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情緒不安定の意味や対処法を紹介します。

情緒不安定,意味


情緒不安定の意味や対処法を紹介④

コラム③では、情緒不安定の原因の1つである「考え方が極端すぎる」の意味と解決方法をご紹介しましたね。自分の気持ちを決めつけずに、別の視点やグレーゾーンを意識することが大切だとわかりました。今回は情緒不安定の原因の3つめ「“安心感”が少ない」について考えていきます。

情緒不安定には安心感を?!

人は“安心感”があると、落ち着いて物事に取り組み、チャレンジすることができます。あなたにとっての“安心感”とは何でしょう。

幼い子供にとっては母親の存在、大人にとっては家族や恋人、親しい友人といる時に安心を感じるかもしれません。また、人に限らずリビングやベッドの上、トイレが安心するという人もいるかもしれません。

情緒不安定な人は、このような安心感をあまり感じられていない可能性があります。安心感がないと、不安を強く感じやすいという状態になり、情緒不安定傾向が高まります。

「愛着」と情緒不安定の関係

どのようにして人間関係をつくり維持するかなど、成長の過程や人との信頼関係や安心感をつくる「愛着」という心理学の視点で考えられることがあります。

愛着とは、成長する過程でつくられる情緒的な特別な感情のことです。少し難しく書いてしまいましたが、「大好き」「ホッとする」といった安心感をつくる感情です。心理学の言葉でなくても、「この鞄は愛着があってどうしても捨てられない…」なんてみなさんが使うことがありますね。

 

安全基地を捜そう

心理学では、愛着の理論というと赤ちゃんとその母親と関係を指すことが多くあります。赤ちゃんは世話をしてくれる母親に甘え懐きます。自分のことを守ってくれる存在だと安心し信頼するのです。

そしてその安心感を「安全基地」にして赤ちゃんや子どもはさまざまな冒険を始め成長します。1人で立って歩いたり、公園デビューをしたり、はじめてのお遣いをしてみたり…親の安心と信頼をゲットした子どもたちは、「自分は大丈夫」という自信と、少しの不安を抱えながら成長していくのです。

 

この安全基地と信頼が将来の人間関係の大きなポイントになります。世話をしてくれる母親やその家族、関わってくれた人などにポジティブな感情で信頼することができれば、同じように他人を信頼することができます。そうすれば、自由に自分を表し人と付き合っていけることができるのです。

 

 

安心を見つけて情緒不安定を緩和

一つ私のクライアントさんの例を挙げてみたいと思います(*個人情報があるので少し変えています)大学1年生のヤマグチさんは、自分の情緒不安定さに悩んでいました。

調子の良いときは友達といても楽しいし、課題のレポートもはかどります。しかし気分が落ち込んでいる時は、何も手につかずに、誰とも過ごしたくないと思ってしまいます。今年入学した大学でも、なんとなく居心地の悪さを感じていました。

自分にとって安心できる人や場所とは

ヤマグチさんは自分にとっての“安心感”とは何だろうと考えるようになりました。人について考えた時は、まず家族が思い浮かびました。そして大学では、親友のヤマダさんといる時が一番楽な気持ちでいられると思いました。

場所については、一人になれるトイレや大学の屋上が落ち着ける気がします。ヤマグチさんは今まで、大学には自分の居場所がないように感じていましたが、ちょっと考えてみると、一緒にいて落ち着く相手や一人で安心できる場所があることに気づきました。

情緒不安定な人は、
「こんなダメな自分がここにいていいのだろうか?」
「自分は必要とされているのか?」
と、常に不安に感じて、情緒不安定になってしまうようです。そんな状態では、日常の中にある安心感に気づくことがなかなかできません。

「日常生活を見つめ直して、“安心感”を見つける。」

それだけでも、情緒不安定を和らげる効果があるのです。

 

① “人”について考えよう

今度はみなさんの番です!まずは、一緒にいて落ち着く人、楽な人を考えてみましょう。

これは一人にしぼる必要はなく、何人考えても大丈夫です。「誰かと一緒にいるだけで落ち着けない」という人は、「いない」という答えもアリです。ただ、できればその中でも「この人なら少しは大丈夫かな」という人を思い浮かべるといいと思います。例えば、

家族…祖父、祖母、母親、父親、兄、姉、弟、妹
親戚…叔父、叔母、いとこ
友達…小学校時代、中学校時代、高校時代、大学時代、飲み友達、趣味友達、恋人、先生、先輩、後輩、上司など

あなたにとって、一緒にいて落ち着く人、楽な人は誰ですか?

 

②“場所”について考えよう

次に、落ち着く場所、安心できる場所について考えてみましょう。

これも一つにしぼる必要はなく、いくつ考えても大丈夫です。出していく時は「家」という大きなくくりではなく、「リビング」「トイレ」といったように、具体的に考えましょう。例えば

家…リビング、寝室、トイレ、浴室、ベランダ
学校…屋上、教室、トイレ、部室
会社…屋上、食堂、トイレ、休憩室
公園、喫茶店、居酒屋など

あなたにとって、落ち着く場所、安心できる場所はどこですか?

 

安心できるものをたくさん見つけよう!

“安心感”を与えてくれるのは、人や場所だけとは限りません。例えば、お気に入りのハンカチや、小さい頃から一緒のぬいぐるみなど、“物”もあります。自分の周りの安心できるものを、たくさん見つけてください。改めて“安心感”の存在を考えると、自分が思っていた以上に安心に囲まれていると気づいたのではないでしょうか?

安心できる場所に気づくことができれば、そこで何をしている時、どんな雰囲気の時など、自分にとっての「安心」について具体的に考えてみましょう。具体的に理解できることで、人への安心感を育てるきっかけになることもあります。

情緒不安定になってしまったときは、今回考えた安心できる“人、場所、物”の存在を思い出し、積極的に関わることで気持ちを安定させていきましょう!そして自分の心の中にある安心感を人への愛着として育てることで、人間関係の輪を広げてみてください。

次回のコラムでは、これまで解説してきた情緒不安定コラムのまとめをしていきます。一緒に確認していきましょう!

★ 情緒不安定は“安心感”も影響する
★ “安心感”に気づき、エネルギーをチャージしよう
★ たくさんの安心を見つけて情緒不安定に対処しよう

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*出典
情動への評価と愛着への関連 奥村 弥生,山梨英和大学紀要(11, 18-26, 2012)
よくわかる臨床心理学 山口 創著 川島書店
心理臨床大事典(改訂版)培風館



3つ目の原因、安心感が少ないについて考えていきます。