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答えを見ない!論理的に考えて好奇心UP

答えを見ない!論理的に考えて好奇心UP③

コラム②では、拡散的好奇心を刺激する方法として好奇心ツリーを紹介しました。自分バージョンを作って、今自分が取り組んでいることから、興味関心を見つけてくださいね。今回は「答えをみない-じっくり考える法」についてご紹介します。自分で考えることで、好奇心をアップしていきましょう。

好奇心を高める批判的思考とは

答えをみない・自分で考えることが大切

突然ですが、皆さんは情報を「うのみにするタイプ」ですか?それとも、「自分の頭で考えるタイプ」でしょうか?実は、心理学の研究では情報をうのみにせず、自分の頭で考える人のほうが好奇心が強いこと分かっています。

斎藤(2014)の研究では「知的好奇心と批判的思考態度の関連」が調べられています。実験では。大学生129名を対象に、「拡散的好奇心」「特殊的好奇心」と「批判的思考(「探求心」「論理的思考」「客観性」)の3つの要素から構成されています。

少し難しい用語が並んでしまいましたが、もうすこし完結に解釈すると、好奇心と、じっくり考えることの関連を調べたと考えていいでしょう。その結果が以下の図となります。

このように批判的思考の要素すべてにおいてプラスの相関が出ていることが分かります。拡散的好奇心とは、新しい情報を積極的に集めようとする好奇心のことです。つまり、批判的思考がつよい人ほど新奇なものに心を惹かれやすいのですね。

続いて特殊的好奇心を見ていきましょう。こちらも先ほどと同様に「探求心」「論理的思考」「客観性」とプラスの相関が見て取れますね。特殊的好奇心は、ズレや矛盾などを解消するために自分の知らない情報を求める好奇心のことです。じっくりと考えて答えを導き出すと、好奇心を高めることができるそうです。

論理的な思考で好奇心を刺激!  

物事を様々な角度から自分で調べて考える姿勢は、好奇心を刺激する上でとても大切です。それを示す研究があります。齋藤(2014)は、批判的思考態度が知的好奇心につながる関係を明らかにし、知的好奇心と批判的思考態度がどれだけ影響を与え合うのかを検討しました。

その結果
①幅広く関心を持つ      → 拡散的好奇心が高まる
②批判的思考で答えを見ないで
 自分で深く考える      → 知的好奇心が高まる

という関係性があることがわかったのです。5つの工程が好奇心を伸ばすポイント

平山・楠見(2002)の研究では、批判的思考について以下の5つのプロセスから成り立つとしています。具体的には、

①明確化
②推論の基盤
③推論
④価値判断
⑤行動の決定・問題解決

の5つです。批判的思考でまとめる際も重要なポイントは「推論」です。推論とは自分で推測して考えることで、いくつかの手がかりを元に自分なり仮説を立てていきます。

好奇心を高める-6つの質問

先ほどご紹介した5つのプロセスは、学術的でこのままですと少し使いにくいので、より日常的に取り組みやすい形にアレンジを加えて好奇心を高める6つの質問を提案させていただきます。

①やりたいことはありますか?
②どんなところが面白そうですか?
③どうすればそれはうまく達成できますか?
 疑問に思ったことに対して仮説を立ててみよう!
④実際実行してみましょう!
⑤予想と比べてどうでしたか?
⑥結果はどう人生に役立ちそうですか?

ちょっとわかりにくいですよね。例題とともに具体的に説明します。

① 好奇心の種はなんですか?
  「キャンプでテント泊をしてみたい!」
② どんなところが面白そうですか?
  「自然の中でカレーとか作って、食べるとおいしそう。」
③ どうすればそれはうまく達成できますか?
  「飯盒炊飯を買ってやり方を覚える やり方を研究しよう」
  「ただのレトルトでは達成感がないから具材を持っていく」
  「野菜を洗える綺麗な川をあらかじめ調べる 洗える川ってあるのかな?」
  「火おこしのやり方を研究する ライターなしで火って起こせるのかな?」
④ 実際実行してみましょう!
⑤ 予想と比べてどうでしたか?
  「予想よりもちょっとご飯が焦げたが、いつもよりもおいしく感じた!」
⑥ 結果はどう人生に役立ちそうですか?
  「ゼロから企画してやり遂げる楽しさを覚えた。企画することを続けられそう。」

このように、まずは小さな好奇心を起点として、たくさん手がかりを増やしていきます。そうすると、実際にどうなるか?わくわくしてくるのです。

上記の例を見ると、③を見ると「実際どうなるか?」好奇心が湧いてきますよね。

「好奇心=自分で考える」

と覚えて、たくさんどうなるかな?〇〇で達成できるかな?と考えるようにしましょう。好奇心を高めるポイントを練習問題で確認

答えを見ない!論理的思考トレーニング

今度は、皆さんの番です!例題を元に、練習問題で実践してみましょう!

① やりたいことはありますか?
② どんなところが面白そうですか?
③ どうすればそれはうまく達成できますか?
  疑問に思ったことに対して仮説を立ててみよう!
④ 実際実行してみましょう!
⑤ 予想と比べてどうでしたか?
⑥ 結果はどう人生に役立ちそうですか?批判的思考が好奇心を高める

 

自分で考えて疑問を深めよう!

練習問題はいかがでしたか。多角的な視点から自分で調べ、考えることによりこれまでは気づかなかった情報や自分の意見に気づくきっかけになったのではないでしょうか?

・隠れた前提や根拠の確かさを検討する
・様々な視点で自分なりに仮説を立てる
・実際に行動して考えが正しいか検証する

上記の視点を大事にしましょう。知的好奇心を持つには、自分で調べ、考えることが大切です。情報が氾濫してどう整理していけば良いかわからない場合には、批判的思考態度で物事を考えるということが役に立つと思います。ぜひ批判的思考態度で多角的な視点から物事に取り組んでみて下さい!    

次の好奇心コラムでは「スモールステップ法」についてご紹介します。

★答えをみない。自分で考えて好奇心アップ!多角的な視点から自分で調べよう

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*出典・参考文献    
斎藤(2014)知的好奇心と批判的思考態度との関連 教心第56回総会
安藤玲子, & 池田まさみ. (2012). 批判的思考態度の獲得プロセスの検討-中学生の 4 波パネルにおける因果分析から. 認知科学, 19(1), 83-99.
楠見孝. (2005). 批判的思考の能力と態度の測定. 教育測定・カリキュラム開発講座研究会, 第 6 回研究会, 1-18.
齋藤央典. (2014, October). PC058 知的好奇心と批判的思考態度との関連 (教授・学習・認知, ポスター発表 C). In 日本教育心理学会総会発表論文集 日本教育心理学会第 56 回総会 (p. 409). 一般社団法人 日本教育心理学会.  
平山 るみ (2004). 批判的思考を支える態度および能力測定に関する展望. 京都大学大学院教育学研究科紀要, 50, 290–302.
平山るみ・楠見孝(2002) 批判的思考を支える態度と個人特性との関連性 日本心理学会第 66 回大会発表論 文集,825.