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緊張しない方法「目標設定」でプレッシャーを軽減

緊張しない方法「目標設定」で不安を軽減④

コラム③では、緊張をほぐす方法として「公的→私的自己意識変化法」をご紹介しました。具体的には、私的自己意識を取り入れることでバランスをとる方法でしたね。今回は緊張しない方法の一つ「スモールステップ目標設定」をご紹介します。

レベルにあった目標が大切

人は何かを取り組むときに、やる気を上げ効率よく進める為に目標を決めます。達成できれば、自信になり、また新しいチャレンジができます。しかし、自分には見合わない高い目標を設定することで、思うような結果がでないと、自信を無くしてしまったり、緊張を高めてしまうことがあります。

まずは、自分の実力を正しく知り、自分にあった適切な目標設定をすることが緊張をほぐすことになります。

高い目標が緊張を強める

自分のレベルに合わない高い目標は、自信を無くす要素になる事が研究でもわかっています。

 

ミハイ・チクセントミハイは自分の能力や作業の難しさによって、無気力になっていしまうことを示唆しています。以下の図を眺めてみてください。

目標設定とやる気

上図の右上に「フロー」とあります。人間はこの状態になるやる気がみなぎって作業に没頭することができると考えられています。図を見ると、難易度とスキルが共に高い時にフローが起こりやすいとことがわかりますね。逆に学習性無力感は自信がなく緊張しやすいゾーンになります。

過剰な目標設定の問題

高すぎる目標設定で緊張を高めてしまったサトウさんをご紹介します。

サトウさんはミスが気になる性格です。プライドが高く「1点たりとも絶対にミスをしてはならない」と考えています。テスト前日は緊張とプレッシャーであまり眠れませんでした。

テスト本番では、わからない問題につまづくと「不正解になってはいけない」と考え、いつもより悪い点数を取ってしまいました。サトウさんは「1点も間違えてはならない」という過剰な目標設定をしたことで緊張を高めてしまい、パフォーマンスが低下してしまったのです。

緊張を強める目標とは

過剰な目標設定をする人の特徴

サトウさんのように、高すぎる目標をかかげてしまう人にはある特徴があります。それは「完璧主義な性格」です。まじめで完璧主義な人は『自分で決めたことは「必ず」「正確に」達成しなければならない』と考えがちです。

まじめで完璧主義な人は完璧主義でない人に比べ達成動機が高いといわれています。そのため、自分の決めた目標にストイックに取り組むことができ、それに自分が満足できればプラスに働きます。しかし、完璧主義は諸刃の剣で、緊張をしたりストレスを感じることがあります。特に「失敗してはならない」という失敗に対する完璧主義は、メンタルヘルス的にマイナスになりやすいです。失敗を恐れるあまり、目標や計画していたことから逃げ出してしまう、突然やめてしまうなど失敗から回避しようと行動することもあります。

もしかしたら当てはまるかも・・・と感じる方は次に紹介する手順を参考に実践してみてください。

緊張しない目標設定の仕方

ここでは、緊張しない適切な目標設定を行う3つの手順をご紹介します。

①最高の目標

まず、理想のゴールを設定します。例えば、ダイエットの取り組むのであれば、「10㎏減量する」といったこれぐらい達成出来たら万々歳だなと思うと目標を定めましょう。

②最低の目標

次は現実的にクリアできそうな目標を考えていきましょう。ダイエットであれば「2㎏痩せる」など、簡単そうな目標を書き出していきます。

③目指す目標

最後に身の丈にあった「目指す目標」を決めます。ポイントとしては、最高の目標と最低の目標を参考にして「最低の目標よりちょっと高い」で設定すると、プレッシャーを感じることは少なく、余計な緊張を感じなくなります。

※注意点
失敗に対する目標設定ではなく「プラスの目標設定」を心がけましょう。例えば「嫌われてはならない」→「仲良くなりたい」とプラスの目標設定にするとうまく行きやすくなります。

最適な目標設定の方法

実践!適切な目標設定をしよう

それでは、目標設定の手順を意識しながら練習問題に取り組んでみましょう。次の問題では、高すぎる目標を決めてしまっている状況を挙げています。あなたなりに適切な最高の目標・最低の目標、そして目指す目標を考えてみてください。

練習問題1
あなたは大事な資格の試験を控えています。その試験は60点以上取れれば合格します。「1問も間違えないように完璧に解かないと…」と考えていました。それぞれの目標を考えてみましょう。

①「最高の目標」⇒ 
②「最低の目標」⇒
③「目指す目標」⇒

 

OK解答例(前向きな目標)
①「最高の目標」⇒ 100点を取る
②「最低の目標」⇒ 60点を取る
③「目指す目標」⇒ 70点を取る

NG解答例(ミスを抑える目標)
①「最高の目標」⇒ 1点もミスしない
②「最低の目標」⇒ 40点までミスOK
③「目指す目標」⇒ 5点までミスOK

練習問題2
あなたは友人の結婚式でスピーチを控え、うまくいくかどうか不安でとても緊張しています。そのとき、「スピーチ内容を全部覚えて、かまずに堂々と話さなければ…」と考えていました。それぞれの目標を考えてみましょう。

①「最高の目標」⇒ 
②「最低の目標」⇒
③「目指す目標」⇒

 

OK解答例
①「最高の目標」⇒スピーチで感謝の気持ちを伝える
②「最低の目標」⇒緊張してもOK!心を込めて伝える
③「目指す目標」⇒緊張してOK!心を込めて感謝の気持ちを伝える

NG解答例
①「最高の目標」⇒絶対に緊張してはいけない
②「最低の目標」⇒スピーチの原稿を間違えてはいけない
③「目指す目標」⇒緊張して、原稿を間違えてはいけない

 

目指す目標で緊張をほぐすいかがでしたか?練習問題1はサトウさんの例に近かったので、考えやすかったと思います。練習問題2は少し難しく感じたかもしれませんね。繰り返し実践することで身についていきますので、日常でも意識してみてください。

目指す目標で緊張をほぐそう

ご紹介した手順を元に、最高の目標、最低の目標、そして「最低の目標より少し高い目標=目指す目標」を作っていきましょう。

「高い目標」と「目指す目標」を比較すると、目指す目標を立てた時のほうが緊張を強く感じないと思います。少し工夫するだけで、緊張の高まりを押さえることができますから、ぜひやってみてくださいね。

次回は、緊張コラムのまとめとしてお伝えしてきたポイントをご紹介していきます。一緒に確認しましょう!

★緊張しない・ほぐす方法は 適切な目標設定。3つの手順で実践しよう

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・ 対人ストレス過程の検証 加藤 司 教育心理学研究 49(3),295-304,2001- 09-30
・認知行動療法(坂野雄二 日本評論社,1995)
・学業場面における不健全完全主義者の動機づけに随伴性自己価値および失敗の反すうが及ぼす影響 胡 (増井)綾乃 岩永 誠 パーソナリティ研究 24(3),190-201,2016
・ミハイ・チクセントミハイ著,今村浩明訳:フロー体験 喜びの現象学,新思索社,200