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情緒不安定の症状を招く「極端な考え方」の改善方法

情緒不安定,症状


情緒不安定の症状を改善!極端な考え方の修正手順を心理の専門家が解説③

考え方を見直して情緒不安定を改善!

コラム②では、情緒不安定の原因の1つである「感情のコントロールが下手」の解決方法を考えました。ポイントは、マインドフルネスの姿勢で「距離をとること」「切り替えること」でしたね。

今回は情緒不安定になる原因の2つめ「考え方が極端すぎる」についてです。情緒不安定な人に多く見られる極端すぎる考え方。それに気づき、物事を柔軟に考えられる方法を、練習問題を交えながら解説していきます。

 

情緒不安定な人の考え方の特徴

情緒不安定な人の考え方とは

情緒不安定な人は、他人の言動や出来事に対して過剰に反応してしまいます。そしてそれを、

「自分のことを言っているのか?」
「自分のせいでこうなった」

と、ネガティブに考えてしまいます。その結果、落ち込んだり、他者に対して怒りを感じたりと、気分の波が激しくなり、情緒不安定になります。皆さんもこんな経験ありませんか?

何でもネガティヴにマイナス思考をしてしまうことを臨床心理学では「認知の歪み」と呼びます。認知とは自分の考え方のことです。なので認知の歪みは「考え方のクセ」と捉えることができます。

先ほどのような認知の歪みが起きると、「自分はダメだ…」と自分を責めて落ち込んでしまったり、「アイツはとんでもない奴だ!」と激しく怒ったりし情緒が不安定になります。

まず、自分の偏った考え方のクセは何だろう?と理解できることが自分の心を楽にする一歩といえます。

極端な考え方が情緒不安定を招く

ここで、極端すぎる考え方で情緒不安定になりやすいカトウさんの例を見ていきましょう。

カトウさんは、「連絡が来ないととても不安になる」という悩みを持っていました。ラインなどで既読がついたのにも関わらず、相手からの返信がないと、「もう嫌われたのかもしれない」とすぐに考えてしまいます。

感情の波が激しくなり、突然怒りがわき上がったかと思えば、落ち込んで何もやる気が起きないなど、情緒不安定の症状が悪化してしまいました。

情緒不安定な人の考え方の特徴

カトウさんは

既読が付かない

無視された!
嫌われたに違いない

不安が増大

という悪循環のパターンを持っていました。この考えのことを、心理療法の一つである認知療法理論の中では「自動思考」と言います。言い換えるなら「考え方のクセ」です。

極端な考え方を対策する手順

まずは自分の極端すぎる考え方のクセに気づき修正することが、情緒不安定の対策になります。

修正の手順は次の通りです。

①考え方に気づく
②文字に起こす
③別の視点で考える

まずは、「自分の考え方の癖に気が付く」ことからスタートします。そして次に、「自分の考えを文字に起こしてみる」ことです。

カトウさんの例で言えば、「無視された=嫌われた」という根本的な考えがあるのです。こうして文字にすると、客観的に見ることができ、考え方のクセを見つけやすくなります。そして最後に「別の視点で考える」を試してみましょう。

例えば
・今日は仕事が忙しいのかも
・そういえば体調が悪いと言っていた
・疲れているのかも
・ラインの回数が多いかも

最初の考えにとらわれず、様々な視点を持つことは、情緒不安定を改善することにつながっていきます。

情緒不安定を改善するポイント

4つの方法で情緒不安定を改善このように、極端な考え方のクセが情緒不安定を引き起こし、考え方のクセに気づき修正することが情緒不安定への対策になるということが分かりました。

ここでは、情緒不安定への対策手順を行う上でのポイントを紹介します。重要なので詳しく解説しますね。

①極端な考えをしていないか?
必要以上に極端な考え方をしていないかチェックします。情緒不安定な人は、物事を0か100か、白か黒か、はっきりさせたい傾向があり、グレーゾーンを好みません。

