>
>
>
ナーバスの意味とは?性格の特徴,簡易診断,対処法

ナーバスの意味とは?性格の特徴,簡易診断,対処法

はじめまして!公認心理師,精神保健福祉士の川島達史です。今回のテーマは「ナーバス」です。


対象となるお悩み
・ナーバスの意味を知りたい
・神経質で困っている
・対処法を知りたい

全体の目次
・意味とは
・性格研究
・精神疾患との関係
・簡易診断
・改善する方法 
お悩み相談掲示板

という流れで解説していきます。読み進めていくと、基礎知識と対策を抑えることができると思います。是非入門編は最後までご一読ください。もしお役に立てたなら、初学者向け心理学講座でもぜひお待ちしています。

ナーバスの意味とは?

語源

ナーバスは、心理を表す言葉として日常的に使っている方も多くなじみがあると思いますが、改めて言葉の意味を見ていきましょう。

ナーバスは英語では、nervousと表記されます。ナーバス,神経の図

これは

nerve 
osus

が組み合わさった言葉です。

nerveは中世ラテン語から派生した言葉で「神経」を意味します。

osusは原始インドヨーロッパから派生したことばで「いっぱいにする」という意味があります。

 

ナーバスと体の仕組み

右図をご覧ください。こちらは人間の神経の図です。私たちの体には、神経が全身に伸びていて、運動をしたり、痛みを感じたり、温度を感じたりします。

ナーバスとはこれらの神経が活発に活動している状態を意味します。

私たちの体には、副交感神経と交感神経があります。下図を見てみてください。
ナーバス,交感神経

交感神経の方が活発に動いている感じがしますよね。交感神経は、興奮したり、集中力を高める神経です。ナーバスになるとは、交感神経が過敏になっていると言い換えることもできます。

ナーバスな問題点

それでは、ナーバスにはどのような問題点があるのでしょうか。実は神経質な人は、仕事でのストレスや抑うつにつながることが分かっています。

鷲見ら(1996)は、255名を対象に質問紙調査を用いて、ナーバスが職業性ストレスにどのような影響を与えるかを調べました。それぞれの結果を見ていきましょう。

①職業性ストレッサーが高い

まずは職業性ストレッサーから見ていきましょう。以下の図をご覧ください。

神経質の問題

上記のように、神経質傾向と職業性ストレッサーにプラスの相関が見られます。つまり、神経質傾向が高い人は、仕事でストレスを感じやすいと言えます。

ナーバスな人は、上司の顔色や些細なミスを気にしがちです。気にしい性格のせいで職場でのストレスが高まってしまうのかもしれません。

②抑うつが高い

次に抑うつとの関連を見ていきましょう。以下の図をご覧ください。

ナーバスを克服

このように、抑うつとの関連もプラスの相関が見られました。つまり、ナーバスな人は、抑うつになりやすいと考えれます。

神経質で考えすぎてしまう人は、無意識にネガティブに物事を考えることが多いです。こうした、マイナス思考が積もり積もって抑うつに発展することがあるわけです。

ナーバスと性格

人間の基本的性格

人間の性格は様々な統計処理をした結果、

開放性
外向性
誠実さ
調和性
神経質

の5つがあることがわかっています。このうち、神経質は「Neuroticism」と言われ、神経質傾向が強いと、イライラしやすい、罪悪感を持ちやすい、不安障害になりやすいなどの特徴があります。遺伝率の推定値は40~60%とされています。

