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モラトリアム脱却法!今の自分を大切に⑤

モラトリアム脱却法!今の自分を大切に⑤

コラム①では、モラトリアムについて概観していました。重要な要素としては、「①意味や語源」「②メリットデメリット」「③モラトリアム脱却法」の3つでしたね。

今回は③モラトリアム脱却法について解説していきます。

脱却・対処方法

ここまでお読みいただいた方はお分かりの通りかもしれませんが、モラトリアムはしっかりとした過ごし方をすれば、さほど遠くないいつかには抜け出すことができます。そしてモラトリアムをしっかりと過ごした時間が土台となって、アイデンティティ形成へとつながっていきます。この期間を抜け出す方法・有意義に過ごす方法は5つあります。

①自分と向き合う時間を創る
②とりあえずやってみる
③人生の責任を負う・他人事にしない
④期限を決める
⑤今の自分を大切にする

モラトリアム期間の過ごし方具体的に以下に説明していきますね。

①自分と向き合う時間を創る

精神保健福祉士の私自身モラトリアム期間はとても長かったと考えています。16歳ごろから、自営業にあこがれて、自分で仕事をしたい!と考えていたのですが、結局8年間ぐらい、自分が本当に何をしたいのか?わからず、引きこもり、フリータ生活、正社員を体験してきました。モラトリアム期間は長く続きました。

その後、「社会のコミュニケーションの問題を解決する」ことを決意し、やっとのことでモラトリアム期間を抜け出しました。その辺の流れについては、こちらのブログで執筆しましたのでよかったら参考にしてみてください。

前置きが長くなりましたが、モラトリアム期間を脱却する上で役に立ったのが「ブログ」です。私は18歳の頃から毎日ブログを書いていて、自問自答を繰り返していました。日記やブログの良いところは、思考が可視化され、積み重なっていく点にあります。どうしても話し言葉やボーと考え事をするだけでは思考が拡散してしまいます。ブログは書いたことがそんまま可視化されるのでとてもオススメです。

②とりあえずやってみる

2つ目は未経験の仕事、知らない知識が出ると、すぐに好奇心を持てないから、つまらない…とシャットダウンしてしまう癖がある方は要注意です。

・体験した上で → やりがいを持てない
・体験せずに → やりがいを持てない

2つは非常に大きな差があります。

*監修の川島(精神保健福祉士)が動画でも解説しています。
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この2つは非常に大きいな差があります。下記の図は、人間の興味や好奇心の動きを整理したものです。

理解度ゼロのとき、何も知らないのですから、基本的には興味を持つことができません。それどころか不安感が大きいです。しかし、だんだんと理解していくに連れて、興味が芽生えていきます。心理学的には60%ぐらいのラインが好奇心のピークがきます。知りすぎると飽きてしまうのですね。

とにもかくにも知らない仕事や知識が出てきたら、「とりあえずやってみる」「とりあえず調べ続けてみる」という姿勢を心掛けると良いでしょう。

食わず嫌いしないで、最初の入り口は興味がないのが当たり前だから、とりあえず情報を集めよう!という気持ちで気楽に進めていきましょう。段々とやりたいことが拡散的好奇心が出てくると思います。

③人生の責任を負う・他人ごとにしない

3つ目は、将来的に人生の責任を負うことを意識する点です。モラトリアムは、役割実験の時期として、色々なことにチャレンジができます。しかしその反面、1つのことに集中して何かに取り組むということが少ない期間です。

何か色々な事をやれるということはいいのですが、どこか責任を負うことなく「他人事」になりがちです。それを防ぐためにも、将来は自分の人生に対して責任を負うということを意識していただけるといいのではないかと思います。

④モラトリアムの期限を決める

4つ目は、モラトリアムの期限を決める点です。モラトリアムは、どこかで終わりにしなければなりません。そのため、いつまで色々なことを模索し続けるのか、モラトリアムの期間にするかを決めておく必要があります。学生の皆さんは、卒業までというのが1つの区切りになっていると思います。

