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堪えるから受け入れる「フィンクの危機モデル」

堪える時期は「フィンクの危機モデル」②

本コラムは、堪えるをテーマにしんどい時の乗り越え方を解説しています。今回は「フィンクの危機モデル」を解説します。コラム①でもお伝えしましたが、重要なポイントなので復習しましょう。

フィンクの危機モデルとは?

皆さんは、フィンクの危機モデルという言葉を聞いたことがありますか?

フィンクの危機モデルとは
「危機を経験した本人がその状況を受け入れていく過程を支援する理論モデル」
です。支援者向けに学習されることが多いのですが、セルフサポートにも使えます。

フィンクの危機モデルでは、以下の4段階で心が回復するとしています。

段階①衝撃
心理的ダメージ受けて、混乱している段階。
段階②防御的退行
現実と向き合うことができず、出来事を受け止められない段階。
段階③承認
辛い出来事と向き合い、しんどい気持ちを少しずつ受け入れていく段階。
段階④適応
苦しい出来事に新しい価値観を見つける段階。

私たちの心には、自然と回復する機能があります。しんどい出来事があったときには、4つのステップを大切ゆっくり受け入れていくといいでしょう。無理に堪える事や早期の回復を目指したり、無理に明るくする必要はありません。マイペースでOkです。フィンクの危機モデルで心の回復

フィンクの危機モデルは、支援者向けですが「自分を癒す」時にも使えます。例題をチェックしながら、自分の気持ちを上手に癒していくテクニックを確認していきましょう。

悲しみは「堪える→受け止める」

フィンクの理論はやや抽象的なので、1つの例でお伝えします。ズバリ講師川島の例でお伝えします(^^;

例題
私講師川島は、14歳ぐらいから対人恐怖症が始まりました。人と接するのが苦手でした。症状は8年ほど続き、大学卒業時に資格試験に失敗したことが契機となり、引きこもりとなりました。その半年間のプロセスをお伝えします。

フィンクの危機モデルで堪えるを解説

段階1:衝撃期
→悲しい…涙が出る…自分は無能だ…コミュ障は生きる価値がない…

この時期は試験に落ちたショックで、自尊心が壊れていました。とても誰かと会える状態ではありませんでした。

段階2:防御的退行
→もう感情を感じるのも嫌だ…感情を心の底にしまおう…どうでも良い。過食で逃げよう

防衛的退行にはさまざまありますが、私は「抑圧」という手段で、堪える気持ちを感じないようにしていました。自分の気持ちをごまかすうちに、どうでもよくなり過食に逃げていた時期もありました。

段階3:承認
→今堪える状況になったのは、自分がチャレンジした結果なのかもしれない。コミュ障な自分だけど、受け入れてくれる人はいる。両親はそっとしておいてくれている。自分は、まだ恵まれているのかもしれない。

3か月ほど自分と向き合う中で、資格試験の挫折や自分のコミュ障との折り合いが少しずつ自分の中でついてきてきました。

段階4:適応
→コミュ障は時間をかけて少しずつ直していけばいい。まずはできることを1つ1つ増やしていこう。会話の研究からはじめてみよう。

心の整理がついてきてから、私は徐々に会話の練習をはじめ社会復帰を目指し始めました。とても長い時間かかりましたが、今ではこの堪えた時期があったからこそ、やりがいのある仕事に巡り合えたと考えています。

いかがでしょうか。フィンクの理論はサポートしてくれる人向けの理論ですが、自分で自分の心を癒す時にも充分活用できます。それでは、自分の感情を受け止めるトレーニングとしてワークに挑戦してみましょう。

*ちなみに私の引きこもりの経験談はこちらのブログで公開しています。興味がある方は暇なときにでもご覧ください。

ワーク:自分の感情を受け止めよう!

実はフィンクの理論は知らず知らずのうちに、自分の中で行っているものです。今の堪える気持ちを乗り越えるとしたらどのようなプロセスで復活していくか考えてみましょう。辛い体験が起きたばかりの時期は、こんな風に回復できるといいな・・・と考える程度でOkです。

段階1:衝撃

段階2:防御的退行

段階3:承認

段階4:適応

 

堪える時期は焦らない

練習問題はいかがでしたか。Pennebaker (1985)は、思考や感情、行動を意識的に抑えることは、多くのパワーを使うため、長期的にはストレスとなり医学的な問題をもたらすことを明らかにしています。

堪える事が難しいほど苦しい体験があっても、時間がある程度の解決へ導いてくれることもあります。回復までにとても時間がかかる場合もあるかもしれません。しかし焦ることはありません。心の回復プロセスに任せてゆっくり回復していきましょう。

次回は「リフレーミング技法」をより詳しく学びます。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★自分の感情は「堪える→受け入れる」心の回復プロセスでゆっくりと!

次のコラムへ進むボタンはもう少し下にあります。コラムだけでなく心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は下のお知らせをクリックして頂けると幸いです。私たちが講義をしている講座となります。

心理学講座

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
Pennebaker, J. W. (1985). Traumatic experience and psychosomatic disease: Exploring the roles of behavioural inhibition, obsession, and confiding. Canadian Psychology/Psychologie canadienne, 26(2), 82.