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情緒不安定を診断・対処法

情緒不安定,診断と原因と対処法をチェック


情緒不安定の原因と対処法・臨床心理士監修①

情緒不安定を専門家が解説します

当コラムは「情緒不安定」をテーマに臨床心理士である、兵働・橋爪が解説をしています。私たちは臨床心理士として、お悩みを抱える方や、精神疾患を抱える方への援助活動を行っています。

全部で5コラムあります。しっかりと対策をお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。是非お付き合いください。

情緒不安定と深刻な問題

みなさんは情緒不安定だと感じることはありますか?急に泣き出してしまう…急に怒り大声をあげる…かと思えば、すごくハッピーな気分になる・・・気分の波が大きい自分自身に疲れてしまっている方もいるかもしれません。

メールを何度も送ってしまったり、返信がないとすごく怒ってしまう、昨日まで大好き!と言っていたのに、次の日は大嫌いになる・・・感情が行ったり来たりする方もいます。

・連絡を頻繁に取ろうとする

・交際相手といつも不安定 

・急に絶縁したりする

・見捨てられるかも?と不安になる

もし上記のような傾向がある方は情緒不安定になりやすいと言えるでしょう。情緒不安定は自分の気持ちが安定しないだけではなく、身体の調子にも影響します。気分が落ち込んだから食べ過ぎてしまう、買い物し過ぎてしまう…など日常の自分の行動にも影響していたらかなり注意が必要です。

 

情緒不安定と精神疾患

人生を生きていれば、誰でも気分がハイになったり、落ち込んだりすることはあると思います。この上げ下げは人間の基本的な性格として誰しもが持っていいるものです。心理学においては現在正確には5つの代表的な指標(ビックファイブ)があると言われています。情緒不安定はそれぐらい、人間の基本的な心理なので、情緒不安定だからすぐさまNGというわけではありません。

ただし、症状が強くなると緊急性が出てくることもあります。特に病的なレベルに情緒不安定は「精神疾患」として特に注意が必要となります。まずは念のため、情緒不安定と関わりが深い精神疾患について確認していきましょう。

情緒不安定と抑うつ・躁状態

自分の気持ちや精神状態が安定せず不安になったり落ち込むことを精神医学や臨床心理学では「抑うつ」と呼びます。反対に気持ちが高ぶったりハイテンションになることを「躁状態」と呼びます。このようなプラスとマイナスの気分の幅が多い方は、双極性障害を持っていいることがあります。

双璧性障害は世界保健機構のMental disorders – Factsheetsによると6000万人以上が罹患していると統計が出されます。自殺率が高い精神疾患です。もしあなたが「死にたい・・・」と考えることがある場合はかなり注意が必要です。

情緒不安定と人格障害

世界保健機関(WHO)は『疾病及び関連保健問題の国際統計分類』第10版(ICD-10)という資料を発行しています。簡単に言えば、病気の一覧のようなものです。この中のF6分類に「境界性人格障害」という症状があります。

この障害は、不安定な人間関係や、情緒不安を抱え、過剰に愛情を示したかと思えば、次の日にはこけおろしをしてしまうなどの激しい人間関係を築く特徴があります。

イギリスの国民保健サービス2015年版では、境界性人格障害の方は6割の方が自殺を試みるという結果も出ています。もし自殺したい・・という気持ちがある方は注意して、医療機関を尋ねることをおすすめします。

もちろんこれは極端な例ですが、カウンセリングをしていると本当に境界例の方と接する機会が多いのが現状です。慢性的に情緒不安定だな・・・と感じる場合は可能性を考えてみるのも1つだと言えます。境界性人格障害の方の場合も、後ほど紹介する、感情のコントロール手法であったり、認知療法的な対処をすることが多いです。

 

情緒不安定傾向の診断・チェック!

