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幸福論「感謝と幸福の関係」

幸福論「感謝と幸せの関係」ありがとう発見法⑤

コラム④では、幸福論「ブータンから学ぶ幸せの指標」ついて解説していきました。国民の幸福度を測る「国民総幸福量(GNH)」の要素、4つの柱と9つの指標はぜひ参考にしてみてください。

今回は、幸福論「感謝と幸福の関係」から幸福度を高める「ありがとう発見法」について解説します。

*動画の解説もあります!テキストがお好みな方は飛ばして進んでください。

幸福論「感謝と幸せの深い関わり」

皆さんは家族やパートナー、両親に感謝の気持ちを伝えていますか?相手との付き合いが長くなってくると、相手への感謝の気持ちが薄れがちになる…という人は、多いのではないでしょうか。心理学の研究では、日常的に感謝をすると幸福度が高まることが分かっています。

Allen W. Barton(2015)ら米国ジョージア大学の研究チームが行った研究では、468組の夫婦を対象に「感謝と幸福感の相関関係」を示しました。その中で以下のように報告されています。

感謝=幸福
日常的に夫婦間で感謝できているかが幸福度の指標になる

積極的に伝える=関係修復
夫婦間で、より積極的に感謝の気持ちを伝えるほど、関係破綻の原因を乗り越えられる傾向がある

このことから、より幸福度の高い良好な関係を維持するには、日常的に感謝する気持ちをもち相手に伝えることが大切と言えます。

また、花井・宮本(2014)は大学生38名を対象にして「感謝と幸福感の関連」を調べました。その結果、感謝することが主観的幸福感を高めることが報告されています。主観的幸福感とは、自身の感情状態に加えて、家族・仕事など人生全般に対する満足を含む、広範な概念のことです。

研究では、大学生を「感謝群」「印象群」2つのグループに分けて調査が行われました。1日の振り返りについて、
感謝群には
感謝したことを1つ思い出してください」
印象群には
一番印象に残ったことを1つ思い出してください」
と促したところ、次のような結果になりました。

感謝群と印象群の主観的幸福度の変化の図

感謝したことに注目した
感謝群は、
主観的幸福感は大幅に高まる

印象に残った事に注目した
印象群

主観的幸福感はほぼ変わらない

つまり主観的幸福感は、印象に残ったことを思い出すだけでは高まらないということです。

このように、感謝することと幸福感には深い関わりがあります。幸せになるためには、感謝する機会を持つことが大切です。

幸福論を3つの手順で実践!

先ほどご紹介した幸福論を元に、本コラムでは、幸せになる方法として「ありがとう発見法」をご紹介します。

夫がいなくなったら…
母がいなくなったら…
など、「もしも〇〇がいなくなったら…」と考えることで、日常の中にありがとうを見つけていく「もしもいなくなったら⇒ありがとう発見法」です。

ありがとう発見法の手順は3つです。

手順1:〇〇がいなくなったら
手順2:感謝の気持ちを考える
手順3:すぐに伝える

幸福論感謝と幸せの関係

たとえば、父親の場合で進めていきましょう。

手順1:父親がいなくなったら
もしも父親がいなくなったら…どんなことが起きるか考えて書き出します。ポイントは、日常の些細な出来事にも、注目していくことです。

たとえば
・遊んでもらえない
・お金がなくなる
・駅まで送迎してもれない

父親が仕事で稼いでくれることは、当たり前なのかもしれません。しかし、もしも父親がいなくなったら…と考えると、安定した生活があるのは父親のおかげなんだな…と気付くことができます。

手順2:感謝の気持ちを考える
手順1で出した状況での、感謝の気持ちを言葉にしてみましょう。

・お休みの日遊んでくれてありがとう
・お仕事頑張ってくれてありがとう
・毎日送迎してくれてありがとう

感謝の気持ちを言葉にすると「ありがとう」が生まれてきますね。

手順3:すぐに伝える
「ありがとう」が見つかったら、その場ですぐ相手に伝えましょう。そして、感謝の気持ち「ありがとう」に素直な気持ちを添えると気持ちが伝わりやすくなります。

