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緊張を和らげる方法入門⑤‐受け入れ法

緊張を和らげる方法入門⑤‐受け入れ法

コラム⑤では緊張を和らげる受け入れ法を解説していきます。

全体の目次
入門①緊張してしまう原因
入門②私的自己意識法
入門③思考の歪みを改善
入門④スモールステップ法
入門⑤受け入れ法

入門コラム①では、緊張は心理的な影響と、遺伝など変えることのできない部分があることをお伝えしました。

入門⑤は特に、遺伝など変えることのできない部分とうまく付き合っていく方法です。是非参考にしてみてください。

緊張を強めるネガティブな心の働きとは

心には拮抗する作用がある

まずは「精神の拮抗作用」という重要ワードを紹介します。

精神拮抗作用とは

精神の拮抗作用とは、神経症の治療で有名な森田療法の考え方の1つです。具体的には

1つの事を考える
   ↑↓
反対の考えが浮かぶ

という心理です。

心には2面性がある

いくつか例を挙げます。

褒められてうれしい
  ↑↓
そんなに大した人間ではない


絶対に成功させたい
  ↑↓
失敗したらどうしよう


緊張はしたくない…
  ↑↓
緊張してもしょうがない

このように私たちの心は、
多くの場合、ある感情が揺れ動くと別の感情を探し求めやすくなります。

緊張と精神の拮抗作用

どちらかにこだわるとバランスが崩れる

心は2つの心で天秤のようにバランスを取っています。

もし、どちらかを押さえ込もうとすると、バランスをよくするために、不安も大きくなってしまうのです。

その結果天秤の、上下運動が激しくなり、緊張が強くなってしまうのです。具体的な事例で見てみましょう。

事例1:緊張したくないAさん

本番直前と緊張

就職の面接に臨む花子さんは、
「本番で緊張したらどうしょう・・・」
と不安になりました。そしてそれを打ち消すように、
「緊張してもしょうがない…」
と自分の中で暗示をかけ始めました。

緊張へのこだわりが緊張を増幅させる

花子さんは、何度も繰り返します!

緊張してもしょうがない
緊張してもしょうがない
緊張してもしょうがない
緊張してもしょうがない

すると、どんどん緊張している自分に意識が行きます。その結果、本番になると余計にあがってしました。

頭が真っ白になってアピールしたいことが全然言えなくなってしまうのです。

Aさんのように緊張したくないからといって「緊張してもしょうがない」と強く意気込んでしまうことは、拮抗作用が刺激され、余計に緊張を高めて心の拮抗が崩れてしまいます。

事例2:緊張をある程度受け入れるBさん

太郎君と面接

これに対して、あまり緊張しない太郎君がいました。

就職の面接に臨む際の太郎君も花子さんと同じく、
「本番で緊張したらどうしょう・・・」
と不安になりました。そしてそれを打ち消すように、
「緊張してもしょうがない…」
と自分の中で暗示をかけ始めました。

緊張を受け入れる太郎君

就職の面接に臨む太郎君は、
「緊張はいやだけど、本番ではある程度緊張してしまうものだ。どちらの感情にもこだわりすぎないようにしよう」

と緊張してしまう気持ちを受け入れました。そして、太郎君は、緊張にこだわることをやめ、自己紹介の練習を頭のなかで始めました。

やるべきことに集中

太郎君は本番に臨むと、確かに緊張して手が震えましたが、それは自然なこととして、受け入れ、自己紹介に集中しました。終わるころには、緊張は取れていて、面接官の和やかに会話をしていました。

このように緊張の拮抗する気持ちにうまく対処していくには、

・緊張してはならない
・緊張してもしょうがない

この感情のどちらも認めて、自然なこととして受け入れていくことが大事なのです。

 

*講師の視点 緊張は遺伝の問題もあるのです。無理に打ち消そうともがくのではなく、緊張したくない、緊張するのは自然、という2つ拮抗する感情をどちらも認め、あるがままやるべきことをやることが大事です。

 

緊張する時の心の作用

森田療法と緊張への対処

今回お伝えした考え方は、森田療法という心理療法の基本的な考え方です。そのほか、精神交互作用、あるがまま、目的本位、気分本位という重要ワードも抑えておきたいところです。

入門編が終わって余裕がある方は下記動画も参照ください。

緊張コラムまとめ

森田療法は感情を自然なこととして受け入れる点で、なんとなく東洋人にはしっくりくるようです。緊張は私たちのご先祖様が作った感情です。とても自然な感情なのです。

ここまで以下の流れで緊張について解説してきました。

入門①緊張してしまう原因
入門②私的自己意識法
入門③思考の歪みを改善
入門④スモールステップ法
入門⑤受け入れ法

ご自身の悩みと相性がよさそうなものを組み合わせながら是非健康的に緊張と付き合ってみてくださいね。またコミュニケーション講座では心理学や人間関係を築くワークを行っています。

↓是非お待ちしています↓

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・金沢実, 中島竜太郎, ロバート・キング・マートン みすず書房 1961 社会理論と社会構造
・大原健士郎1997 神経質性格、その正常と異常 森田療法の科学 講談社