ここまで、情緒不安定の問題や予防的に精神疾患についてご説明してきました。病気でないにしても、人間ですから生きて入れば怒ったりイライラしたりもする…筆者である私たちも痛感しています。でも大丈夫です!しっかり対策を練れば、ゆったりした心で行動できるようになりますから。

ここで、自分の心の状態を知るための、簡単な診断・チェック「情緒不安定傾向診断」をしてみましょう!

状態を表すいくつかの言葉の中から、あなたの今の気分にどれくらい当てはまるかを調べます。以下の項目から最も当てはまるものを一つ選んでください。回答が終わったらすべての項目の得点を合計してくださいね。

 

 診断・チェック!情緒不安定傾向を確認

10点~20点 今の情緒不安定傾向は低めです。
普段情緒不安定になることは少ないでしょう。感情は安定的メンタルヘルスも良好だと言えます。周りの人からは、落ち着いている、安心して付き合うことができると思われていることが多いでしょう。

ただし、環境の変化やストレスを強く感じると、情緒不安定になる可能性もあります。予防として、定期的に診断をしてみて、心の状態を診断・チェックしましょう。もし状態が悪くなったら、下記の対策なども試してみてください。


21点~30点 今の情緒不安定傾向は中程度です。

日常生活の中で情緒不安定になることがたまにある状態です。人と接する際に精神的に不安定になることがあり、ストレスをためやすい傾向にあります。感情の起伏について、自分自身が巻き込まれることが多い場合は、コラムで紹介する情緒不安定を改善する対処方法を実践してみましょう。生活の中で意識して、情緒不安定な性質とうまく付き合うようにしましょう。

前向きにとらえると情緒不安定な方は、共感性が高いという研究もあります。感情の揺れ動きは全てが悪いというわけではなく、人の気持ちを理解できるという魅力を持っているとも言えます。


31点~40点 今の情緒不安定傾向は高めです。
情緒不安定になりやすいと言えます。前向きにとらえるとすると、感情が豊かで魅力的な一面を持っているとも言えます。ある研究では情緒不安定な方は共感性が高い一面も持っています。人の気持ちを感じ取りやすいという傾向があるようです。

ただし、マイナスに働くと、気分に巻き込まれて、生きづらさを感じることもあるかもしれまあせん。感情の揺れ動きに自分自身が巻き込まれてしまい、ストレスを感じている方が多いと言えます。情緒不安定の改善法も対策として実践してみましょう。点数が高めなので、状態が悪い場合は、専門家を頼ってみるのも一つの手段としてあります。

定期的にチェックしてみよう

気をつけてほしいのは、これはあくまで「今の」あなたの状態ということです。時間と共に、心の状態は常に変化します。できれば月に一度ほど情緒不安定の診断・チェックを行い、自分を見つめ直しましょう。自分を知ることで、情緒不安定が大きくなる前に対処できるようになります。下記対処法を記載しています。

情緒不安定を改善する3つの方法

情緒不安定傾向の診断・チェックをして、今の情緒不安定傾向を知ったところで、今度は原因と対処方法を考えていきましょう。情緒不安定になってしまう原因と解決策は、大きく分けると3つあります。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

① マインドフルネスで感情を客観視する

・冷静になれない

情緒不安定になりやすい人は、自分自身の感情に巻き込まれ、右往左往してしまう傾向があります。感情の赴くくまま行動してしまう・・・一度感情的になるとなかかおさまらない・・・という方は要注意です。自分を客観視することが苦手だと、感情の赴くままに行動してしまうことになります。とはいっても、冷静になることができないから困っている方も多いと思います。

・グーグルでも採用!マインドフルネス

そこで、本コラムでは情緒不安定な気持ちとうまく付き合っていくために「マインドフルネス認知療法」という技法を紹介させて頂きます。マインドフルネス認知療法は、心に浮かぶ考えや気持ちを、一歩離れて観察することで冷静になる心理療法です。グーグル社でも研修に導入されたこともあり、現在注目されている心理療法の1つです。

