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堪えるが最小限に「ソーシャルサポート」

堪える期間をソーシャルサポートで最小限に④

本コラムは、堪えるをテーマにしんどい時の乗り越え方を解説しています。今回は、悩みを1人で堪える状況から抜け出す方法「ソーシャルサポート」について解説していきます。。

ソーシャルサポートの意味・効果

皆さんの周りには、自分をサポートしてくれる人はいますか?

心理学では、
「社会的関係の中でやりとりされる支援」
のことをソーシャルサポートといいます。たとえば、家族・友人・会社の同僚・専門家の援助、など、自分がいる環境の中で支援してくれる人やものを意味します。

ソーシャルサポートの特徴

ソーシャルサポートは、ストレス反応を抑制するという報告もあります( 石毛・無藤, 2005)。問題が深刻化する前の予防にも役立つ重要な要素といえますから「問題はいつも一人で堪える…」と言う方はぜひ取り入れてみてください。

研究①:ソーシャルサポートと自己肯定感

細田ら(2009)は、中学生305名を対象に、下の3つのソーシャルサポートと自己肯定感の関係について調査しました。

道具的サポート
物の支援(住まい・衣服など)
情緒的サポート
気持ちの面の支援(励ます、背中を押すなど)
共行動サポート
知識面での支援(ノウハウを教えるなど)

結果は以下の通りです。図の数字は相関係数で、数値が大きいほど影響が強いことを意味します。父親、母親、友人、教師のいずれも情緒的なサポートが自己肯定感を強めている傾向がわかります。

自己肯定感とソーシャルサポートの関連

中でも、友人や教師の情緒的サポートが.40**で、父親や母親よりも大きくなっています。つまり友人や教師の情緒的サポートは、両親と同じぐらい影響するということです。

このことから家庭からのサポートが得られなくても、教師や友人など周囲からの支援を仰ぐと心の回復が図れそうです。悲しみを堪える期間が最小限にできそうです。

研究②:不安・疲労感が軽減

大坪(2017)は、大学生254名に対して、ソーシャルサポートと心理的な関係について調査を行いました。その結果、家族、大切な人、友人のサポートを受けやすい方は不安感・疲労感・自立神経症状の項目で、前向きな関わりがあることがわかりました。

まずは「家族のサポート」です。

ソーシャルサポート 意味

不安感・疲労感・自律神経症状、いずれも(-)マイナスになっています。家族からのサポートが得られやすい方は、特に自立神経症状が少ないことがわかりますね。

次に「大切な人のサポート」です。

ソーシャルサポート 心理学

特に大きく減少しているには不安感です。大切な人からのサポートは、大きな安心感につながるようです。

最後に「友人のサポート」です。

ソーシャルサポート 定義

こちらも大切な人のサポートと同じく、不安感が大きく減少しています。また疲労感や自立神経症状も少ないことが分かります。

このように、ソーシャルサポートは複数の関係から受けることで、違った効果をもたらしてくれます。家族だけ、友人だけなどといった偏りをなくして幅広い人と関われると、堪える状況を減らすことができそうですね。

研究③:辛い体験も受け入れられる

城(2013)は、ソーシャルサポートの影響について以下のように示しています。被受容感とは「自分は他者からそれなりに大切にされている」という認識で、心理学者の杉山が提案した心理学の概念です。

 

ソーシャルサポートが被受容感に影響する検討この結果から、城は
「社会的自己の開示がソーシャルサポートの知覚に影響を及ぼし、ソーシャルサポートの知覚が被受容感に影響を与えていることが明らかにされた」
と報告しています。

つまり、辛い経験を周囲の人に打ち明けて、ソーシャルサポートを得ることで、他人から大切にされている感覚が高まるということです。被受容感が高まれば、堪えてきた感情を受け入れて立ち直ることができます。

何か辛いことが合った時は、一人で堪えるのではなく、周りの人に相談することで落ち込む時期を最小限に抑えることができるかもしれません。

ソーシャルサポートで堪えるから受け入れる

研究③:周りは想像以上に助けてくれる

ソーシャルサポートのメリットは分かったものの、一人で堪える事に慣れてしまうと「人に相談するのは難しい…」と思われるかもしれません。実は助けて欲しいというアクションに対して、人は想像以上にサポートしてくれることがわかっています。

ヴァネッサ・ボーンズ(2008)は、大学生53名を対象に町中で見知らぬ人に「携帯電話を貸してください」とお願いする調査を行いました。

被験者の予測は、
10人に1人しか応じないでした。
しかし結果は
平均6人に1人が携帯電話を貸してくれたのです。

人は、想像以上に助けてくれるものです。一人で悩みに堪える事が多い…という人は、少しずつでも相談を持ち掛けてみましょう。

安定した支援を受けるコツ

ソーシャルサポートは、複数の人間関係から少しずつ受けると安定します。

信頼できるのは「友人だけ」という偏ったサポートは、望ましくありません。理由は、同じ人に何度も相談すると相手に負担がかかり、トラブルに発展しやすいからです。

会う度にマイナスの話題がでてきたら、ストレスに感じる人もいます。また、何度か相談に乗ったにもかかわらず、前回と同じ悩みを相談されれば、気分が良くない人もいるでしょう。

一人で堪えるならまず相談を安定したソーシャルサポートをうけるには、最低でも3つ以上の人間関係をもっておくといいでしょう。1つの関係でトラブルが起きても、その他の人間関係が支えてくれるため、どの関係でもリラックスして接することができます。

堪える期間を最小限にしよう!

問題に一人で堪える事が原因で、しんどい気持ちから抜け出せない人向けにソーシャルサポートをご紹介しました。

周囲を頼ってみると、視野を広がり落ち込む時期を最小限に抑えることができるかもしれません。周囲のサポートを利用して複数の角度から問題を観察してみましょう!

・専門家の講義を受けたい方へ

最後に、これまで「堪える」をテーマにしたコラムにお付き合いしていただき、本当にありがとうございました!

そして、専門家から直接学びたい!という方は良かったら私たち臨床心理士・精神保健福祉士が開催している、コミュニケーション講座への参加をおススメしています。コラムだけでは伝えきれない知識や実践的なワークを進めています。みなさんのコミュニケーション能力が向上するよう、講師も一緒に頑張ります!よかったらいらっしゃってくださいね(^^)

★ソーシャルサポートでを解決!一人で堪える期間を最小限へ
心理学講座

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・大坪岳 追手門学院大学心理学論集;Otemon Gakuin University Psychological Review 2017 青年期のコミュニケーション・スキルとソーシャル・サポートがレジリエンスに及ぼす影響
・細田ら(2009)中学生におけるソーシャルサポートと自他への肯定感に関する研究 教育心理学研究,57,309-323
・城 佳子 2013 大学生の自己開示・ソーシャルサポートが被受容感に及ぼす影響の検討 : 被開示スキルとの関連を通して 人間科学研究 34,63 -72 .
・If You Need Help, Just Ask: Underestimating Compliance With Direct Requests for Help  Journal of Personality and Social Psychology 95(1) · August 2008 with 139 Reads Vanessa Bohns