ひきこもり状態の人が長期化する要因の1つに、卒業などのイベントを経験しにくいので区切りをつけるのが難しいという点があります。それだけ人にとって区切りというのは非常に大切なものです。そのため、何かのイベントをきっかけにする、あるいはご自身でいつまでかという区切りを決めておくことが大切であるように思います。

⑤今の自分を大切にする

5つ目は、今の自分を大切にする点です。モラトリアムの期間は、「本当の自分」といった存在や「自分らしさ」というものを探すことがあります。探すこと自体は、とても大切な作業だと思いますが、今までのあなたの人生や、今のあなたの生活の中にも「本当の自分」や「自分らしさ」という点は、転がっているように思います。

まずはそこから探してみることも大切な作業の1つであるように感じます。同じようにあなたの身近な人など、今持っているコミュニティの中で関わっている人たちもあなたの「自分らしさ」をよく知っている可能性があります。思わぬヒントがあるかもしれませんよ。まずは身近なものに目を向けてみましょう。

いかがでしょうか。モラトリアムは使い方・過ごし方次第で、あなたの人生を豊かにもします。その反面、不自由な生活を送る要因ともなりうるものです。しかしこの4点を意識すれば、そんなに悪い過ごし方にはならないのではないでしょうか。ぜひ、実践してみてください。

私たちは一生モラトリアム?

モラトリアムの良いところは、「色んな可能性を考えて生きていくことができる」ことです。現代では、自分の将来を1つに決めるということは、現実的になかなか難しい作業であることも多いのではないかと思います。「この仕事で生きていく」と決めた仕事が、ある日突然とあるできごとで続けられなくなってしまうことは、少なくないのではないかと思います。ある統計では現在の仕事の50%は将来なくなるともいわれています。

モラトリアムの影響

そうした意味で大倉(2011)は、現代のアイデンティティを確立した人間とは、いろんな可能性を残しながらも主体的に生きていける「成熟したモラトリアム人間」としての在り方を説いています。

具体的にいうと、今の仕事を熱心に取り組む。しかし、定年まで勤められる保証はない。万が一のために転職できるよう準備をしているとか、資格を取るための勉強をしているとか、そんなところでしょうか。

色々お話ししてきましたが、あなた自身が気持ちの面でバランスの取れた生活を送ることができ、充実感を感じられるような毎日を過ごせていればなんでもありというところなのではないでしょうか。それが現代的なモラトリアムへの対処法と言えるかもしれません。

モラトリアムを抜け出そう

今回は、モラトリアムからの脱却法について解説していきました。「①人生に責任を持つ」「②モラトリアムの期限を決める」「③今の自分を大切にする」3つが脱却法でした。まずは、自分が取り組めそうなところから実践してみてくださいね。

ただ、モラトリアムは生涯に渡って訪れます。その時のために、これで一生を生きていくんだ!という心の誓うのではなく、ある程度柔軟性をもって自分の生き方を定めていきましょう。

専門家の講義を受けたい方へ

最後に、これまで「モラトリアム」コラムにお付き合いしていただき、ありがとうございました!日々の生活の視野が広がり、ちょっとした幸せに気づきやすくなり幸福を実感できる機会が増えると思います。

そして、専門家から直接学びたい!という方は良かったら私たち臨床心理士・精神保健福祉士が開催している、コミュニケーション講座への参加をおススメしています。コラムだけでは伝えきれない知識や実践的なワークを進めています。みなさんのコミュニケーション能力が向上するよう、講師も一緒に頑張ります!よかったらいらっしゃってくださいね(^^)

モラトリアムは大人になる前の準備期間!

目次

①意味や特徴・診断してみよう
②モラトリアムの意味や語源とは
③心理学研究「対人不安UP」
④簡易診断とチェック
⑤モラトリアム脱却法!

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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出典・参考文献
大倉得史(2011)「語り合い」のアイデンティティ心理学 京都大学学術出版会