マインドフルネス認知療法では、否定的な考え方や、ネガティヴな考えが浮かんだら、その考えにとらわれるのではなく、「観察」する訓練をしていきます。感情のコントロールが苦手・・・という方はコラム②で対処法をご紹介していきます。

②柔軟な考え方を身に着ける

・極端な考えが強い

情緒不安定になりやすい人は、周囲の人からの評価や言葉にとても過敏なところがあります。相手の言動を気にしすぎて、自分の感情が大きく揺さぶられてしまうのです。特に物事を極端に考えることを「白黒思考」、1つの出来事をどんどん悪い方向へ考えてしまうことを「過度の悲観」と言います。どちらにしても、情緒不安定な人は、極端に考えすぎる思考のクセがあります。

・認知療法で柔軟に

認知行動療法という心理療法では、必要以上に極端な考え方をしていないかチェックする訓練をします。柔軟な思考を身に着ける、感情が極端に揺さぶられることが少なくなり、気持ちを安定させることができます。

特に、情緒不安定になりやすい人は、完璧主義な人が多いと言えます。認知療法の基礎を創ったアルバート・エリスは、完璧主義的な心理を「非合理信念 (irrational belief) 」と定義します。

情緒不安定な方は、失敗や矛盾点に人一倍敏感です。想定していた結果が出ないと情緒不安定になってしまいます。情緒不安定を改善するには「曖昧さ耐性」が必要です。曖昧さ耐性とは、白黒つけるのではなく“グレーゾーンで良しとする”心の心理です。

極端な考え方をしてしまうなあ・・・悲観的に考えすぎてしまうな・・・という方はコラム③で対処方法を学ぶことをお勧めします。

③ 安全基地で情緒不安定を防ごう

・不安定な環境が多い

気持ちが安定するためには、家族関係や人間関係の安定、ほっとできる場所、物の存在が必要になります。自分の周りにそうした“安心できる”ものが少ないと必然的に情緒不安定になりやすくなってしまいます。特に、家族関係として「幼少期の母子関係」と「過去のトラウマ体験」が大きく影響していると言われています。

幼少期の母親との信頼関係は、子供にとっていわば「安全基地」で、その後の対人関係の基礎となります。それがうまく形成されないと、不安を感じやすくなり、情緒不安定になりやすいとされています。

・安全基地を捜そう

ただ大人になると現実問題として、母親の愛情を受けなおすということは難しいのが現実です。しかし、あきらめることなかれ!今の家族関係、友人関係でも、充分安全基地を見つけることはできます。

安心できる場所がない・・・という方はコラム④で、安心できる場所はどこか?一緒に対処方法を考えてきましょう。。

 

情緒不安定は改善できます!

情緒不安定傾向の診断・チェックの結果はいかがでしたか。情緒不安定になると対人関係もうまくいかなくなり、思い悩んでばかりで必要以上にエネルギーを使い心も身体も疲れてしまいます。「情緒不安定なのは自分の性格だから仕方ない」と諦めないでください。気持ちを安定させるコツを知ることで、情緒不安定は少しずつ改善できます。

 

1日では難しいと思うのでブックマークしてゆっくり取り組んでみてくださいね(^^)

コラム② マインドフルネスで感情を客観視する
コラム③ 柔軟な考え方を身に着ける
コラム④ 安全基地で情緒不安定と防ごう

 

次回のコラムは、情緒不安定になる原因の一つ目「感情のコントロールが下手」の対処法をご紹介します。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★ 情緒不安定は マインドフルネス、柔軟な考え方、安全基地捜しが解決のカギ

 

*出典
・『パーソナリティ障害とむきあう―社会・文化現象と精神科臨床』林 直樹,日本評論社(2007)
・『人格障害の臨床評価と治療』林直樹,金剛出版(2002)
・抑うつの鑑別を極める 野村総一郎(編)医学書院(2014)



専門家が3つの原因をご紹介します。今の傾向を知って改善していきましょう。