たとえば、
・いつも楽しいよ!ありがとう。
・お疲れ様!ありがとう。
・安心して通学できる!ありがとう。

感謝の気持ちを言葉にすることで、幸福度を高めていきましょう。

幸福論感謝の効果

事例:ありがとう発見法

ここでは、事例をもとに「もしもいなくなったら⇒ありがとう発見法」を見ていきましょう。

<事例>
花子さんは、全国大会に毎年出るほど優秀なチームの部長をしています。大きな大会を前に、部員のミスが続き結果が出せない状況に、日々フラストレーションを積もらせるようになっていました。「一つ一つの行動を丁寧にしてほしい…」と思う気持ちが前にでてしまい、部員に強く注意することが増えてしまいました。

そんな花子さんから、部下へのありがとうを発見していきましょう!

手順1:部員がいなくなったら?

・仲間がいない
・大会に出られない
・目標を達成できない

②感謝の気持ちを考える

・支えてくれてありがとう
・一緒に練習してくれてありがとう
・目標に向かってくれてありがとう

すぐに伝える

ミーティングで…
いつも支え合いながら練習ができているのは、みんなのおかげ。ありがとう!

練習が終わった時…
今日も全員で怪我なく練習ができて良かった。ありがとう!

試合が終わった時…
いつもありがとう。みんなのおかげで次の目標に進めるね。

3つの手順で、しっかりと感謝の気持ちを伝えましょう。人間関係も良くなりますよ。

ありがとうを伝える効果と手順

練習問題:ありがとうを見つけよう

ここでは、皆さんの日常生活に「ありがとう」を見つけていく練習をしていきましょう。

練習問題
手順1:もしも〇〇がいなくなったら?

 

手順2:感謝の言葉を考えてみましょう。

 

手順3:伝える場面を考えてみましょう

 

 

 

解答例
手順1:もしも夫がいなくなったら?
⇒生活が苦しくなる
手順2:感謝の言葉に変換してみましょう
⇒毎日お仕事頑張ってくれてありがとう
手順3:伝える場面を考えてみましょう
⇒帰宅した時

手順1:もしも監督がいなくなったら?
⇒指導してもらえない
手順2:感謝の言葉を考えてみましょう
⇒的確な指導をありがとう
手順3:伝える場面を考えてみましょう
⇒指導された時

ありがとうを伝えよう

今回は、幸福論「感謝と幸福の関係」から「ありがとう」を見つけて、幸せになる方法をご紹介していきました。

ご紹介した3つの手順では、日々の些細な事に注目することがポイントです。改めて見てみると、ありがとうが溢れていることが実感できると思います。感謝の気持ちを積極的に伝えて幸福感を高めてくださいね。

次回は、幸福論「認知と幸福感」についてご紹介していきます。

★ 幸福論「感謝と幸福には深い関わりがあった」ありがとうを伝えよう

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人間関係講座

目次

①幸福論・幸せになる方法-概観
②お金で人は幸せになれる?
③人間関係が充実すると幸せ?
④ブータンから学ぶ幸せの指標
⑤感謝と幸せの関係
⑥認知と幸福感
⑦ソーシャルサポートの充実がカギ

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考資料・引用文献
Robert A. Emmons, Michael E. McCullough(2003)「Counting Blessings Versus Burdens: An Experimental Investigation of Gratitude and Subjective Well-Being in Daily Life」
Journal of Personality and Social Psychology 2003, Vol. 84, No. 2, 377–389
Allen W. Barton,Robert B. Nielsen(2015)「Linking financial distress to marital quality: The intermediary roles of demand/withdraw and spousal gratitude expressions」Wiley Online Library Personal Relationships Volume 22, Issue 3
花井菜月・宮本正一 2014  感謝が主観的幸福感に及ぼす影響 東海心理学会第63回発表論文集