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堪える状況をポジティブに

堪える状況をプラスに「5つのリフレーミング」③

コラム①では、堪える状況を乗り越える意味や心の柔軟性を表す「レジリエンス」の解説、そして心が折れそうな時に役立つ5つの方法を紹介しました。具体的には、「①フィンクの危機理論」「②リフレーミング技法」「③ABC理論」「④正のストローク法」「⑤ソーシャルサポート」でしたね。今回は「②リフレーミング技法」について論文や研究結果からご紹介していきます。

マイナス化思考は注意

皆さんは「何をやってもうまくいかないな…」と感じることありませんか。堪える場面が多い人は、何事もネガティブに捉えてしまいがちです。こうした考え方の癖は、心理学で「認知の偏り」と呼ばれています。認知の偏りは10種類ほどあり「物事のプラス面ではなくマイナス面に注目する」ことを、マイナス化思考と言います。

たとえば、
部活で選手に選ばれたのは「自分の実力ではない」などと捉えてしまう考え方です。しっかりと練習をして実力がついたにも関わらず、他の選手の調子が悪かったから…と注目し物事を考えてしまいます。

このようなマイナス化思考がつづくと「不安が頭から離れない」「なかなか立ち直れない」といった、ネガティブな状態が続き堪える場面が増えてしまいます。

堪えるができない時はマイナス思考

 

リフレーミングとは?

堪えるような状況を作りやすい「認知の偏り」を修正する方法に、心理療法のリフレーミング技法があります。この方法は、近年うつ病の治療や自己啓発などで幅広く取り入れられています(ホール, ボーデンハマー,2009)。

リフレーミングとは、「物事のフレームを変える方法」です。枠組みを変えることで意味や印象、捉え方を変えることができます。ネガティブな思考が浮かんだ時に、そのフレームを変換してポジティブ思考にすることができれば、堪える状況を減らすことができます。堪える状況を捉え直す

本コラムでは、臨床現場でよく使うリフレーミングを5つご紹介します。

①もっと不幸な状況より…と考える

「仕事が辛くて堪える…。でも、もっと不幸な状況よりはマシだ・・・」と考えなおすリフレーミングです。

たとえば、
台風で自宅の一部が破損してしまった。とても悔しい気持ちになったが、住むところがなくなったわけではないし、ケガ人も出なかった。・・・もっと不幸な状況よりはマシだったなと捉え直すことができます。

堪えるような出来事だとしても「さらに不幸な結果よりもいいかも」と捉え直すことで、悲しみや苦しさを軽減することができるでしょう。

②プラスの価値を見つける

「苦しい状況だからこそ、プラスの価値もあるのではないか・・・」と、捉え直すリフレーミングです。

たとえば、
大学試験の結果が不合格だったとします。一生懸命勉強したにも関わらず期待と異なる結果となり、悔しさが堪える状況です。しかし、不合格だったからこそ、次の試験へのモチベーションが高まることもありますし、長期的にはメリットになるかもしれません。

このようにネガティブに捉えがちな状況があるときには、プラスの価値を見いだすことで、堪える状況を乗り越え前に進めるのです。

プラス思考で堪える機会を減らす

③平気な人ならどうする?

「辛さに堪える状況が平気な人ならどう考えるかな?」と考えるリフレーミングです。

たとえば、
プレゼンで凡ミスをしたことで、自責の念に駆られる人がいれば、失敗を繰り返しても冷静にプレゼンを進められる人もいます。同じ出来事があっても感じ方は人それぞれです。

自分のミスを反省することは大事です。しかし過剰な自責は、堪えるような辛い状況を増やしてしまいます。平気な人の考え方をイメージして捉え直してみましょう。

④人生の糧と考える

「堪える状況は人生のスパイスだ」という捉え方で、今の状況をプラスに受け入れていくリフレーミングです。

長い人生では、逆境と思える辛い状況は避けては通れないでしょう。人生は障壁があるからこそ面白いともいえます。この考え方は、堪える状況を乗り越える力となるでしょう。

⑤例外探しでプラス面を見つける

問題の中に潜む、プラスの面を探していく方法です。厳密にはリフレーミングではありませんが、リフレーミングと同じような効果を得られるのでぜひ使ってみてください。

辛さが堪える状況では、マイナス思考が大きくなり、偏った思考になりがちです。そんな時には、意識してプラス面(例外)を探していきます

たとえば、
「先生に叱られてばかりでしんどい…」
例外探し
⇒少しは褒められたことはないかな?

「クレームの原因は全て私にある」
例外探し
何%かはお客様にも原因があったのでは?

プラス面に目を向ける

5つのリフレーミングをご紹介しました。偏った考え方を修正して堪える場面を減らしていきましょう。

堪える状況をプラスへ

それでは、リフレーミングの練習を進めていきましょう。まずは例題で解説しますね。

例題 
Aさんは、これまでの実績をかわれて転職をしました。Aさんは仕事にプライドがあったので、会社に貢献できる自信がありました。しかし、入社してみると思ったように成果が出せず焦っていました。そんな中、上司から「半年後に成果が出せないなら部署を移動してもらうかもしれない…」と言われたことが引き金となり、ひどくショックを受けてしまい、仕事が手につかなくなってしまいました。

苦しさに堪える状況から「私は無能だ…」「転職した私はバカだった」とネガティブ思考が止まらなくなっています。

ネガティブな思考をプラス思考へ

①もっと不幸な状況より…と考える
→今すぐ判断されたわけではない。半年間で良い結果が出せるよう努力ができる。

②プラスの価値を見つける
→会社の期待も大きいということ。半年後を見据えて頑張れが焦る必要はない。

③平気な人ならどうする?
→プレッシャーに強いBさんなら、「今できることをコツコツやるだけ」と考えるだろうな。

④人生の糧と考える
→厳しい言葉に辛くなるけど、しっかり見ていてくれる証拠。結果次第でいい評価のもらえるだろう。頑張ろう!

⑤例外探しでプラス面を見つける
→結果にはつながっていないけど、見込みになっているお客様は随分増えた。これまで同様に頑張れば結果につながるだろう。

いかがでしょうか。リフレーミングすることで辛さが堪える状況を、ポジティブに変えることができます。

リフレーミングの練習問題では、次にあなた自身のつらい状況を考えて、リフレーミングの練習に取り組んでみましょう! 

練習問題
あなた自身が「あの状況は、辛くて堪える…」と言う場面を思い出して、リフレーミングしてみましょう!

①もっと不幸な状況より…と考える

②プラスの価値を見つける

③平気な人ならどうする?

④人生の糧と考える

⑤例外探しでプラス面を見つける

 

堪える状況を減らそう!

練習問題はいかがでしたか。リフレーミングで捉え直しができると、物事を別の角度から見られるようになります。辛い状況に直面した時には、捉え直しをしてみてください。考え方の癖が修正されると、堪えるような苦しい状況がグッと少なくなると思います。

次回は「ABC理論」をより詳しく学びます。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★リフレーミングで堪えるような辛い状況を減らそう!

次のコラムへ進むボタンはもう少し下にあります。コラムだけでなく心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は下のお知らせをクリックして頂けると幸いです。私たちが講義をしている講座となります。

心理学講座

目次

苦しさが堪える人へ
フィンクの危機理論
5つのリフレーミング
ABC理論で堪える場面を減らす
ストローク法で自分応援!
3つのコツでコミュニティを増やす
ストレス耐性をチェック

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・引用文献
・マイケル・ホール 、ボビー・G・ボーデンハマー(2009). NLPフレーム・チェンジ 視点が変わる〈リフレーミング〉7つの技術. 春秋社.