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ネガティブ思考を改善!今すぐできる認知療法とは

ネガティブ思考


ネガティブ思考10のパターンをすぐに認知療法で改善しよう④

「認知の歪み」を修正するコツ

コラム③では、「ネガティブ反すう」の対処法をご紹介しました。まずは、今の自分のネガティブ反すう傾向をセルフチェックしてみてくださいね。

ここでネガティブ思考への対処法をもう一度整理しましょう。ネガティブ思考を改善する対策として「①視野を広く持つ」「②ネガティブ反すうを抑える」「③コラム法で整理する」の3つでしたね。今回は3つ目の「コラム法で整理する」を紹介します。

正直、今回のコラムは少し長いです!5分程度かかりますので、気合を入れてください(^^;

認知の歪みはネガティブ思考を強める

ネガティブ思考を強める認知の歪みとはネガティブ思考が強い人は、何でも無い出来事を偏った、誤った価値観で捉えることがあります。良い出来事でも同様です。このような歪められた思考のクセを「認知の歪み」と言います。

「認知の歪み」とは、全く合理的でない誤った考え方のことをいいます。事実とは違う、極端で大袈裟な考え方です。医者のアーロン・ベックが提唱し、その後デビッド・D・バーンズが認知の歪みについて10種類のパターンを挙げました。

例えば、仕事中にミスをしたらみなさんはどう考えるでしょうか?

①「誰でも起こることだ。今度からチェックを入念にしよう」

②「私は能力がない」

③「もう自分はおしまいだ!自分なんて必要とされない!」

いかがでしょうか。②と③を選択してしまった方は「認知の歪み」がもしかしたらあるかもしれません。

心理学の専門用語「認知」とは

認知とネガティブ思考「認知」と聞くと難しい言葉かもしれませんが、物事をどのように考え判断するか、認識する過程のことを指す心理学の専門用語です。

例えば「あの人から嫌われた!」と考えた場合、嫌われたという出来事よりも、「嫌われた」と認識したということが大事なのです。もしかすると、同じ出来事でも嫌われたと感じない人もいるはずです。

気分や感情は事実ではなく自分が認知した結果、ネガティブな感情は歪んだ認知が生み出すのです。認知の歪みは言わば心の癖のようなものなので、自分で修正することもできます。

ネガティブ思考のパターン?10の歪み

ここでは認知の歪みのパターンを10個ご紹介します。これらは1つ1つ独立するというより、いくつも重なり合ってネガティブな認知となることもあります。

①「全か無かの思考」
価値観はすべて白か黒!物事を白か黒かで判断することを指します。「〜の場合もあるかもしれない」といった偏りはなく、とても極端な考え方です。

例えば、少しでもミスをしたらもうおしまい!すべて台無し!と考えるのがこれにあたります。一部分だけを見て「いつも」「全部」と言ったり「絶対にそうだ」など断定的な言葉を使うことが多くあります。

また、とても仲が良いのにささいなことで突然「裏切り者!」と手のひらを返される…など、人付き合にも影響します。あまりにも修正が難しい場合は、精神的な疾患に繋がることもあります。

②「〜すべき思考」
物事を「〜すべきである」「〜しなければならない」と考えることです。周囲の事情や例外は認めず、他人にも自分にも求めるのでとてもきゅうくつな人間関係になります。

③「行き過ぎた一般化」
証拠もないのに自分の経験の一部分から「(どうせ)いつも〜になる」など法則や理論をつくることです。また。一つのことから別のことへと波及することもあります。

「職場のAさんから挨拶されなかった。きっと嫌われているんだ。自分はいつも人から嫌われるんだ」

などと考えます。ネガティブな一般化は、いつも自分に悪いことが起きるので、憂うつな気分に陥っていきます。

④「心のフィルター」
「選択的抽象化」「心のサングラス」ともいわれます。物事の悪い部分ばかりに目が向きとらわれてしまい、よい部分やポジティブな部分など他の要素を全く評価しない認知です。

例えば、数学のテストだけ悪く、他のテストの成績はよかったのに「こんな点数をとってしまった…!」などと考えます。

⑤「マイナス化思考」
成功したことは「まぐれ」と思い、失敗には「やっぱり自分は失敗する」と考えることをいいます。

よい事を無視するだけでなく、それを悪いことにすり替えてしまいます。また、「よかった」という価値を下げるため自信がなくなっていきます。

⑥「結論の飛躍」
結論の飛躍とは誤った推測をすることです。「心の読みすぎ」と「先読みの誤り」という2種類に分かれます。

「心の読みすぎ」は人の行動や反応、表情などからネガティブなことを推測することをいいます。例えば、街でばったり会った友達に声をかけたら、友達がそっけなかった。「あの人は自分のことを嫌っているんだ」などと考えます。友達は急いでいたのかもしれない、後で聞いてみようなど確認することなく早合点してしまいます。

