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緊張しない方法視点を変えよう

緊張しない方法「公的→私的自己意識変化法」④

コラム③では、緊張をほぐすための方法として「緊張受け入れ法」について解説しました。ぜひ繰り返し練習してみてくださいね!今回は緊張をほぐす方法の一つ「公的→私的自己意識変化法」についてご紹介します。

緊張を強める理由とは?

みなさんは緊張の原因となる、考え方のクセを知っていますか?

それはズバリ
「周りの評価を気にする」
 考え方の癖です。

評価を気にすることで「嫌われてしまうのでは…」というガティブな気持ちもつため、自分にプレッシャーを与えて緊張を高めてしまいます。

私たちは何か行動する時に、多かれ少なかれ人からの見方や評価が気になります。たとえば、服装や立ち振る舞い、女性であれば化粧など周囲の人と合っているか、TPOに合っているかなど考えることもこれにあたります。このように周囲からの自分の見方に意識が集中することを「公的自己意識」呼びます。

緊張をほぐしていこう

自己意識と緊張の関係

自己意識は、大人になる過程で備わっていきます。「自分とはなんだろう?どんな人だろう?」と考える中で、周囲からの自分への見方が育ち自分らしさを獲得していくのです。心理学では、自己意識を2つに分けています。

・公的自己意識
周囲からの評価や意見を重視する心理
・私的自己意識
自分の考え方や価値観を重視する心理

2つの自己意識と緊張について

たとえば、好きな異性とご飯を食べているとしましょう。

公的自己意識が高い人は
「マナー良く食べられているかな?」に集中
私的自己意識がある方は
「このご飯おいしいな~」と味に集中

公的自己意識は健康的な範囲内であれば、社会人として当然持っていなくてはなりません。しかし、公的自己意識が「過剰」になると心や身体が緊張することで、ストレスを招くことになるのです。

私的自己意識を強くしてバランスをとる

堀井(2001)は高校生(256名)と大学生(271名)の男女を対象に、対人恐怖と公的自己意識に関する調査を行っています。

この論文では、「対人恐怖心性」と「公的自己意識」の関係について、男子と女子の群に分けて相関分析を行っています。その結果が下図となります。

自己意識と対人恐怖の関係

対人恐怖と自己意識の関係女子

男子、女子ともに、対人恐怖傾向が高いと公的自己意識も高いという結果が出ています。図の中にある数字は、相関係数と呼び、関連の強さを表します。.500以上の項目は心理学的に影響は比較的大きいと考えます。対人恐怖傾向と「他人の評価が気になる」という心性は関連があることがわかります。

社会で生きていくには、どちらも大切な意識ですが、あまりにも周りの目を気にすぎてしまう場合は、私的自己意識、つまり「自分はどうしたいか」をハッキリさせると緊張も解けていくでしょう。

実践!公的→私的自己意識変化法

ここで私的自己意識を高める練習問題に取り組んでいきましょう。

練習問題
あなたは好きな人と2人きりになりました。とても緊張しています。公園を2人で散歩しているときに、「何を話したらいいんだろう。緊張して挙動不審だと思われたら嫌われてしまう」と考えて公的自己意識が過剰になっている状態です。ここで私的自己意識を高めてみるとどんな考えができそうでしょうか?ちょっと難しいと思いますが、チャレンジしてみましょう。

 

 

 

私的自己意識解答例
・好きな人とデートができて幸せだなあ~
・相手はどんな人なのだろうか?
・自分の好きな旅行の話でもしよう

このように、自分自身がどう感じるか?どんなことに興味を持っているかという視点を増やすようにしてみましょう。次のように考えるのはNGです。

緊張を強める考え方
・髪型が変じゃないか何度も確認せねば
・盛り上がる話をしなければ?
・沈黙になってしまった嫌われている?

「嫌われたくない」と思うあまり言葉を選びすぎてしまって、結局黙ってしまう・・・このような状態では、更に緊張を高めてしまいます。相手の評価を気にする事は決して悪い事ではありませんが、こだわりすぎては緊張を更に高めてしまいます。緊張を強める考え方

まずは、周囲の評価を気にしている自分の考え方に気づき視点を変える事から緊張をほぐす事を始めてみましょう。そして、緊張している自分を受け入れながら、ありのままの自分を伝えていけば、緊張をほぐす事ができると思います

考えを柔軟にしよう!

練習問題はいかがでしたか。「評価を気にしてしまう」という考え方を柔軟にするコツがみえてきましたか?

周りの評価を気にして、緊張してしまうことは誰にでもあるものです。しかし緊張する人としない人の大きな差は、考え方の違いです。プロのスポーツ選手でさえも、周りの目を気にせず、自分のやるべきことに集中する「メンタルトレーニング」を行っています。考え方のクセに気づき、少しずつ変えていくことで緊張をほぐすことができるのです。

次回は、緊張をほぐすための3つ目の方法として「スモールステップ目標設定」についてご紹介していきます。

★ 考え方のクセに気づき 変えていくことで 緊張をほぐそう

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・対人不安研究における公的意識の意識について 菅原 健介1988 東京都立大学人文学報,196, 103116. 菅原健介
・自意識尺度 (self-consciousness scale) 日本語版作成の試み 菅原健介 心理学研究1984, Vol. 55, No. 3, 184-188
・「あがり」現象と自己意識 ― 対人不安への予備的考察 ― 島根大学教育学部紀要(人文社会科学)第40巻29頁~33頁
・公的自己意識が作り笑いに及ぼす効果 押見輝男 立教大学 心理学研究 2002-2003Vol73,NO.3,251-257
・堀井俊章(2001) 青年期における自己意識と対人恐怖心性との関係 山形大学紀要12,4