HSP研究

ナーバスについて、最近ではHPSの分野で研究されることも多くなってきています。HSPはアメリカの心理学者、アーロン博士が1996年に提唱した概念で

Highly Sensitive Person

と綴られています。直訳すると「とても敏感な人」と訳されます。

HSPの特徴

刺激に敏感
聴覚、嗅覚、触覚、味覚がとても敏感 小さな物音などに反応する

失敗や間違いへの繊細さ
とりとめもない失敗がきになる。完璧主義傾向がある。

微妙な変化に気づく
他人の表情や、雰囲気の変化に敏感、他者に対する共感力が高い

などの特徴があります。

原因は情報処理の過剰

HSPは脳内の情報処理が過剰であるといわれています。例えば、小さな物音に対して普通の人が、30に感じるものが、HSPの人では100くらいに感じることがあります。

これは、脳内の情報処理が過剰に働くためです。

HSPの人は、感覚に対する処理能力がとても高いため、ちょっとした物音でも、脳内では大きな刺激として処理されてしまうのです。

神経質について事例をもとに解説

関連する精神疾患

精神疾患の歴史

高嶋(1989)によると、神経衰弱症(neuras-thenia)という病名が、1920年代にはじめてベアードという精神科医が提唱したとされています。

その後、ナーバスの研究は進み、様々な精神疾患と関連することが分かってきたのです。

現代のナーバスと精神疾患

現在では、ナーバスな人は以下の精神疾患にかかりやすいことが分かってきています。

恐怖症
特定の状況や対象が怖くなる。広場が怖い。人が怖い。とがったものが怖いなど。

不安障害
根拠のない不安を持つこと。交通事故にあうのではないか。火事になるのではないかなど。

ヒステリー
怒ったり、泣いたり感情の起伏が激しい。やや演技的である。

心気神経症
実際には病気でないにも関わらず病気と思い込む。病院の検査を繰り返したりする。

精神疾患の目安

ナーバスな状態は短期的で、理由がはっきりしている場合はそこまで問題ではありません。例えば、受験の1か月前、大きなプロジェクトが迫っている。こんな状態であれば、だれでもナーバスになるものです。

一方で、特に大きな理由がないにもかからず些細なことが気になって仕方がない感覚が続き、不眠、イライラ、抑うつ感が続く場合は上記に当てはまる可能性が出てきます。

ナーバスな女性

診断・チェック

ここからはナーバスを改善する方法をお伝えします。成果を確認するために、定期的な診断・チェックをオススメします。

ナーバスへの対処法

ここからはナーバスで苦しい方向けにおススメの3つの心理療法をお伝えします。

①認知行動療法

認知行動療法は最もポピュラーな心理療法です。大きく分けて、認知療法,行動療法,マインドフルネス療法の3部構成になっています。

全部学習するのは少々骨が折れますが、ナーバスな気持ちを改善したい方にかなりおススメの心理療法です。

偏った考えの改善、極端な行動の改善、感情的になることを抑えることができます。しっかり勉強してみたい方は下記のリンクを参考にしてみてください。

認知行動療法-入門①~④

②森田療法

森田療法は日本人が作成した心理療法で、神経質な症状を改善する手法として伝統的に使われてきました。

森田療法では、「あるがまま」という考え方をベースとして、ナーバスな気持ちを無理になくそうとせず、うまく付き合いながら、行動範囲を広げていくことを目的としています。

一度ナーバスになるとなかなか行動できない…という方は下記のコラムを参考にしてみてください。

森田療法入門

③体の面からリラックス

心と体は連動しています。ナーバスになっている状態は、運動不足で体が堅くなっていたり、緊張で力がカチコチになっていたり、呼吸が荒くなっていることがあります。

体をリラックスさせると、結果的におおらかな心が育っていく面もあります。体のリラクゼーション法を学びたい方は、以下の2つのコラムをオススメします。

心と体-ストレス発散コラム

臨床動作法-体を落ち着かせる方法

 

3つの方法でナーバスな性格を緩和しよう

講座のお知らせ

もし公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元でしっかり心理学を学習したい方場合は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

・心理療法の基礎
・ナーバスな心の改善
・暖かい人間関係を築くコツ

など練習していきます。興味がある方はお知らせをクリックして頂けると幸いです。お知らせ失礼いたしました。

助け合い掲示板

コメントを残す

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


ブログ→
YouTube→
Twitter→

*出典・引用文献
青木万里(2015)森田療法的アプローチによる心理教育―日記療法の手法を用いて―. 鎌倉女子大学紀要, 22, 23-33.
今野千聖・鈴木正泰ら(2016)一般人口におけるうつ病の心理社会的な要因に関する疫学的研究. 日大医誌, 75(2), 81-87
Assari (2017) Neuroticism predicts subsequent risk of major depression for whites but not blacks. Behavioral Sciences, 7,64.
わが国における 「神経質」 に関する研究の歴史的展望
高嶋正士, 共立女子大学 – 基礎科学論集: 教養課程紀要, 1989
鷲見 克典, 早川 精一(1996)職業性ストレスに対する職務関与と神経質傾向の効果 名古屋工業大学学術機関リポジトリ Nagoya Institute of Technology Repository