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緊張しない方法‐認知療法

緊張しない方法‐認知療法で感情を見直す②

コラム①では、緊張を高めてしまう3つの原因と対処法をご紹介しました。今回は緊張しない方法の1つ「認知療法」について考えていきます。具体的な手順とワークシートもありますのでぜひ利用してください。

緊張の原因・始まりを確認

認知療法では、「きかっけとなる出来事」「認知的評価」から感情の揺れ動きを改善していきます。

・きかっけとなる出来事
緊張の元となる出来事です。まずはストレスの元は何か?を具体的にしていきます。たとえば、発表会や大会の本番、初デートなど。

・認知的評価
出来事の感じ方を評価することです。ストレスになりそうな出来事を、自分がどのように評価するか?という考え方をいいます。

緊張は、認知的評価の結果を経て始まる感情です。そのため緊張しやすい場合は、認知的評価を見直してみると、緊張しない状態を作りやすくなります。

緊張しない方法認知療法を解説

認知的評価は4つの手順

認知的評価は、

step1 感情の確認⇒%で
step1 認知を把握する
step1 認知の歪みを見直し
step1感情を再チェック⇒%で

という4つの手順で進めていきます。正式にはもう少し厳密に行いますが、今回は簡易的に説明させていただきます。

step1 感情の確認

まずは緊張につながる「感情の大きさ」を把握します。以下のAさんを例にして考えてみましょう。

「Aさんはピアノの全国大会に学校代表として出場します。先生の指導や家族のサポートを受けながら、時間をかけて練習してきました。1週間前になって緊張が大きくなってきました…」
      ↓    
 不安(80%)恐怖(50%)

まずは冷静に、緊張の元となる感情の大きさを分析します。認知療法では上記のようにパーセンテージで示すことが多いです。

step2 認知の把握

感情が確認できたら「認知」を確認します。認知とは、感情の裏側にある考え方です。たとえば、例のAさんは不安(80%)でした。しかしそれは以下のような考え方の影響を受けている可能性がとても高いと言えます。

・緊張してぎこちなくなってはダメだ
・上手に弾けないと評価が下がる
・先生や周囲の期待を裏切ることになる

このような、やや極端な考え方を「認知の歪み」と言います。緊張しやすい人の多くは、このような認知の歪みが見られます。

step3 認知の歪みを見直す

次に「認知の歪み」を見直してみることにチャレンジします。

考え方を見直して緊張を緩和Aさんの例で、認知の歪みを見直していきましょう。

見直し前
・緊張してぎこちなくなってはダメだ
・上手に弾けないと評価が下がる
・先生や周囲の期待を裏切ることになる

見直し後
「緊張するのは自然な事。無理に抑え込まない。緊張する自分を受け入れながら弾く事に集中しよう」

「大きな大会だから不安になるのは当然。普段の練習通りのことを全力でやってみよう。精一杯やったら結果はついてくるだろう」

このように、自分が納得できる形で認知の歪みを修正していきます。

step4 感情を再チェック

認知の歪みを修正したら、もう一度、感情を分析します。

不安(60%)恐怖(30%)

step1で確認した、感情の大きさと比べてみましょう。

Aさんの場合は、
不安(80%)恐怖(50%
    ↓     ↓
不安(60%)恐怖(30%
緊張につながる感情のパーセンテージが下がっていますから大成功といえます!

もしパーセンテージが下がら時には、再度チャレンジしてみてください。練習をくりかえすことで、自分の考えをゆったりさせることができる方が多いですよ。

実践!認知療法(ワークシート付)

ここからは、認知療法を実際にやってみましょう。各手順で書き出ししながら行うため、紙やメモ帳を用意します。スマホのメモ帳でもOKですよ。

①出来事・シュチエーション
②認知的評価(4つの手順)
 step1 感情の確認⇒%で
 step2 認知を把握する
 step3 認知の歪みを見直し
 step4 感情を再確認⇒%で

▼こちらのワークシートもご利用ください。

認知療法ワークシート

外在化が緊張をゆるめるカギ

あなたの認知の歪みは、どのようなものでしたか?また認知的評価の練習で、緊張の元となるストレスを下げることはできましたか。認知療法では、書き出すことを「外在化」と言います。外在化することで、ストレスにどっぷり浸かっていた状況や反応から距離をおき、少し離れたところから眺めることができます。

自分の感情を客観的に眺めてみることで、状況の理解や整理、新たな気づきにつなげることができます。緊張しない状態を無理に作ろうとはせず、まずは自分を観察すること始めてみてください。次回は、緊張しない方法の一つ「緊張受け入れ法」をご紹介します。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★緊張しない方法「心理療法」4つの手順で感情を捉えよう

次のコラムへ進むボタンはもう少し下にあります。コラムだけでなく心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は下のお知らせをクリックして頂けると幸いです。私たちが講義をしている講座となります。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・金沢実, 中島竜太郎, ロバート・キング・マートン みすず書房 1961 社会理論と社会構造
・大原健士郎1997 神経質性格、その正常と異常 森田療法の科学 講談社