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寂しい時にも価値はある?メリットを解説③

寂しい時にも価値はある?メリットを解説③

コラム①では、寂しい気持ちについて概観していきました。重要な要素としては、「①寂しさの危険性」「②寂しいことメリット」「③コミュニティへ所属」「④見捨てられ不安に対処」「⑤無条件の肯定」「⑥会話力を高めよう」の6つでしたね。

今回は、「②寂しいことメリット」について解説していきます。

独創的な発生を生まれる

一人でいることのメリットは心理学的な研究によっていくつか明らかになっていきます。

思考の質が向上する

受験勉強に打ち込んでいる、起業して仕事に没頭しているなど、一時的に集中したい時期であるなら問題は小さいと言えそうです。なぜなら、寂しい気持ちがあるとしても、何かに没頭している間は、寂しい気持ちもまぎれますし、また思考の質が充実するからです。

少人数対大人数のアイデアがどちらが優れているかについては、ブレインストーミング研究が有名です。研究前はグループで案を出した方が独創的なアイデアが生まれると考えられていました。しかし、現在ではブレインストーミングは逆効果も指摘されています。

Steiner, I. D.(1966)では、集団で考える場合と、個人で考える場合を比較し、「アイデアの総数」と「どれだけ独創的なアイデア」が出せるかを調査しました。その結果が以下のグラフです。

寂しい 原因

このように「個人条件」の方が圧倒的にグラフが伸びていることが分かります。グループで案を出すよりも、個々にアイデア出した方が量も質も高まるのです。集団になると独創的なアイデアが浮かんでも、「嫌われるかもな・・・」と意見を押しころしてしまうことがあります。

全力を出す

社会心理学の実験では人は集団の中にいると、社会的手抜きをしてしまうと言われています。社会的手抜きとは、心理学辞典(1999)では以下のように定義されています。

「集団で共同作業を行うとき、一人当たりが投与する作業への遂行量が、人数が多くなるほど低下する現象。社会的怠惰とも呼ばれる。」

つまり、みんながやってくれるから自分はやらない…というようなサボる気持ちを言います。例えば、会議ではよくしゃべる人が発言してくれるだろう…掃除は家族の誰かがやってくれるだろう…といった思考で、自分がやった方がいいことでも怠けてしまうのです。

その意味で寂しい気持ちがある時期に、精神的に鍛えらている側面があるかもしれません。

新しい気づきを得る

人間の目標や生きがいは、失恋や家族との別れなど孤独なタイミングで見つかることが多いと言えます。心理学の世界ではアイデンティティクライシスの時期と言います。寂しい時、人は自分としっかり向き合い、そして新しい目標や目的を発見していきます。

例えば、
①失恋で寂しい
②自分欠点に気づく
③その欠点を克服する
④人生の目標ができる!

岡本(1994)では、自身の研究の中でアイデンティティクライシスが人生を通して繰り返し訪れ、それを何度も乗り越えていくことでアイデンティティが形成していくものだと報告しています。モデルにすると下記のようになります。

アイデンティティ 拡散この図は、アイデンティティのらせん式発達モデルといいます。詳細な説明は割愛しますが、上に行くほどアイデンティティが確立できている状態を示しています。

つまり一生のうちでアイデンティティを形成できたかと思いきや、また環境の変化や自分が年齢を重ねるなどの要因でアイデンティティクライシスがやってくること述べているということですね。

寂しい時期には意味がある

人生において寂しい時期はその後の人生に大きな意味を持つことがあると感じます。精神保健福祉士として、孤独を抱える方と接していく中でも強く実感しています。寂しい感情は全てなくなった方がいい!断定的に考えるのではなく、孤独な時期にも価値があるのです。ぜひ、寂しい状態を有効に活用していきましょう。

次回は、「コミュニティ」を見直そうについて解説していきます。

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目次

①寂しい気持ちを専門解説​
②寂しい気持ちのデメリット
③意外と価値はある?メリット
④コミュニティを見直そう
⑤見捨てられ不安を解消
⑥「無条件の愛」に甘えてみよう
⑦改善法SST-会話力を伸ばそう
⑧寂しい簡易診断でチェック

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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出典・参考文献
中島 義明 子安 増生 繁桝 算男 箱田 裕司 安藤 清志 (1999)心理学辞典 有斐閣
Steiner, I. D.(1966)Models for inferring relationships between group size and
potential group productivity 
Volume11, Issue4 July 1966 Pages 273-283