>
>
>
無気力症候群の治療「心療内科・精神科」⑥

無気力症候群の治療「心療内科・精神科」⑥

コラム①では、無気力症候群について概観していきました。解決策としては、「①タスクの難易度を見直す」「②アイデンティティの確立」「③失敗Ok!60%基準法」「④生活リズムを整える」「⑤精神科での治療」の5つでしたね

今回は「③心療内科・精神科での治療」についてより深く解説していきます。

無気力症候群の問題

無気力症候群と病院治療

精神疾患の治療を心療内科・精神科で受ける時は、大きく分けて「心理療法」と「薬物療法」の2つがあります。

1.心理療法
カウンセリングや教示を通して認知、情緒、行動などを変化させ、精神障害や心身症の治療、心理的な問題、不適応な行動などの解決の図ろうとする治療法です。

具体的な手法としては、「認知行動療法」「来談者中心法」「精神分析療法」「マインドフルネス心理療法」「ソーシャル・スキルス・トレーニング」などがあります。

メリット
薬物依存が起こらず、自分自身でストレスに対処できるコーピングスキルが向上します。また、悩みを作り出している問題を直接的に解決するため、人生の質も良くなると考えられます。選択の幅も広く、一度覚えれば、一生を使えるというのが大きな魅力です。

デメリット
症状や種類によっては時間が大幅に取られてしまうことがあります。例えば、精神分析療法では過去の自分と丁寧に向き合っていくのですが、通常ですと「週4~5回」「1回1時間」「1年~3年」という頻度や期間で行います。

また、心理療法は熟達したカウンセラーに出会えるかによっても効果が左右されてしまう側面があります。1回5000円~12000円と比較的高額なのもネックなところです。

精神科

2.薬物療法
精神疾患においては、薬を用いて情緒や体のバランスの安定を図る治療法です。無気力症候群に近いうつ病では、主にSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)が用いられることが多いです。気分を安定させるセロトニンやノルアドレナリンを自然に分泌させる働きがあります。薬物療法では、こうした脳内物質の不足を補う治療薬を投与して快方へ向かっていきます。

メリット
即効性があるため「死にたい…」など緊急性が高い症状にも対応できます。再発予防にもつながるため、症状がぶり返えすことが少なくなります。また、発達障害などに効果的であることも利点です。

デメリット
過剰に摂取すると、薬物依存・身体依存になる恐れがあります。また、薬によって副作用があり、めまいやふらつき、不安感などを覚えるケースがあります。また、悩みを作り出している問題を直接解決するわけではないので、根本的な原因は残り続けてしまいます。心理療法のようなコーピングスキルの向上が見込めないことも欠点と言えます。

ここまでの「心理療法」と「薬物療法」の特徴をまとめると以下のようになります。

精神科・心療内科に行く基準とは?

無気力症候群で「精神疾患型」に当てはまる場合、精神科に行った方がいいのか?という疑問が浮かんでくるかと思います。そこで、臨床心理士の立場から基準をご紹介していきます。

以下のような症状がある場合には、一度精神科を受診しましょう。

・死にたい
・重度の孤独感
・重度の対人不安
・自傷の恐れ
・他傷の恐れ
・異常行動
・妄想・記憶の欠如
・発達障害の疑惑

重度のとは、会社に行けなくなったり、日常生活に支障きたすレベルという意味です。また、発達障害の場合は精神科以外にも、発達障害者支援センターという機関があり相談を受けることができます。

無気力は精神疾患かも

今回は無気力症候群のタイプ「精神疾患型」について解説していきました。小さな無気力でも放置していると、精神疾患に発展してしまう恐れがあります。特に理由がないのに、やる気が起きないという場合には早めに対処するように意識していきましょう。

次回は「生活リズムを整える」について解説していきます。

★ 理由がない無気力は精神疾患の可能性あり!

目次

①無気力症候群-概観
②「失敗Ok!60%基準法」
③「アイデンティティ確立」
④「心療内科・精神科」での治療
⑤「生活リズムを整える」
⑥無気力症候群簡易診断

コメント

2件のコメント

コメントを残す

    • E.T.
    • 2019年11月14日 1:02 PM

    76歳です。今まで色々と有り、もう充分生きました。毎日死を願っていますけど自殺は怖いので出来ず、安楽死させてほしいと願っています。

    1+
    • 月見
    • 2019年10月9日 8:38 PM

    無気力状態が理解できて、楽になりました。

    1+

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


ブログ→
YouTube→
Twitter→