この考え方を「白黒思考」と言います。例えば「絶対に」「全部」など、自分自身に全ての責任を押し付けていないか確認しましょう。

②「〜すべき」と決めつけていないか?
情緒不安定の人は、「私は〜しなければならない」「あなたは〜すべき」と、決めつけてしまう傾向にあります。

この考え方を「べき思考」と言います。自分もしくは他者に対して、根拠のない義務感を押し付けていないかチェックしましょう。

③他の人ならどう思う? 
情緒不安定な人は、自分の考えにとらわれて、物事を客観的に見られなくなっています。ひとまず自分の考えは置いておき、「他の人ならどう考えるだろう」という視点で考えると、別の視点が思いつきやすくなります。

④「でも」「しかし」を使う
ネガティブな考えしか浮かばない時に、その考えの後に「でも」や「しかし」をつけてみましょう。

例えば、「自分のミスのせいだ」と考えた後に「でも」「しかし」をつけます。すると、「自分のミスのせいだ。でも(しかし)事前に上司がちゃんとチェックしなかったせいでもある」と、別の視点で考えることができます。

みなさんにも認知の歪み、考え方のクセはありましたか?極端な考え方は、気づいて修正することが対策となりますから、ご紹介したポイントを活用してみてくださいね。

これからはちょっと一息ブレイク。これらのポイントを心にとめながら、練習問題を進めていきましょう!

 

練習問題でポイントを確認

以下に示す場面での「考え方のクセ」と「別の視点での考え」を見つけましょう。

練習問題
あなたは休日に街で後輩を見かけました。その後輩もあなたに気づいたように思いましたが、挨拶をせずに通り過ぎてしまいました。あなたは「後輩なら先輩に会ったら挨拶すべきだろう。なんて無礼なやつだ!」と思い、とてもイライラした気持ちになりました。

【考え方のクセ】

 

【別の視点での考え】

 

 

解答例
【考え方のクセ】
・「どんな時でも挨拶すべき」
・「挨拶できないとは無礼な人だ」

「考え方のクセ」としては上の2つのような解答例が考えられます。1つ目は「べき思考」で、2つ目は「挨拶できない=無礼」という、極端すぎる考え方をしています。

【別の視点での考え】
・「休みの日だし、必ずしも挨拶しなければいけないわけではない」
・「一度挨拶しなかっただけで、無礼とは決めつけられない」

別の視点で、「必ず挨拶しなければ」という点を考え直していますね。相手がたまたま気づかなかっただけかもしれないし、挨拶しなかったというだけで「無礼」と決めつけてしまうのは早合点でしょう。

情緒不安定には“グレーゾーン”も必要

情緒不安定を克服する考え方のコツ練習問題をやってみていかがでしたか。「極端すぎる考え方のクセ」は思いついても、「別の視点の考え」は少し難しかったかもしれませんね。練習していくことで少しづつ思いつきやすくなるので安心してください。

情緒不安定になりやすい人は、完璧主義な人が多く、「白黒思考」や「べき思考」が強い傾向にあります。自分にも他人にも厳しく、期待通りの結果が出ないと情緒不安定になってしまいます。

完璧主義は、時に良い結果をもたらしますが、世の中に“絶対”は、ほぼありません。特に対人関係においては、人それぞれ価値観が違うので、絶対的に正しい答えはありません。

このことに気づいて、白黒つけるのではなく“グレーゾーンもある”ということを意識すると、少し気が楽になるかもしれませんね。

次回の情緒不安定コラムでは、情緒不安定の原因の3つ目「安心感が少ない」についてご紹介します。お楽しみに!

★ 考え方のクセに 気づいて 情緒不安定を改善しよう

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コミュニケーション講座

*出典・参考文献
認知行動療法 坂野 雄二 著 日本評論社
認知行動療法を学ぶ 下山晴彦 編 金剛出版



考え方のクセに気づく事からはじめよう