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後悔しない生き方・失敗を前向きにとらえ直す6つの手順

後悔しない生き方「昇華で失敗を未来につなげる」④

コラム①では、後悔しない生き方を概観していきました。具体的な対象法としては「①行動活性化技法」「②損得勘定→実行法」「③昇華で失敗をバネに」の3つでしたね。

今回は、「③昇華で失敗をバネに」について解説していきます。

後悔には2種類ある

後悔は未来志向で活かす

心理学の分野では、後悔は細かく分けると、①過去志向の後悔と②未来志向の後悔があります。

①過去志向の後悔
「なぜあんなことをしてしまったのだろう」
 と過去や失敗そのものに焦点を当てる後悔

②未来志向の後悔
「次は同じ目に合わないようにしよう」
 と未来に焦点を当てる後悔

Boningerら(1994)の研究からは、未来に焦点を当てた反実仮想を行うと、「どのようにしたらネガティブな出来事を避けることができただろうか」と比較的ポジティブに考えられるようになると示唆されました。

このことから、何かネガティブな出来事を経験しても、なるべく失敗を糧に未来に焦点を当てて捉えるようにすると、後悔を活かすことができる可能性が高まると言えるでしょう。

こうした失敗を糧に未来志向に捉える方法を、心理学的な視点で紹介していきたいと思います。

昇華は高度な防衛機制

防衛機制とは受け入れがたい不快な状況や体験をしたときに、不安を軽減しようとする無意識の心理的なメカニズムのことを言います。防衛機制にはたくさんの種類がありますが、その一つに「昇華」という防衛機制があります。

昇華とは、ネガティブな気持ちを逆に活かしてしまい、社会的に認められるような自己実現のエネルギーに変えてしまうことを意味します。

例えば以下のような事例が挙げられます。
・失恋をして傷ついたら、体験をバネに自分磨きをする
・昔引きこもった・・・だからその体験を活かして援助職に就く
・昔勉強しなかったことを後悔⇒資格を取るため勉強

こうした昇華は防衛機制の中でも高度な防衛機制とされています。

防衛機制には、Vaillantの分類によると、レベル1からレベル4まであるとされています。

その中で「昇華」はレベル4の「成熟した防衛」に分類されます。防衛機制の中でも、昇華は高度な防衛機制であるとされています。

こうした高度な防衛機制である昇華を活かしていくと、未来志向で前向きなエネルギーに変えることができるのです。後悔は昇華して未来につなげると効果的です。

 

 

後悔を前向きにとらえた事例

受験失敗を糧にした事例

ここで受験失敗をバネにしたヨシオさんの事例をご紹介しましょう。

主人公:ヨシオさん

後悔しない生き方

状況:第一志望校に落ちる

・高校受験で第一志望校に落ちる
・それがきっかけで落ち込む
・もっと受験勉強をすればよかったと後悔
・食欲がなくなり、涙が止まらない。

ヨシオさんは上記のような状態で、心配した親御さんから相談を受け、ヨシオさんに未来イメージ技法を試みました。

まず
「突然ですが、その失敗を糧に
 今から1年後はどうなっていそうですか?」
と質問しました。

すると、ヨシオさんは
「えっ、悔しくて勉強している」
と答えました。

次に
「じゃあ、その失敗を糧にすると、
 5年後はどうなっていそうですか?」

と質問したところ、

「大学生になっている。勉強したぶん良い大学に入れるかも」

と前向きに答えました。ヨシオさんのように、後悔する出来事があっても、未来イメージ技法を用いることで未来志向の考え方に切り替えることができます。では、実際にどのような手順で未来イメージ技法を行うのかを見ていきましょう!

ヨシオさん

昇華の3つの手順

ここで失敗を糧に未来イメージ技法の手順をご紹介します。ひとりで時間投影イメージ技法を試す場合は、自分の考えを紙に書きます。ちょっとしたメモ用紙で構いませんから、書くものを用意しましょう。

①今後悔していることを書く
何に後悔しているかを短い文章でメモに書きます。

②今から失敗を糧にすると
 どんな1年後があるか浮かんだことを紙に書く

1年後の自分は何をしていそうかイメージを浮かべましょう。それを、文章でも単語でもいいですから、紙に書きます。

③今から失敗を糧にすると
 どんな5年後があるか浮かんだことを紙に書く

できれば、5年後の自分は何をしていそうかイメージしてみましょう。遠すぎてなかなか浮かばない時は無理をしなくても構いません。

 

今、何かしら後悔していることがあったとしても、失敗を糧にすれば1年後、5年後も後悔し続けているとは限りません。今辛いことは将来には、それほど大したことがない出来事になっていることが多いのです。

後悔しない生き方練習

ご紹介した手順を踏まえながら、未来イメージ技法を試してみましょう。紙とペンを用意して、以下の質問に答えていってください。

①今後悔していることは?

②失敗を糧にした1年後を思い描いてください。

③失敗を糧にした5年後を思い描いてください。

未来志向で後悔を教訓に

未来イメージ技法はいかがでしたか。この技法では、今後悔していることに焦点を当てすぎないで、未来に焦点を当てることが大切です。そうすることで、現状が辛くてもいつかは何とかなっているだろうと思えるものです。

後悔の念を「次は同じ目に合わないようにしよう」という教訓に変えていきましょう。

次のコラムでは、後悔のコラムのまとめをします。ぜひお付き合いください。

★失敗を糧に未来に焦点を当てて後悔を活かそう!

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・引用文献
Boninger, D. S., Gleicher, F., & Strathman, A. (1994). Counterfactual thinking: From what might have been to what may be. Journal of Personality and Social Psychology, 67(2), 297-307.