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無気力症候群を改善!自分らしさを考えよう

無気力症候群


無気力症候群の改善策!「自分らしさ」を見つける③

コラム②では、無気力症候群になってしまう原因の1つ「完璧主義な性格」の解決方法を考えました。「ほどほど」の感覚を身につけることが大事でしたね。今回は、無気力症候群に対処する2つ目の方法「アイデンティティを確立する」について考えます。

無気力症候群とアイデンティティの関係

無気力症候群を改善する第一歩

無気力を克服するにはアイデンティティの確立が不可欠となります。アイデンティティとは「自分らしさ、自分なりの価値観」を意味します。中学生以降の思春期〜青年期の20歳前後に人は大人として成長する過程でアイデンティティを模索すると言われています。

「自分と人とは違う人間だ」と気づきそれを受け入れ、「自分はどのように人生を生きていくのだろう」と自分らしさを見つけていきます。

そして、「これこそが本当の自分の生きる道だ」という自分を発見し自我を定めることを「自我同一性(アイデンティティ)の確立」呼びます。

無気力症候群の特徴

無気力症候群とモラトリアム

やることが見つからず無気力になる時期は「アイデンティティが拡散している状態」ということがあります。無気力とアイデンティティ拡散傾向の関連について研究がおこなわれています。

下山(1992)はアイデンティティ拡散傾向とモラトリアムのタイプとの関連を調査しました。アンケート調査を行い、対象は当時の大学2年生369名でした。

その結果、「回避型」のモラトリアム得点と、アイデンティティ拡散傾向は正の相関を示しました。

この「回避型」モラトリアムというのが、職業決定などの人生に関する重要な決定を徹底的に避けるタイプです。簡単にいうとできる限り「何もしない」で過ごしていたいというタイプのことを指しています。無気力なタイプのことですね。

そしてここでいう正の相関とは、簡単にいうと、無気力傾向が強いほど、アイデンティティ拡散傾向が強いということです。このように研究での結果が示すように、アイデンティティ拡散と無気力傾向には関連があると言えそうです。

無気力症候群傾向をチェック

あなたのアイデンティティは?

みなさんは次の問いに対してどの程度答えることができますか?具体的に考えていきましょう。

「私は何者なのだろう?」
「私はどんな人生を歩みたいか?」
「私はどんな仕事がしたいのか?」
「私はどうして生きているのか?」

これらの問いに全く答えられない人は、アイデンティティが拡散している可能性があり、無気力になりやすいかもしれません。対してすらすらと答えられる人は、すでにアイデンティティを確立していると言えます。自分なりの生きる価値観がしっかりしていて生き生きと行動している方が多いでしょう。

アイデンティティ確立① 質問法

それではアイデンティティを確立するためには、どうすればいいのでしょうか。今回は「質問法」「好奇心ツリー」を紹介します。

これからアイデンティティに関わる質問をさせて頂きます。明確な答えでなくてもOKです。直観的に当てはまる言葉を次の下の問いのに回答してみましょう。最初は軽い質問からはじめていきます。徐々に深くなっていきますよ!

問1「私は〇〇をたくさん食べたい」
問2「私は〇〇に行きたい」
問3「私は20年後〇〇に住んでいたい」
問4「私は〇〇な異性が好きだ」
問5「私は〇〇の仕事にかけている」
問6「私は〇〇するときに生きがいを感じる」

今の時点では、うまく答えられないと思います。でも落ち込む必要はありません。アイデンティティを確立していく作業は、つらく難しいもので、とても時間がかかるものです。

まずは日々の中で、自分はどんな生き方をしてどんな人間になりたいのかを、意識することから始めましょう。日記やブログを書くこともおすすめします!無気力症候群の改善に向けた大きな一歩になると思います。

無気力症候群を改善

アイデンティティ確立② 好奇心ツリー

自分のやりたいこと・・・を探すのはエネルギーが必要ですし、そんなのないよ・・・と感じる方も多いと思います。そこで今回は私たちがワークとして行っている「好奇心ツリー」を紹介します。 

①準備段階
まずは、興味関心があることを箇条書きでたくさん書きましょう。どんなに小さなことでもOKです。

例えば
・会話力がほしい
・おいしいスイーツを食べたい
・面白い映画がみたい
・異性にもてたい
・臨床心理学を学びたい

②ランキング化
①で出した事にランキングを付けます。

1 雑談力
2 スイーツ
3 面白い映画
4 異性にもてたい
5 臨床心理学
→1位を採用します

③テーマに関連するワードで木を創る
②で採用した事をテーマに関連ワードで木をつくります。

テーマ「会話力をつけたい」
ⅰ中央に幹を書き、タイトルを書きます

ⅱ大きい枝を書いていきます
 聴き上手 話し上手 笑顔 声  
④葉っぱ、くだもの、お花など自由に書いていきます 
例えば、聴き上手だったら
・質問
・オウム返し
・あいづち
・うなづき
など・・・・バラバラの情報が整理されることで分かりやすくなります。

⑤葉っぱやお花などが無い部分をチェックします
木に葉っぱやお花があまりない部分があると思います。この部分は皆さんの知識が不足してる部分です。

完成せずなんだかムズムズすると思います。このムズムズが無気力の改善につながるのです。

⑥調べて葉っぱをふやそう!
しっかり調べて葉っぱや花を増やしましょう。調べる手段は、インターネットで調べても構いませんが、誰かに聞いてみたり専門書を探してみるのもおすすめです。1つの調査手段ではなく、様々な情報源からあたるとなかなか面白いですよ。

好奇心ツリーはいかがでしたか。自分自身でも気づかなかった興味関心に気づくきっかけになったのではないでしょうか?好奇心を持つには、拡散的好奇心を刺激することが大切です。自分が今やっていることの中から始めて行くと取り組みやすいと思います。 ぜひ自分の好奇心ツリーを作ってみてください。

無気力症候群を改善しよう

今回は無気力症候群の原因を解決するために「質問法」「好奇心ツリー」を紹介しました。アイデンティティは、さまざまな経験をし、悩み、模索する中で、少しずつ構築されていきます。焦らず自分のペースで確立して無気力症候群を改善していきましょう!

次回は、無気力症候群に対処する3つ目の方法「生活のリズムを整える」についてご紹介します。

★ 無気力症候群の改善は アイデンティティの確立から

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コミュニケーション講座

*出典・参考文献
・大学生の友人関係のありかたとアイデンティティの発達 鈴木貴美子,長江美代子日本赤十字豊田看護大学紀要 7(1), 133-144, 2012
・よくわかる臨床心理学 山口 創著 川島書店



コツを身に付けて克服を目指しましょう。