなく、実際に心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は心理学講座、実践練習をしたい!という方は社会人講座をお勧めしています。私たちが講義をしている講座となります。それでは次のコラムへ進みましょう!

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
Hazan, C. & Shaver, P.R. 1987 Romantic love conceptualized as an attachment process journal of Personality and Social Psychology,52,511-524.
牧野真由子 2016 高校生における愛着スタイルと感情抑制の関連 金城学院大学大学院人間生活学研究科論集 16, 21-26.