「先読みの誤り」は、物事を悪い結果になると推測することをいいます。例えば、病気になったら「これはきっと不治の病でもう治らない」など悲劇的に考えます。この認知の仕方はうつ病の人によくみられます。

⑦「誇大視と過小評価」
自分の失敗や短所などを実際よりもとても大きく受け止め、一方で成功や長所は実際よりもとても小さくに考えることです。①の全か無かの思考や⑤のマイナス化思考に似通った部分もあります。

⑧「感情の決めつけ」
自分の感情の一部分にとらわれてネガティブに考えることをいいます。例えば発表前に緊張を感じたら、「こんなに緊張しているんだから、失敗するに違いない」などと考えます。④の心のフィルターに似通った部分もあります。

⑨「レッテル貼り」
ある出来事や失敗からネガティブなレッテルを貼ることをいいます。③の行き過ぎた一般化をさらに強めた場合にレッテル貼りになります。ミスを「失敗した」ではなく「何もできないダメな人間」などと捉えます。レッテル貼りは自分にだけでなく周囲の人へも行うため他人のミスに対しても「こんなこともできない無能なヤツ」と考えたりします。

⑩「自己関連づけ」
物事をすべて自分が関係している、自分のせいではないかと考えることをいいます。自分に責任がないことでも責任を感じてしまうので、自分に対する評価が低く、罪悪感が生じます。

ご紹介した10の考え方をしたことはありませんか?ネガティブ思考が強い人は、いくつかの思考パターンを持っているのではないでしょうか。

 

さて!コラムはまだ続きます・・・ちょっと疲れていませんか。少し深呼吸をして休みましょう!

それでは次に進みます。

 

コラム法で認知の歪みを修正

思考のパターンに気づこうここでは、認知の歪みを修正するのに効果的な「コラム法」をご紹介します。コラム法は、自分の思考が整理できパターンに気づくため、ネガティブ思考の改善にも役立ちます。

コラム法とは、正式名称は認知再構成法といい、ベックが開発しました。自分がどれくらいネガティブな考えや気持ちを持っているかパーセント(%)で表すことで自分の考え方をわかりやすく整理します。表(コラム)にして書くのでコラム法と呼ばれています。

考え方を整理することで、ネガティブな気分や不適応な行動を引き起こす認知を明らかにし、自分で修正する事ができます。具体的には、次の5つのステップで修正します。

<コラム法の流れ>
①ネガティブな出来事を書く
②瞬間的に感じる考え(%)
③気持ち、感情(%)
④別の考え方ができないか検証
⑤今の気持ち、感情(%)

例えば
①ネガティブな出来事
今日会社でミスをしてしまった。すぐに上司に報告し修正した。上司から「今まで一人でやってたのかぁ。ペアにした方がいいかな?」と言われた。家に帰って上司の言葉の意味を考えた。次第に胃が痛くなった。

②瞬間的に感じる考え
「ミスをする自分はダメだ」
「明日もミスをするかも…」
「1度失敗したら取り戻せない」

③自分の気持ち、感情(%)
・悲しい(30%)
・恐い(40%)
・不安(70%)
・疑い(90%)

④別の考え方ができないかしっかり検証
「ミスは誰にでもあることだ」
「今日ミスしたからといって
 明日もミスするわけではない」
「上司は自分のことが必要だから
 今の仕事を継続させたのではないか」
「ペアにするのはお互いに確認しながら
 仕事ができるからではないか」

⑤今の気持ち、感情(%)
・悲しい(10%)
・恐い(20%)
・不安(40%)
・疑い(20%)

いかがでしたか。自分がどんな場面でストレスを感じるか細かく把握することが大切です。また、自分の考えやイメージには、そうでない「証拠」や「理由」を客観的に考えることでそれを打ち消していきましょう。

 

思考のクセはゆっくり修正を

コラム法で気持ちを書き込む様にすると、自分の思考のクセに気づきやすくなり、ネガティブ思考や、認知の歪みを修正する事ができると思います。思考のクセはすぐに修正できるものではありませんから、ゆっくり焦らず進めていきましょう!

次回は、ネガティブコラムのまとめとしてお伝えしてきたポイントをご紹介していきます。適度なネガティブ思考になる方法を一緒に確認しましょう!

★ネガティブ思考な人に多い認知の歪みは10種類ある。コラム法で修正しよう

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コミュニケーション講座

 

*出典
認知行動療法を学ぶ(下山晴彦編 金剛出版,2011)・認知行動療法(坂野雄二 日本評論社,1995)



認知の歪みを認知療法で改善しよう